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プロフィール
コメント数 2380
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  ファイティング・ダディ 怒りの除雪車 《ネタバレ》 
リメイク版ではリーアム・ニーソンが起用されているそうだが、まさに北欧に生まれたリーアム・ニーソンともいうべき男ステラン・スカルスガルド。ぞのいかつい容貌には惚れ惚れさせられてしまいます、そういや本作では一切笑顔というか緩んだ表情を見せませんでしたね。まさにバイキング子孫の北欧男という感じなんですが、最近売り出し中の息子のビル・スカルスガルドが親父とは似ても似つかないラテン系の顔なのが不思議。 私が感じたのは、監督のこの映画での撮り方は北野武の風味が強いなということ。たしかにギャング同士の会話などにはタランティーノ風味もあるかもしれませんけど、場面転換や遠景に拘りを感じさせる景色の見せ方などは、北野武が撮ったと言っても違和感がないんじゃないですか。劇中で死人が出るたびに入る十字架と死者の名前のカットも、実にシュールで雰囲気があったなと思います。言われてみると「そうかな?」と納得はしますが、個人的にはこの映画が観終わるまでコメディだとは感じませんでした。でも観たときにはちょっと理解できなかったラストは、コメディとして観ればとてつもなくシュールなセンスですよね。 ノルウェーというととても民主的で平和な国というイメージがありましたが、当たり前ですがノルウェーにもギャングや反社がいるんですね、おまけにセルビア人マフィアも。あとノルウェー人がデンマーク人を嫌っていることも判りました(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-15 21:59:09)★《新規》★
2.  雲の上団五郎一座 《ネタバレ》 
いやはや錚々たる面子、昭和の喜劇役者が勢ぞろいしていて壮観でした。エノケンが座長のドサ回り劇団が、四国の公演に赴く船上で東京から流れてきた(一応)インテリの演出家と出会いタッグを組み、彼の吹っ飛んだ演出のおかげで大入り満員、ついには大阪の興行会社の眼に留まり大阪でも大成功をおさめるというサクセスストーリー、言ってしまえば他愛もないお話しです。菊田一夫が大ヒットさせた舞台の映画化だそうで、21世紀になってからもジャニーズ(おっと放送禁止用語でした)WESTがアレンジして上演しています。はっきり言ってストーリーなんてどうでも良しで、喜劇役者たちのパフォーマンスを愛でる映画でしょう。やっぱフランキー堺は凄くて、彼のパロディ『勧進帳』での弁慶は必見です。そして見逃してはいけないのは三木のり平の芸のキレっぷりで、八波むと志とのコンビで演じる『切られ与三』は抱腹絶倒でした。いやはや、この人はほんとに凄い役者だったんですね。あと花菱アチャコ、あの中気の芸は現代では炎上必至のヤバさがありますが、これが上手いんだよなあ。一座の団長役のエノケンの出番が少なく意外と大人しかったのはちょっと残念だったかな。このストーリー―は続編も撮られたりTVドラマ化されたりしたそうで、埋もれてしまうのは惜しいエンターテインメントだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-04-12 23:12:21)《新規》
3.  オースティン・パワーズ:デラックス 《ネタバレ》 
前作の時は「こんな酷い吹き替えは初めてだ(下ネタのことで声優の演技ではない)」と嘆息していた自分だけど、麻痺してしまったのか耐性が付いたのか、本作では意外と吹き替えが心地よく(?)なってしまったのが恐ろしい。そりゃあネタの下品さは相変わらずですが、字幕で鑑賞したら伝わらないセンスなんだけど、セリフを日本的なギャグに近づけようとしている努力の跡は伺えます。やっぱ海外のコメディは、的確な演出の吹き替えで観るのが正解なんでしょうね。 期待通りの下品さですけど、腹立つほど音楽のセンスは良い。タイトル・バックに流れるのは完全にシャーリー・バッシ―が歌った『ゴールドフィンガー』の完璧なパロディだし、なぜかマドンナが歌っている主題歌はゴールデングローブ賞にノミネートまでされている。おまけにバート・バカラックとエルヴィス・コステロの超豪華なコラボが、ワンシーンだけどあります。今回は『ムーンレイカー』と『タイムトンネル』を元ネタにしてパロったという感じだけど、『ID4』や『SW』からのネタもありましたね。「どっかで見た顔だよな~」と気になっていましたが、大統領がティム・ロビンスだったとは最後まで気づきませんでした。立って動き回るシーンがあれば間違いなく判るんだけどね(笑)。まあはっきり言って今作は次作『ゴールドメンバー』への繋ぎ的な意味合いが強かったと思うけど、それなりに愉しめました。 しかしマイク・マイヤーズは一人で三役、考えてみると90分あまりの上映中ほとんどの場面で登場していたんじゃないかな?『ゴールドメンバー』ではこれが一人四役になるからもう出ずっぱりじゃん(笑)。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2024-04-09 23:22:59)
4.  大菩薩峠 完結篇(1959) 《ネタバレ》 
カオスの権化の様な大伝奇物語もいよいよ終盤、というか原作は中里介山の死去により決着がつかないストーリーの大漂流のうちに未完、それを映画としてどのように閉めるのかに興味が湧きます。 前二作に続いて相変わらずの怒涛の様に進行するストーリー、でも今作では新規の登場キャラがあまり多くないのでまだ判りやすいかなと思いました。駒井能登守=東千代之介の暗殺を謀る大悪役の神尾主膳=山形勲に雇われ机龍之介=片岡千恵蔵、その機会を狙って待機中でも入手した名刀を試したくて辻斬りに励む、ほんとこの人ビョーキです。今回も神尾主膳の悪辣ぶりはキレまくっていて清々しいほどでしたが、駒井能登守謀殺に失敗して失脚してからは全く出番が無くなってしまいます。この三部作ではいろいろなキャラが登場するのですが、どの人物も中途半端にストーリーから消えてゆくのはどうなのかなと思います。逆にこの物語は宇津木兵馬=中村錦之助の成長物語の要素が強かったのかなと思いますし、ラストではあれほど憎んでいた龍之介を因縁から救ってやらねばという親鸞聖人みたいな心境にまで達しますが、その手段はやはり斬ることだとなるところは、さすがブレません。対する時代劇史上で最悪級の怪物キャラ机龍之介ですが、暇になれば辻斬りが趣味の様なサイコパスキャラもブレなかったですね。そんな龍之介も終盤では黄泉の国の幻影に苦しんだり捨てた我が子への思いに苦しめられたり、因果応報が襲ってくる仏教的な描写が目立ちます。この三部作では肝心の龍之介のキャラの掘り込みが浅く、観る者にはこの男を理解するのは困難なわけですが、それがかえって龍之介の怪物性が濃くなる効果が出ちゃったのかなと思いました。 未完の原作なのでラストは当然オリジナルなわけですが、もうこれしかない、という幕の閉め方でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-04-06 22:51:16)
5.  ジョン・ウィック:コンセクエンス 《ネタバレ》 
相変わらずぶっ飛んだ世界線の本シリーズもついに最終章(なのかな?)に突入です。冒頭で主席連合の上位に立つとされる首長がジョンにあっさりと射殺されてしまいますが、このジョンの行動にはちょっと説明がつかない感じがありました。代わって主席連合のトップに立つのがグラモン侯爵なる若造、彼が本作での最凶ラスボスという位置づけなのですが、貴族ぶった言動をするだけで最後まで銃を一発も撃つこともなくて悪役としては拍子抜けさせられます。そしてジョン・ウィックに絡む旧友二人がどちらもアジア人のドニー・イェンと我らが真田広之となります。盲目の暗殺者イェンの能力は超人と言うよりも超能力者というレベルですが、この人の動作やアクションには華というか男の色気の様なものすら感じさせられます。できればこのケインというキャラは真田に演じて欲しかった気もしますが、イェンの方がハリウッドではまだ格上ということなんでしょうね。まあ真田が演じたコウジというキャラも十分にカッコイイんですけど、彼に割り当てられるキャラはパターンが決まっているような気がするのは、自分だけでしょうか? 凱旋門のロータリーでの銃撃戦や200段の階段落ちなど、今作では体を張った見せ場が多かったかなと思います。キアヌ・リーヴスも、ローレンス・フィッシュバーンがプレゼントしてくれた完全にスーツスタイルの防弾着のおかげで、車にはねられても弾を喰らってもダメージが少ないという設定でしたが、いくら何でもこのスーツ無敵でしょ(笑)。キアヌは基本(?)に忠実で必ず相手の頭や顔に何度も弾をぶち込むのに、なんで敵の弾は頭部や顔面に当たらないのかな?すいません、野暮でした(笑)。 最近は『ミッション・インポッシブル』シリーズやジェイソン・ボーン作品群などシリーズになったアクションものが多いけど、その独特な世界線も含めてこの『ジョン・ウィック』シリーズが私には一番のツボでした。ジョン・ウィックよ安らかに眠れ!と哀悼の意を示すところですが、まさかの第五作目製作の噂が…それじゃあ『アウトレイジ』になっちゃうじゃん!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-04-03 22:52:45)
6.  江分利満氏の優雅な生活 《ネタバレ》 
直木賞受賞作の山口瞳の原作は、短編小説のコンピレーションというかどちらかと言うとエッセイに分類されるような作品。それを江分利満氏=山口瞳を主人公にして彼のそれまでの人生を落とし込んで脚色した感じです。勤務先だったサントリー宣伝部をそのまま江分利氏の勤め先にして、“アンクルトリス”の産みの親であるサントリー宣伝部に在籍していた柳原良平=天本英世も登場している。この江分利氏=山口瞳は自分の亡き父親と同年産まれなので、なんか親近感がありますね。 ストーリーテリングは特に前半は軽妙洒脱、柳原良平のアニメを使ったりして、岡本喜八じゃなくて市川崑が撮ったんじゃないかと思うようなリズム感があります。実際のところ、始めは川島雄三の監督作として企画され本作とは違う視点でのオリジナル脚本が完成していたけど、川島雄三の急死で岡本が監督することになったそうです。とくに靴だけが歩き回って会話するというシュールなカットには驚きました。登場キャラでは破天荒かついい加減極まりない江分利氏の父親=東野英治郎がやっぱ光ってましたね、ほんとこの人は上手い。ストーリー自体は江分利氏が大酒を飲みながらもなんとかサラリーマン生活をこなし、ひょんなことから雑誌に連載を載せることになり直木賞を受賞するという山口瞳の半生をテンポよく描いているのですが、ラスト近くになって江分利氏が戦中派としての心情を延々と十分にわたって同僚・後輩に語るという展開は、明らかに作品のテンポを壊してしまった感があります。その語り口も軽妙さは無くてほとんど演説みたいな感じで、こりゃ聞かされる方も堪ったもんじゃありません。こういうことは他の岡本作品には見られなかったところですが、江分利氏と同世代の岡本の真情が迸ってしまったんじゃないでしょうか。この真情が後の『日本のいちばん長い日』『肉弾』『沖縄決戦』などを手掛けるエネルギーの源泉だったのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-03-29 23:07:20)
7.  影の軍隊(1969) 《ネタバレ》 
これほど地味で暗いレジスタンス映画は観たことがないというのが素直な感想です。派手な破壊工作や戦闘場面はほとんど皆無だし、ゲシュタポに囚われた者たちも拷問されるところは見せずに、終わってボコボコになった顔の姿を見せるだけ。仲間を救出しようと救急車を仕立てて監獄に乗り込んでゆくシークエンスなんかでも、これから派手な見せ場が来るぞと期待するのに、瀕死の同志を救い出せずにすごすごと退却してしまう、これは観ていてサプライズでしたね。リノ・ヴァンチュラたちが属するのはいわゆる自由フランス・ドゴール派の組織なので、共産党系の組織・マキ団の様な派手な武力行使が少なかったからなのかもしれませんが、まるでスパイ組織のお話しみたいです。劇中では殺したドイツ兵よりも密告者を粛清した人数の方がどう見ても多い、こりゃ話が盛り上がらないわけです。でも原作者も監督ジャン=ピエール・メルヴィルも戦時中に実際にレジスタンス活動をしていたわけで、きっとこれがリアルでしょうね。戦後フランスではレジスタンス活動は神話化されていたわけで、この映画はそのタブーを無言で批判する様な意図があったのかもしれません。 レジスタンス側のフランス人は全員フランス解放まで生き残れなかったという壮絶な結末、まさにフレンチ・ノワールの巨匠メルヴィルだからこそ撮れたストーリーだったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-03-26 23:07:28)
8.  翔んだカップル オリジナル版 《ネタバレ》 
そうか、これが相米慎二の監督デビュー作なのか。一作目からして相米流映画術が完成しているというか、その後もブレずに同じように映画を撮り続けられたのいうのがある意味尊敬に値します。また薬師丸ひろ子の初主演作でもあるけど、てっきり角川映画だと今まで思っていたけど実はキティフィルムの製作だったと知って今更ながらちょっとびっくり。だから相米慎二の好き勝手に撮れたわけでしょうね。アイドル主演映画なのに、薬師丸のアップが極端に少なくて引いたカメラアングルを多用するなんて、角川春樹なら許すはずないですからね。他の鶴見辰吾・尾身としのり・石原真理子も含めて皆まだ十代、相米に四人まとめて「ゴミ、ガキ」と貶されながらの演技は、薬師丸の主演女優人生のスタートに強いインパクトを与えたことは間違いないでしょう。また肌が合わない人には耐えがたいような相米演出の独特な臭みには、賛否が分かれたことんじゃないかな。クジラの風船がフワフワと漂うシーンなんかは、特にね。でも私は石原真理子の部屋に薬師丸が訪ねてきて鶴見と大喧嘩するところ、そしてラス前のあのもぐら叩きのカットなんかは、好きですねえ。できればあのもぐら叩きのところでバサッとエンドにした方が、ずっと良かったのにと思う次第です。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-03-23 22:47:36)
9.  300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 《ネタバレ》 
テルモピュライの戦いの後日談だと思いきや、ほぼ同時進行していたアケメネス朝ペルシャのギリシャ侵攻がモチーフになっているんですね。今回はアテナイのテミストクレスがヒーローとなるわけですが、前作のレオニダス以上に筋肉バカぶりが凄まじい。史実に寄ればテミストクレスは戦略家というよりも権謀術数に長けた政治家と言うタイプで、後日にはアテナイから追放されてなんとアケメネス朝に亡命して晩節を汚した人物。ただひたすらにギリシャと自由を守らんと奮闘する姿は、あまりに歴史上の人物を聖人化していてドン引きします。製作者がなんと言い繕うとしても、この二作は文明の衝突をスプラッター系エンタメとしているに過ぎません。「ギリシャ文明ってそこまで神聖視して崇めるものなのか?」ていうのが、自分の率直な感想です。まるでエイリアンの様な描かれ方ですけど、アケメネス朝ペルシャだって高度なオリエント文明の一つだし、ギリシャの都市国家群だって、ギリシャ以外の土地をバルバロイと蔑み過酷な奴隷制度にあぐらをかいた挙句にポリス同士で殺し合いを繰り返して滅びちゃったじゃないですか。こういう欧米人の歴史感には、どうにもついてゆけないところがあります。 筋肉バカ・テミストクレスのお株を奪ってしまったのは、エヴァ・グリーン=アルテシミアの強烈なキャラであることは間違いないでしょう。あの視線の凄みには圧倒されます。キャラは盛っているんでしょうが、実際にサラミスで指揮をとったカリアのアルテシミア一世がモデルなんでしょうね。首を狩りまくるしテミストクレスとは乳出しでHしちゃう、もう唖然・呆然でございました。最後にはレオニダスの王妃=レナ・へディまで参戦して来て斬りまくるし、なんかいい所をこの二大猛女が持って行ってしまった感はあります。しかしこの海戦のシークエンスのスプラッター度はかなりのものでした。まあスパルタ船の参戦が雌雄を決したというのは、他のサラミス海戦の描写を含めてこれまたモリモリですけどね。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2024-03-20 23:06:07)
10.  マシンガン・パニック 《ネタバレ》 
スウェーデンの警察小説『マルティン・ベック』シリーズの一編を映画化、舞台はストックホルムからサンフランシスコに変更されて米国の物語に変更されている。70年代のサンフランシスコが舞台だが、当時の荒れた米国の世相が反映したストーリーで、事件のモチーフ自体はスウェーデンより米国に違和感なく置き換えることが出来てます。バス乱射事件で相棒を殺された刑事ウオルター・マッソーと新たにコンビを組むブルース・ダーンが捜査に取り組むのだが、彼ら二人を含む警察の空振り捜査を延々と見せられ事件の真相にさっぱり近づけないのが、もうイライラすることこの上なしです。現実の捜査も快刀乱麻に解決するはずがないのでまあリアルと言えなくもないが、中盤で起こる本筋とは無関係な銃乱射事件など、ムダとしか言いようのないシークエンスがある雑な脚本です。マッソーはパブリックイメージとは違う寡黙でハードボイルドなキャラですが、名優なだけにさほど違和感はなかったです。対するブルース・ダーンがハードボイルドを超したがさつな刑事で、二人が絡むシークエンスの三分の二ぐらいは口論していた感があり、これだけ噛み合わない刑事コンビはちょっと珍しいぐらいです。この映画の最大の難点は、観終わってみても犯人がなんで乗客皆殺しすることになったのかがさっぱり理解できないことで、そもそも犯人があの二人のうちどっちを(両方か?)狙っていたのかすら不明瞭な終わり方なのもイラつかせてくれます。やっぱ同時期のサンフランシスコ市警に在籍していたはずのダーティハリー=ハリー・キャラハンが出てこないと、事件はもつれるばかりです(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-03-17 22:24:53)
11.  ランナーランナー 《ネタバレ》 
優秀な一流大学生が頭脳を活かしてギャンブルの世界で活躍するというプロットのお話しは以前に観たことがあるけど、この映画ではポーカーもネット・カジノも主人公の単なる背景にしか過ぎず、この手の映画に付き物のコン・ゲーム的なおもしろさは期待しない方が良いです。テンポが良いのはイイとしても、ベン・アフレックの運営するネット・カジノの詐欺手口がどういうものなのかがさっぱり判らないのはこの映画の大弱点です。ジャスティン・テインバーレイクが演じる主人公も切れ者という感じが全くないし、ベン・アフレックに仕える過程もまるで『ラスト・キング・オブ・スコットランド』のアミンに魅了されるジェームズ・マカヴォイみたいな感じ、だけど肝心のベン・アフレックにカリスマ性が皆無なので全体的に薄っぺらな印象になっちゃうんだよね。ぶっちゃければ、ベン・アフレックはミスキャストだったという結論になりますかな。まあ暇つぶしにはちょうど良い尺だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-14 22:18:47)
12.  ガンズ・アキンボ 《ネタバレ》 
死体役や変な悪役など最近おかしなキャラを演じることが多いダニエル・ラドクリフ、今回は両手にハンドガンを縫い付けられたシザーハンズならぬピストル・ハンズとなってしまいました。“なんでこうなるの?”という無茶苦茶なプロットだが、スキズムなる殺し合いタイマン試合をリアルタイムでネット中継サイトに悪口投稿したら、タトゥーまみれの主催者を激怒させて拉致され人体改造されて試合に無理やり出場させられたというわけです。まあなんか無理くり納得させてくれそうな設定だけど、このスキズム自体が最近日本でも物議をかもしているブレイキングダウンを連想させてくれて、なんかリアル感があります。ラドクリフ君が両手の銃を指代わりにせざるを得ず四苦八苦するところは笑えるが、掌に銃が文字通り釘づけにしただけの雑な改造は観るからに痛そう。対戦相手のこれまたタトゥーだらけの女・ニックスと協力するようになるだろうなって想像つきますが、彼女があんな最期を迎えるとはちょっと予想外でした。平和主義者であるラドクリフ君は基本として逃げ回るだけですけど、ニックスの方は多人数の敵の中に飛び込んでいって全部血祭りにしてしまう、爽快感はあるけどリアリティ無さすぎじゃね?前半のコメディ調がだんだん薄れてゆきシリアスになっちゃうのは、スピード感も失速してしまい残念でした。ラストで「これはラドクリフ君の妄想でした」という夢オチじゃなかっただけマシかな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-11 23:07:38)
13.  バイオレント・サタデー 《ネタバレ》 
言わずと知れたペキンパーの遺作、でもとてもペキンパーが撮ったとは思えないメタメタな出来。大体からして邦題から酷い、原題は『オスターマンの週末』なのだがもろに『ブラック・サンデー』いじり倒したような発想、「週末なんだからサタデーで良くね?」という感じで決めたんだろうな。ペキンパー自身はこのロバート・ラドラムの原作小説および脚本を嫌っていたそうですが、死期の迫った体調ながらもスケジュールだけはしっかり守って完成させたらしいけど、プロデューサーによっていろいろといじられた様な感はあります。いちおうペキンパー印のスローモーション・カットは健在ですけど、どうでもいい様な使われ方で全くどうしちゃったんでしょうかね?マスメディアがビデオ時代になってきている時世を反映して、ジョン・ハートがビデオカメラを通じて作戦を遂行してゆく設定は面白い。何を考えているのか判らない不気味さもイイですね。でもこの映画最大の敗因はとにかくストーリーが判りにくいところで、脚本が整理できていないのかはたまた原作自体に問題があるのか、多分編集段階でカットしすぎたのかもしれませんね。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2024-03-08 22:20:13)
14.  大菩薩峠 第二部 《ネタバレ》 
第二部が始まるとなぜか机竜之介は盲目になっている、これは前作のラストの爆破攻撃で傷を負った為らしい。相変わらずの超特急的なストーリーテリングだが、本作では盲人のくせに虚無僧姿で飄々と東海道を東へ向かう竜之介と追うお松・兵馬のロードムービーという展開です。この竜之介が盲人なのに随所で斬りまくるしラストでは槍技まで披露します。これはもう座頭市どころじゃない特殊能力ですが、座頭市みたいなリアル指向がないチャンバラなのでやっぱ怪物としか思えない。道中では後から後から女性がモーションかけてくるし、ここまで来ると眠狂四郎もシャッポを脱ぐでしょう(笑)。そしてさすがの竜之介も未亡人のお徳と捨ててきた我が子と同年齢の息子と接するうちにその山中の湯治所で静かに暮らそうかと達観するけど、槍を振るって血の臭いを嗅ぐと元の竜之介に戻ってしまう。竜之介はゆく先々で因果をまき散らせているようなものですけど、悪旗本=神尾主膳がなぜか竜之介の近くに引き寄せられてるような印象があります。この神尾主膳=山形勲の悪辣ぶりはなかなかのものです。 もう後から後から登場人物が増えるので筋を追うだけで必死になりますが、このカオスの様な物語、どういう結末を迎えるのでしょうか?
[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-03-05 23:07:14)
15.  バタアシ金魚 《ネタバレ》 
ヤングマガジン連載中に愛読していましたが、あのほとんどサイコパスみたいで超自己中なカオルが主人公の漫画が、まさかこんなに瑞々しい青春映画になろうとは初見の時はびっくりした次第でした。今となっては貴重な高岡早紀のスク水姿を拝めるし、高岡早紀はもちろんのこと筒井道隆と浅野忠信のデビュー作というのも貴重なところです。生徒の服装や髪形を見るとけっこう平凡で真面目な高校の生徒たちという感じだけど、ビールを飲むし煙草はふかすわ高校生同士でラブホから出てくるわで、まさに今はやりの“不適切にもほどがある!”って感じで、現代の邦画界隈では炎上必至ですな。でも自分も通っていたのはごく普通の高校だったけど、部活の合宿なんかでよくビールなんか飲んでたよな、そんなに目くじら立てなくていいんじゃないかな。当時17歳の高岡早紀の演技はまさに美少女登場!でした、途中で激太りするところで二役(というか三役だったらしい)という演出にはやっぱびっくりしたな。そしてラストのワンカット・ワンシーンで撮られたカオルとソノコのプール内での乱闘は、何度観ても心に刺さります。 この作品は、誰もが覚えのある思春期特有の男の子・女の子のカリカリした感情の表現が今観ても新鮮で、最近の邦画の監督たちにも見習ってほしいものです。監督の松岡錠司はその後ドラマでの活躍がメインになった気がするけど、本作はやはり彼の最高傑作だろうと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-03-02 21:16:14)
16.  PARTY7 《ネタバレ》 
得点分布を拝見しますと綺麗に0~10点にバラけていますねこの映画、強いて言えば5点以下が弱冠多いみたいですな。まあこういう評価になるのもムリ無いかなというのが、私の感想でございます。まるで下北沢あたりの小劇場の演劇を見せられているかの様な典型的なドタバタ劇、これは計算の上で書かれたと思いたい登場キャラたちが繰り広げるバカ丸出しの会話と掛け合い、こういうところも小劇場チックなんですよ。まあこの中でいちばんおバカなキャラかと言いますと、怪優・我修院達也と『アントム・オブ・パラダイス』のウインスローみたいな扮装の原田芳雄か、甲乙つけがたいところです。ストーリーをまともに追ってゆくと途中でほんとバカらしくなってくるので、ラストのカオスがツボかどうかに評価の分かれ目があるんじゃないかな。オープニング・アニメーションは観れば判るように『キル・ビル Vol.1』のアニメパートでそのタッチがそっくり再現されているし、石井克人を起用するぐらいだからタランティーノもこのおバカ映画を観ていたのかな、彼にはウケそうですね。まあ自分もこういうのは嫌いじゃないけど、5点以上はつけられないなあ…
[CS・衛星(邦画)] 4点(2024-02-29 21:50:27)
17.  地獄門 《ネタバレ》 
長谷川一夫が演じるのは、後に出家して僧侶文覚として平安後期および鎌倉初期に活躍した遠藤盛遠です。この盛遠がいくら田舎武士とはいえやってることがムチャクチャ、その行動は匈奴か鮮卑族かと思うぐらい、自分の思い込みで独身と誤解した同僚の妻である袈裟を無理くりに奪おうとして夫や親族までも皆殺しにしようとするヤバい奴です。これを美男スターの代表である長谷川一夫が演じるのはミスキャストのような気がしていましたが、その眼力と風格でこなしてしまったという感があります。そのストーカー侍に狙われるのが京マチ子、この人はケバい顔つきのヴァンプ的なキャラというイメージがありますが、やはり平安美人を演じさせたら右に出る者はいないと断言しちゃいます。『羅生門』を超える妖艶さ、まさに“グランプリ女優”の称号に恥じません。もちろんカラーでスクリーンに映しだされたのはこれが初、さぞや当時の観客は魅了されたことでしょう。大映としてもこれが初のカラー映画、その色彩の鮮やかさは現代の眼で観ても息を飲むほどで、「自分は産まれてからこのかた、こんな美しいものを見たことがない」とまでジャン・コクトーが激賞したというのも納得です。 この映画は同じ『門』でも『羅生門』と較べれば最近では映画ジャーナリズムでも取り上げられることが滅多にない感じですが、後にも先にもアカデミー賞で二部門受賞した日本映画は本作だけなんですよ。決して忘れられてはいけない重要作なんだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-02-26 22:49:03)
18.  ザ・フォッグ(1980) 《ネタバレ》 
ジョン・カーペンターの初期ホラーとしては、本作がいちばんまとまっているんじゃないかと自分は思います。もくもくとまるで煙の様な海霧が町を襲ってきて中から亡霊が復讐に現れるなんて、もう王道の怪談噺なんですよ。すでに80年代になってスプラッター系のホラーが主流になりつつあるときに、グロさを抑えた演出で勝負しようとしたカーペンター親父の心意気を買ってあげようじゃないですか。と言いつつも、イマイチ脚本が判りにくいのと雑なところのも事実。亡霊たちはけっこう殺しまくってた印象があるけど実際は100年前に自分たちをハメた連中の子孫6人だけ、意外と節操がありますね(笑)。この映画ではヒロインと言っても良い様な三人の女性キャラ、ラジオのDJ=エイドリアン・バーボー、町長=ジャネット・リー、ヒッチハイカー=ジェイミー・リー・カーチスが結局なんの交差もなくただその晩に町にいただけという展開は失敗でしょう。少なくともジェイミー・リー・カーチスは必要ないキャラだったんじゃないかな、まあこれは元祖絶叫クイーンである母親ジャネット・リーを引っ張り出すための戦略だったのかもしれません。もっとも本作ではジェイミー・リー・カーチスは絶叫するシーンはなかったですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-23 23:07:25)
19.  once ダブリンの街角で 《ネタバレ》 
どっかで観た顔だなと思ったら、おお、“男”は『ザ・コミットメンツ』のギタリストだった人じゃないですか。この人は元来プロミュージシャンなんで音楽性が高いのは当たり前ですけど、本来はこの役はキリアン・マーフィが予定されていたそうです。実はキリアンももとはロックシンガーだったそうなので、この世界線もちょっと観てみたいです。“女”はチェコのアナ・ケンドリックスという感じの容姿ですが、この時はまだ18歳だったみたいです。でも夫と別居している子持ち主婦という設定にはぴったりで、やっぱちょっと老けてるんだよな。 低予算が丸判りのオール手持ちカメラとロケ撮影の映像には、まるでドキュメンタリーかノン・フィクションの様な雰囲気があります。この映画に登場するキャラは冒頭で“男”のチップをかっぱらおうとする若い男も含めて、男女を問わずイイ人ばかりなんです。“男”の創る曲はフラレ男の元カノへの愚痴とぼやきと未練たらたらの歌詞ですが、確かに曲はイイですね。対する“女”はモーションをかけてくる“男”を頑なに拒むし、最後は“男”はロンドンにいる元カノとよりを戻せそうし、“女”は夫をチェコから呼んで新生活を始めることになる結末。まあこの結末だけじゃ“男”がロンドンでアーティストとして成功するかどうかは未知数って感じだけど、ベタなサクセスストーリーじゃないところに好感が持てます。こういう何の進展もなかった男女の出会いって、自分も含めて経験したことがある人は多いんじゃないかな、人生ってそういうもんよ。因みにこの“男”と“女”を演じた二人は撮影後にほんとに恋人になって同棲したんだとか、もっとももうとっくに別れたみたいですけどね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-02-20 22:51:54)
20.  大菩薩峠(1957) 《ネタバレ》 
時代劇映画できってのダーク・ヒーロー机龍之介、オープニングでいきなり通りすがりの老人を何の躊躇もなく斬捨てる、もうサイコパス人斬り魔でしかない。演じるは“山の御大”こと片岡千恵蔵、机龍之介役としてはやはりこの内田吐夢版の千恵蔵がやっぱいちばん有名でしょう。このキャラの鬼畜ぶりは眠狂四郎でさえも正義の味方に思えるぐらいで、そのニヒルぶりもかなりのもんです。千恵蔵はこの時すでに齢五十を超えている半ば御老体で龍之介を演じるにはちょっと老け過ぎの感もありますが、その貫禄と威厳はさすがとしか言いようがないです。中里介山の原作は超長編のうえに彼の死で未完という問題作、映画化されると長編の尺で三部構成というパターンが主流ですが、それでもストーリー展開は超高速でダイジェスト感があるのは否めません。やっぱ完全映像化となると、アヴェル・ガンスの『ナポレオン』ぐらいの尺が必要でしょう。 第一部しかまだ観ていませんが、とにかく一つ一つのエピソードが短く次々に繰り出されるので、参考資料を片手に観ないと着いていけなくなります。その分どうしてもキャラたちの掘り下げが甘くなりがちで、とくに龍之介が単なるぐうたらにしか見えないところが残念でした。近藤勇や土方歳三なんかとつるみ出したんでどうやら新撰組に龍之介は参加したんだなと判りますが、どうして彼がその気になったのかはまったく描かれていないので?でした。あと『用心棒』以前の古い時代劇にはいわゆる斬撃音がないので、どうも迫力が感じられないのは私だけでしょうか?
[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-02-17 22:31:36)
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