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プロフィール
コメント数 253
性別 男性
自己紹介 直接的に「内容」に向かうのではなく、「スクリーンへの現れ方」を語る言葉(技法論的な言葉)をなんとかめざしたい。

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1.  ニュー・シネマ・パラダイス
映画館で観たときからべたついてくる映画だなという感じがあった。映画を好きになるはずの映画、ということを押し付けるような感じと言おうか。子供をあしらっているが、子供にとって映画はむしろ怖いものである。この映画の否定派の感想をいろいろ聞きたい気がする(ここまで2011年のレビューで評点が4)。いま見直すとフェリーニ感もあるし切ない味も良くて、評点の変更(2024年)。
[映画館(字幕)] 7点(2024-01-24 22:07:49)(良:1票)
2.  人間蒸発 《ネタバレ》 
「探す映画は探される」というのは、私の持論である。探す主体がやがてまさに探される客体となるのは、何もこの映画に限ったことではない。この映画作り自体がはじめからそれを意図していたであろう、探すことをやめた時、見つかる重大なこと、がある。
[映画館(邦画)] 8点(2024-01-24 17:37:55)
3.  妻二人 《ネタバレ》 
イマジナリーラインを絶えず踏み越えて、見交わしの都度人物の位置が左右反転するという画面演出スタイルが目立っている。それは調和的な向かい合いの否定である。つまり、人物たちがそれぞれに潔く自分であることを追求しぶつかり合う増村流で、かくて未練がましい絡みのない、メリハリのあるスピーディな進行となる。岡田茉莉子の代表作の一つとなっているのではないだろうか、増村映画の偉大な常連若尾文子を脇に回して。
[DVD(邦画)] 8点(2023-01-17 10:11:21)
4.  女ともだち(1956)
長回しという言い表し方では済まないような巧みな撮影・演出手法で、目まぐるしく動く人物たちが主体として浮上しては脇へ外れてゆく様を描き出す。けっして、人物たちの間に割って入って見交わしをモンタージュするようなことはないのは、ほんとうにすごいことだ。ほとんんど取るに足らない筋で不思議に充実しているアントニオーニ作品たち!
[ビデオ(字幕)] 9点(2022-11-13 23:07:13)(良:1票)
5.  暖流(1957) 《ネタバレ》 
左幸子が回る、環境の同調圧力を振り払う独楽のようにブンブン回りながら、恋のターゲットに向かって一直線。野添ひとみも素晴らしい。きわめて動的で立体的な演出で、イマジナリーラインを絶えず踏み越えるゆえ、見交わしの都度人物の位置が左右反転する。人物が頻繁に横に動いてイマジナリーラインを跨いだり、カメラが人物の背後に回って逆サイドからも撮ったりで。もちろん人物位置の反転自体が良いのではなくて、輪郭のある人物どうしの格闘が、反転の度により深められ、映画語りの速度を上げることこそが。この『暖流』の秀逸な撮影者ということで村井博を知る、すると、彼にはあの宮川一夫を鋭く相対化する視点がある、ということに出会う(「インタビュー 村井博」『映画監督 増村保造の世界』所収)、興味津々!
[DVD(邦画)] 9点(2021-01-06 14:07:55)
6.  天然コケッコー 《ネタバレ》 
横恋慕してくる男、父親の浮気、カレとの別離の可能性などなど深刻な話題となりうる局面で、ヒロインは積極的には動かない、受動的である(が、従属的ではない)。とにかくボーっとして、まずはながめている(観客もボーっとながめている)。中心人物が受動的なので、周囲世界のほうが重量を帯びる、といっても、なんだか周囲世界の方で納まってくれるので、しあわせな映画となる。そんな映画があってもいいではないか。
[DVD(邦画)] 8点(2021-01-06 14:01:00)
7.  青空娘 《ネタバレ》 
ウジウジ悩まない、恨まない!(とりわけこれ!)、低レヴェルの諍いに与しない、青空を仰いで苦境をどんどん乗り越えてゆく。昭和32年の快作である。湿っぽい日本映画にあからさまに対抗している。
[ビデオ(邦画)] 9点(2020-04-13 23:33:56)
8.  家路(2001) 《ネタバレ》 
悲報が周りの人間たちにまず伝えられ、本人への伝達シーンは割愛される、こういうのがまず巧い!主人公を思いやる共同体というものを形成してそれに観客を参入させるのである。次のショットは自宅二階の窓、そこから庭の孫を見守るPOV、このPOVはのちにもう一回、本当に美しい。急遽代役の、映画出演ということになって、堂々たる演劇俳優が、映画的に切り刻まれる。演劇とは徹底的に区別される映画の残酷という、ベンヤミンばりのアウラの崩壊の図だが、これは、行き着けの喫茶店での内側からの撮影とは全く性格の違う外側からの撮影(喫茶店のフレームの中に主人公)ということでもある。
[ビデオ(字幕)] 10点(2020-04-13 23:30:50)
9.  生活の設計 《ネタバレ》 
窓際で背をカメラに向けて男同士二人腰掛けるショットが雄弁だ。窓が友情のフレーム枠(フレーム内フレーム)となり、かくて友情と、ならびに、背を向けている分背信(友情に対する)を見せている。洗練された映画だ、これも。
[ビデオ(字幕)] 9点(2020-03-15 13:44:24)
10.  ろくでなし(1960)
この「噂の名作」を映画館で観るのに時間がかかった、かつては。ついに観ることができたときにはほんとうに興奮した。世間に追従するだけではない「若者」の映画、映画は若者のための野心的なジャンルとなったのだった。若者表現において吉田には小津との有名な確執があったし、これも日本映画史の貴重なひとこまである。
[映画館(邦画)] 10点(2020-03-08 08:52:37)
11.  ショック集団 《ネタバレ》 
原題が「ショック廊下」であり、精神病院のこの廊下を、ルネサンス以来の中心遠近法が見据える。これがまさに「異常」を隔離・排除する「理性」のあつかましい視座であり、この視座(つまりは観客の視座)をこの映画は撃つのである。最も強烈な話題は、KKKに同一化する黒人患者で、つまり支配的な「ものの見方」に主体として参入することへの彼の切なる欲望にも拘わらず自らの存在が無惨に(発狂するくらいに)分裂しているのである。患者のフリをして潜入しついに殺人犯を見つけ出す主人公自身の「理性」も、やがて報復されなければならない。ラストの廊下シーンの客体として現出する主人公の視座を観客も引き受けなければならない。見ることは見られることなのだ。
[ビデオ(字幕)] 9点(2016-06-09 09:08:08)
12.  暗殺のオペラ 《ネタバレ》 
「真実」を求めての異邦人モティーフ、といえばカフカ調で、しかも話は逆説的で、『城』の主人公Kがじつは「測量技師」ではないらしいのと同様に、この映画では責めがあるのは探す主体の側(「不当に」殺された父)であるという相対化が良い。映画語りとしては意図的に鈍いが、それが程よくリアルで、「退屈」に耐える云々というアリダ・ヴァリの台詞も効いている。多少うとうとしたが、それもふくめて楽しめる。ベルトルッチでは『殺し』に続くぐらいの良さである。
[ビデオ(字幕)] 7点(2016-06-07 23:53:58)
13.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 
この作品のサスペンスは、観客の同一化の対象がずっと宙ぶらりんなこと、それが揺れながら移動することこそにある。詐欺師カップルにはとりあえず同一化はできないが、転回点は詐欺師カップルが極悪犯側からの攻撃(壊された車)を耐え抜くところで訪れる。実行犯の死を伝えられた極悪犯が一瞬安堵の表情をみせる(実行犯にゆすられる心配が解消)というきめ細かさである。
[DVD(字幕)] 8点(2016-06-06 16:47:59)
14.  ジャンゴ 繋がれざる者 《ネタバレ》 
この作品の構成には媒介項が不可欠である。まずは、黒人の味方をする白人が筋を引っ張る(黒人主人公と助力白人が捜索の旅に出る)→それを、白人の体制に忠実な黒人が妨害する→とうとう主人公の黒人の大活劇。プロップの『昔話の形態学』における、説話の必勝パターンのことを考える。
[DVD(字幕)] 7点(2016-05-28 21:57:43)
15.  Love Letter(1995) 《ネタバレ》 
ラストシーンが微妙にいい。二人居るヒロインを一人二役、かつそのうちの一人の役を二人の俳優が演じることの意味。高校時代の自分への(死んだ樹君が描いた)似顔絵が出てきたのが届けられるという感傷的なシーンなのだが、中山美穂にではなく酒井美紀に似た似顔絵なのである。つまり中山美穂(樹役)にとって自分に似ていない(博子役の中山美穂にとっては似ていてはガッカリなのである)のが似ていることの証であるというこのちょっとしたズレが、観客にとっての戸惑いでもあり感傷を強めることにもなる。『花とアリス』と双璧の岩井俊二の傑作。
[映画館(邦画)] 9点(2016-04-17 10:43:37)
16.  JAWS/ジョーズ 《ネタバレ》 
身体を直撃する痛い映画、ていうか、映画は眼だけのレヴェルでおさまるものではまったくないということを再認識させる。事態の深刻さときちんと向き合おうとしないで対処の邪魔をする権力(市長)が、リアルであると同時に、筋の展開に効果的な役割を演ずる。それだけでも巧みである。
[ビデオ(字幕)] 8点(2016-04-15 20:53:11)
17.  曳き船 《ネタバレ》 
1941年の、フランスにとっても過酷な時代に、この古典的な名品。古典的といえばスタジオでの制作の感じが強いし、筋もまた禁欲的な節度を保つ。こういう「古典的」なものが戦後はリアルな表現によって乗り越えられていくわけだ。
[DVD(字幕)] 6点(2016-04-10 13:51:54)
18.  フューリー(2014) 《ネタバレ》 
戦争嫌いなインテリ(観客のことでもある)を戦争に無理矢理引き入れるという構図。まだこんな反ナチが大義名分の映画作っているのだな。
[DVD(字幕)] 4点(2016-04-03 09:58:32)
19.  奇跡(1955) 《ネタバレ》 
いきなり窓外へのPOVを連続させる。もうこれで観客を映画の中に引き入れる。単純な造りなのに、観客を捕まえて離さない。捕まえて離さないためにはロミオとジュリエット的なネタは有効だが、じつは世俗組織(教会等)を痛烈に無化するようなレヴェルに観客を対峙させる映画であろう。「裁かるるドライヤー」となるようなレヴェル。
[ビデオ(字幕)] 7点(2016-02-29 15:04:00)
20.  くちづけ(1957) 《ネタバレ》 
鬱屈を振り払う意志(即決の決断力)が生む猛烈なスピード。なるほど増村が志すように非主体的な日本映画の対極に見える。だが映画である以上、意志や主体が絶えず視覚の対象へと(つまり客体レヴェルへと)引き落とされて(やみくもの即決というのは熟考という人間的能力からの疎外態でしかないだろ!)、皮肉にもそういう疎外態が魅力なのである、増村の場合も。
[DVD(邦画)] 7点(2016-02-26 00:01:20)
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