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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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1.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
まずお話を大変シンプルな構造にしていることに良い印象を持ちました。ダニエルとメロディというローティーン同士の恋に話を絞り、その他の登場人物も描写は非常に制限されています。これにより二人の小さな世界でのお話しという感じが上手く出ていたと思います。基本的に恋敵等の恋愛ものではありがちな要素が入っていないことも同様。二人がまっすぐな気持ちで愛し合うだけで映画になってます。これでもし主人公の年齢が20代そこそこだったら「そんなに簡単に話が終わってもつまんねーよ」となりますが、主人公がローティーンなこともあり、そう感じさせないのがこの映画の面白いところですね。 なぜ子どもは結婚できないかという問いは中々難しい。大人は、法的な問題だとか責任がどうだとか言って胡麻化しますが、ダニエルとメロディが言っている通り、もっといっしょにいたいから結婚するべきなのであって、年齢を重ねるにつれ恋の駆け引きをして、相手のステータスを確認するような恋愛をしてしまう大人からすれば中々痛いところを突いてくる映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-30 23:34:19)
2.  フレンチ・コネクション2 《ネタバレ》 
汚らしいニューヨークを描いた前作から、舞台は麻薬製造元のフランスの港町・マルセイユに移り、画面も徹底したリアリズム溢れる映像から、フランスならではの優雅さを感じられる映像になりました。映像と呼応するように、前作のひりつくような緊張感に包まれ、爽快感もまるで感じられないストーリーとは違い、泥臭い男たちが麻薬マフィアを追う、ジョン・フランケンハイマーらしい暑苦しいストーリーとなりました。 正直前作程の傑出した物は感じられない作品ですが、グッと一般向けによった作りは嫌いではありません。演出上、前作は観た後にドッと疲れを感じた作品だったのですが、本作は最大の敵をやっつけてスパッと終わるので鑑賞後の気分も良かったです。あのラストカットの切れ味は良いですねえ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-20 23:45:42)
3.  アメリカン・グラフィティ 《ネタバレ》 
ほぼ平成生まれの身としてはジョージ・ルーカスといえば『スター・ウォーズ』シリーズしか知らず、更に劇場では悪評も多い新三部作しか見たことがなかったので、この作品には驚きました。こんな優れた青春群像劇を撮ってた人だったのですね。 青春映画らしく非常に成長というテーマを真摯に描いた作品ですね。どの登場人物も初登場時とは一夜の小さな街での冒険を経て、その心情が大きく変わっている。オールディーズナンバーに乗せて青春を描いているので、懐古趣味的な映画として受け止めている方が多いと思いますが、寧ろ「あの頃はよかったな」という望郷からの脱却ともいえると思います。 最も興味深いのは所謂ツッパリでカーレースに興じているジョン・ミルナーです。彼は最後にカーレースの勝負に勝ちますが、その後に「マシンの性能では負けていた。本来なら敗者だった」と呟きます。彼も自分がそろそろツッパリを卒業しなければいけない、若しくは街の外に出てレーサーとしてキチンと経験を積まなければいけないことは理解している。それでも最後に「いや、君は確かに勝っていたよ!」と励まされ、もう少し地元で頑張ってみるかという表情を浮かべる。本当にこれからの彼を応援したくなりましたね。 その後にエンドロール前で彼らのその後が簡単にテロップで流れますが、彼が自動車事故で亡くなったのは非常に悲しかった。人生の悲哀を感じます。
[映画館(字幕)] 8点(2014-09-08 08:10:54)
4.  ゴジラ対メカゴジラ
音楽が中々良いです。ちょっとマンボ調&沖縄の伝統音楽とのミックスが意外と戦闘シーンにあっている。但し、唐突に始まるキングシーサーの歌には思わず笑い転げてしまった。しかも最後は微妙なところで切れてるし。せめて最後まで流してあげましょうよ!
[DVD(邦画)] 4点(2014-07-25 22:46:42)
5.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 
想像を映像化するのが映画だとすればこの映画は映画ではありません。塵芥が散らかるブルックリンの街並み、起伏の少ないストーリー、逃げる悪人の背中に銃弾を浴びせる主人公、そして爽快感のまるで無いラスト。あらゆる場面が単なる刑事ドラマとは一線を画しています。ただ、だから面白くないかというとそんな事は全く無く、リアルにはリアルの見せ方があることが良く分かりました。簡単に言えばリアルだからこそ何が起こるか判らない面白さです。リアルなのだからストーリーが定石通りに進む保証などない。屋上で突然射殺されかける主人公や、それによって巻き込まれて死亡する全く無関係の女性、電車の中であっけなく撃ち殺される車掌。緊迫感と若干の不快感が耳に残る音楽も相まって、事態がどう転ぶか、誰が命を落とすのかが全く読めない。そこにこの物語としての面白さを感じました。 また語り草となっている暗殺者が乗る電車とポパイが運転する車のチェイスシーンは素晴らしい。
[映画館(字幕)] 8点(2014-07-01 19:11:45)(良:1票)
6.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
メロドラマの傑作として名高い作品。観終わった感想は率直に言うと「フツ~」という感じでした。勿論、主役の二人が辿る悲劇には感動させられてしまいましたが。特にジョヴァンナがやっとのことでアントニオに会えたのに彼は既に結婚してて子どもまでいる、その現実に打ちのめされて列車に飛び乗るシーンは良かったです。 オープニングとエンディングの向日葵畑の映像は圧巻でした。
[映画館(字幕)] 7点(2014-03-03 20:23:33)
7.  惑星ソラリス 《ネタバレ》 
映画史という客観的な立場から考えれば紛れもないSF映画の金字塔ということになるのでしょうが、主観的ですと個人的にはコレ位の点数です。私の凡庸な頭では各シーンに織り交ぜられるイメージが何らかの"意味"を伴っていることは理解できるものの、それを特定するまでは迚も至らなかったです。しかしながら、あらゆる考察が可能であり、実際にこの作品に対する研究もされており、色々な評を読むに映画史にとって非常に重要な作品の一つであることは疑いようもないと理解している事は明記しておきたいと思います。 また、ソラリスの海の表現や、オープニング・エンディングに共通する水滴の描写、その捉え方の美しさに見入ってしまった場面も多々ありました。 但し、簡単に断じてしまうならば、観ている最中と観終わった時の気分は唯々只管に「眠い」としか言い様がなく、どれだけ偉大な作品であっても私にとっては観続けるのが辛かったと言わざるを得ません。 しばしば引き合いに出されることも多いらしいので気が引けますが、この辺りの感覚はキューブリックの『2001年宇宙の旅』を思い出します。 どうでもいい余談ですが、所見時、焼酎をやりながら鑑賞したら、ものの10分で夢の中でした。眠れぬ夜のためのお供になりそうです。
[DVD(字幕)] 5点(2014-03-02 16:02:13)
8.  戦争のはらわた 《ネタバレ》 
戦争で最も男らしくない行為として、"身の保身"や"出世欲"が描かれます。 主人公・シュタイナーは心の底から出世を望んで戦争をやっている輩を憎んでいる。それはシュタイナーが昇進を辞退する場面や、全ての将校を嫌いとする言動等から容易に推測できます。確かにこの映画の中で描かれる悪役(ストランスキーとその取り巻き)はサイテーだ。危険な状況になると尻に火が付いたように逃げ回り、たかが勲章や身の保身の為に友軍を見捨て裏切る。責任を問われれば「上官の命令に従ったまでだ」「彼は数時間私の指揮外だった」と宣う。そんな輩をシュタイナーが最後笑い飛ばすシーンは痛快でした。弾丸の装填すらままならない程に現場を知らない傲慢で臆病で無能な上官。そういう奴、現代にも実際にもいるわ! 名匠・ペキンパーらしい迫力のある銃撃戦は圧巻。異なるシーンでは戦友同士のバカ騒ぎ(本当に楽しそうな男社会の様子)が描かれ、ラストの悲劇により悲壮感を惹き立てる。76年当時にこれだけの戦争シーンを描けていたことに驚嘆します。
[DVD(字幕)] 8点(2014-02-22 05:47:25)
9.  男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 《ネタバレ》 
「男はつらいよ」シリーズ屈指の傑作、という薦めもあり鑑賞。オープニングの『ジョーズ』人気に肖ったであろうゴア描写で掴みはOK(但し別に伏線になっているわけではない)、その後も偏屈な爺さんからマドンナの話にテンポ良く進み、最後には心地よい感動を与えてくれます。 本作は弱者を食物にする明確な社会悪が描かれ、マドンナとの色恋沙汰と言うよりは、卑怯な悪人との対峙に大きなウエイトが置かれており、確かに他作と比べると若干異色作かも知れない。終盤に老画家を通して芸術の本質が語られるのも映画ファンの心を掴んでいる理由の一つでしょう。 しかし結局は何時もの通りの"義理人情"でカタがついてしまい、最大の悪人は結局世にのさばってしまう展開には納得出来なかったです。「世の中そんなもんよ」と言われればそうかも知れんが、折角主人公がある意味社会のはみ出し者、寅さんなのだから、その向こう見ずな性格を活かして悪人を成敗して欲しかったなぁ。
[DVD(邦画)] 6点(2014-01-08 01:07:14)
10.  仁義なき戦い 完結篇 《ネタバレ》 
シリーズ5作目にして一応の完結作。最終作としての見ごたえはそれほど無く、どちらかと言うと追補版の様な印象。1~4作目までの様にストーリーを貫く軸が無く、天政会の世代交代とそれに伴う流血が延々と続く。広能も終盤まで登場しないので主人公不在で盛り上がりに欠ける感も否めない。但し終了した筈のシリーズを静かに締めくくる作品と考えれば消して悪い出来ではなく、これまでに数々の名演を見せてくれた菅原文太、小林旭、松方弘樹、伊吹吾郎、田中邦衛、北大路欣也、そして金子信雄に感謝しつつ最後まで楽しく観ることが出来ました。
[DVD(邦画)] 7点(2013-09-28 08:49:32)
11.  仁義なき戦い 広島死闘篇 《ネタバレ》 
他作の誰が死ぬか分からない様なヒリヒリとした雰囲気とは少し異なり、湿っぽい印象を持つ本作。それは誰もが裏切り裏切られ権謀術数が交差する他作とは違い、主人公格の山中正治にスポットを当てたからかも知れません。結構ストレートな恋愛もその印象を強めている。 但し本作には余りに魅力的な奴がいる!千葉真一演じる大友勝利です。彼の演技が特に素晴らしくもう最高。人間的にはクソ以下の様な振る舞いなんですけど、その広島弁の罵倒のリズムの良さ、迸る生命力(お前は何回撃たれたら死ぬんだ)、リアリストとしての人生哲学に惚れ惚れします。勿論、北大路欣也演じる山中正治の寡黙だが仁義を通し続けた生き様にもしびれましたが。 終盤で拳銃の残り一発の弾丸を確認する山中。彼はその一発を自分を裏切った組長に向けるのではなく、自死を選んだ。ある意味一作目と鏡合わせの様な作品であると思います。
[DVD(邦画)] 8点(2013-09-15 19:04:38)
12.  仁義なき戦い 《ネタバレ》 
実録ヤクザ映画の代表シリーズの第一作。かつての任侠映画では考えられない程に薄汚いヤクザばかりの中で仁義を貫く広能が輝く。一作目は他作とは違い抗争劇のテイストが薄めですが、ヤクザ達が共謀し相手をだまくらかして兄弟だろうと容赦なく裏切る展開が続き、ことテーマ性に関しては随一と思われます。ラストの葬式での広能の啖呵が心に迫ります。 そしてこの映画シリーズの成功した要因はドキュメンタリックな撮影方法、リアリティ路線のストーリー、実力派ぞろいの役者陣の名演等、多々あるのでしょうが、個人的に一番好きな要因は広島弁で繰り広げられるヤクザ達の舌戦です。「バカタレ!」「おどりゃア!」「うぬら、調子に乗りよって!」「おどれクソ!舐めよってから!」「なにを言うとるんなら、このクソ!」「ナンとしやがるンな、おどれらは!」……etc。まるで凶暴な歌のよう。
[DVD(邦画)] 8点(2013-09-08 23:11:57)(良:2票)
13.  仁義の墓場 《ネタバレ》 
「仁義なき戦い」と同じく深作欣二監督による実録ヤクザ映画と聞いて、なんとなく手にとったのですがとんでもない作品ですね。カルト映画とされている訳も良く分かります。序盤は「ああ、スカーフェイスと同じく跳ねっ返りヤクザの一代記か」と思っていたのですが、中盤で酔った勢いで親分を殺した辺りから「単なるツッパリを超えちゃってるだろ」と思い、兄弟分の今井を殺した時点で「なんだこの怪物は……」とどんどんと主人公の印象が変わっていきました。とにかく主人公の意味不明な凶暴性が目に付き、余りにも言動が不愉快で不可解なのですが何故か目が離せませんでした。全く好きにはなれませんでしたがね。 主人公を演じた渡哲也の鬼気迫る演技と、その凶暴な演技を際立たせている深作監督のコンビネーションが素晴らしくも恐ろしい、良作ヤクザ映画だったと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2013-08-03 12:34:14)
14.  キャリー(1976) 《ネタバレ》 
プロム・ナイトで絶頂からどん底に落とされるキャリーがもう可哀想で可哀想で……。彼女は母親に縛られて縛られて(と言うかあの母親が全ての元凶ですよね)、それでも何とか立派に生きようとしていたのにあの結末。何て非道な! 最後にキャリーを虐めていた主犯格のクリスはトラボルタ諸共爆死しますが、キャリーが救われなさ過ぎなので悪役が死んでも全然スカッとしない。しかしこの徹底的な無慈悲さがこの映画がカルト的な支持を受けている理由の一つとも思います。 プロム・ナイトの場面に代表されるデ・パルマ独特の色彩とスローモーションの連続も美しかった。それだけにキャリーがテレキネシスで会場の全員を皆殺しにする凄惨なシーンとの対比がすごい。
[DVD(字幕)] 7点(2013-07-21 23:26:30)
15.  こわれゆく女 《ネタバレ》 
ジョン・カサヴェテスはインプロヴィゼーション(即興演技)の監督として知られていますが、この映画ではその演出が実に上手く機能している様に感じられます。伝説と化しているジーナ・ローランズの鬼気迫る"こわれゆく"演技は勿論、夫を演じたピーター・フォークやその他の端役の人物まで、あるがままの瞬間をカメラに収めたとしか考えられず、この物語が只の一夫婦の話ということを強烈に印象付けられます。その演出に効果的に使われているのが超クローズアップの多用ですが、このクローズアップが登場人物の目のゆらぎ・僅かな顔の揺れや震えを以て感情を鮮やかに映し出す。こういう機微は役者の顔をカメラに収める映画という媒体でしか成し得ず、「ああ、俺は今映画を観ている」と強く感じました。こういうのが本当の映画なんだと思う。 ストーリーに関しては、個人的な思い入れがあるため、ここでは述べられませんが、簡単に言うならば"夫婦"のあり方を大変鋭く無慈悲に愛を込めて提示した作品であると思います。
[DVD(字幕)] 9点(2013-07-16 00:52:42)
16.  ウィズ 《ネタバレ》 
主人公の出身をカンサスからニューヨークへと変更し、オズの国のビジュアルも基本的にはニューヨークをモデルとし、ファンタジー要素を排した少し異色の『オズの魔法使い』。各シーンでブラックカルチャーをミュージカルに取り入れているのも面白い。しかしストーリーは基本的にオリジナルを知っていることを前提としている様に思います。ある意味展開がかなり雑に感じました。 クインシー・ジョーンズが参加しているスコアはキャッチーで実に良く、またダイアナ・ロスの歌唱力は見事。
[DVD(字幕)] 5点(2013-06-23 22:46:13)
17.  セルピコ 《ネタバレ》 
警察内の汚職とたった一人で戦った実在の警官、セルピコの半生を描いた作品ですが、自ドニー・ルメット監督らしくその視線は実に冷ややかに主人公を写していると思います。この映画は結局ヒーローには失う物を持たない一匹狼しか成れないということを言ってしまっていると思います。セルピコは付き合っていた彼女にも言われた通り、どこまでも自由にしか生きられない男です。だからこそ彼は警察内部の汚職を暴くという常人ならば成し得ないことをやり遂げた。 逆に汚職に手を染めている警官の中には本当に家庭を大事に思っているからこそ、家族を養っていかなくてはいけないからこそ、賄賂を受け取っている人たちもいる。まあ欲望の赴くままに集金しているクズの方も沢山いたようですが。 証言したことで警察内部で村八分にされ、同僚に殺されるかも知れない恐怖がセルピコを襲うシーンの緊張感は並々ならぬものがあります。今見ると自由人=ヒッピーのファッションというのはやや単純すぎる気もしますが、当時としては斬新な主人公だったのだと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-23 22:40:33)
18.  未知との遭遇 《ネタバレ》 
主人公のロイは全ての大人が一度は抱くであろう憧れと恐怖の象徴だと思います。つまり家族も仕事も金も何もかも全てを捨てて新しい世界に旅立つという選択そのものです。実際には出来るわけない選択だし、それが正しい選択だとは思えないけれど、UFOと遭遇してしまってからの主人公のパラノイアを延々と見せられるので「そういう選択をしても仕方がないかも知れない」と思ってしまうところがこの映画の怖いところでした。 それにしても結局SF映画って魅せ方の問題ですよねー。CGなんて無い特撮だけの時代でも、これだけ古さを感じない画作りは可能なんだ。
[DVD(字幕)] 7点(2013-06-04 00:12:54)
19.  M★A★S★H/マッシュ 《ネタバレ》 
映画の舞台は朝鮮戦争末期ということになっていますが、実際のモデルはベトナム戦争で、直接的な表現を避けるために朝鮮戦争としているだけです。ご存知の通り当時のベトナム戦争は東西の代理戦争として行われただけのインチキで愚かなモノだった訳ですが、そんな中でこの映画は大ヒットとなりました。この映画は初めて「FUCK」という言葉が使われた映画として知られていますが、正しく愚かな戦争行為に対し中指を突き立てた。そして観客もその姿勢に共感した。 今だって無茶苦茶な理由で戦争はあっちこっちで生じている訳で、そんな時代に生きてる身からすると、今観てもMASHの主人公たちの行動は実に痛快に感じました。主人公たちは確かに軽口を言い合い、下品な悪戯で女将校に恥をかかせ、オフの日にはゴルフをして遊ぶ、人間的には結構サイテーな部類です。しかし彼らは患者が運ばれた時には全力で命を救おうとする。それが如何に馬鹿げた戦争によったものであったとしても人命には真摯に向き合う。どんなにクソな環境でも自分にできるベストを尽くしている彼らは非常に個人的に魅力的に映りました。
[DVD(字幕)] 8点(2013-04-13 22:44:59)
20.  狼たちの午後 《ネタバレ》 
序盤の笑いを誘う杜撰な強盗描写から、シドニー・ルメットには珍しく気楽に観れるタイプの映画かと思いきや、どんどんアメリカの暗部を暴いていく恐ろしい社会派サスペンスでした。 観ていて戦慄を覚えた描写を以下に。1.黒人は漏れなく社会的に余り高くない職業(守衛、ピザの配達人、運転手)についていること。しかも守衛で喘息持ちの初老のおじさんは黒人というだけで犯人扱いされ連行される。2.ゲイに対する一部の人間の強烈な悪意。ソニーの妻レオンが現れるとモレッティはJesus(神よ。何てことだ)と言い、警官はQueer(同性愛者に対する蔑称。字幕では「ホモかよ」となっていたけどここは「カマ野郎」位のニュアンスが正しいと思います)と罵り、一部の市民はソニーが乗るバスに石を投げつける。ソニーは普通にカトリック信者なのに。3.中産階級が低所得に喘いでいた当時の社会状況。警官すら例外ではなく、ソニーが撒く金に群がるって……。あれだけおおごとな事態になったのに銀行サイドの経営者の描写がゼロなのはアメリカの基本的な経営者のスタンス(会社は従業員が主体では無く、株主のもの。だからソニーが言及していた通り労働組合の数も極端に少ない。)を表していたのかも知れません。 そして最後に解放された途端に安堵の表情を浮かべる人質たちを見たソニーの顔のインパクトは素晴らしい。彼はあの時、何を思ったのか。結局自分がしたことは何の意味もなく社会は回っていくのだという絶望だと私は解釈しました。  しかし最後に字幕が良くない点を指摘せざるを得ません。前述した【queer】の訳はニュアンスの問題だけれども、【Attica】を単に「アティカ」と訳していたのは完全に誤訳でしょう。あれは明らかにアッティカ刑務所暴動のことです。固有名詞くらいちゃんと調べて訳して欲しい。
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-13 12:37:33)(良:1票)
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