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プロフィール
コメント数 272
性別 男性
自己紹介 直接的に「内容」に向かうのではなく、「スクリーンへの現れ方」を語る言葉(技法論的な言葉)をなんとかめざしたい。

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1.  タルチュフ ネタバレ 
旅から帰宅した夫が聖なるものにかぶれているという話題は、あの『フォーゲルエート城』の再現である。脚本は同じカール・マイヤーで、階段のセットがここでも大きな役割を演じている。聖人を演じるタルチュフが階上から階段の誘惑に逆らえずに階下の肉欲へと堕ちる図は、あの名作映画『雨』(マイルストン)を連想させる。 
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 9点(2025-05-09 14:29:44)★《更新》★
2.  帰らざる河 ネタバレ 
映画の流れる空間、シネマスコープの横長画面に横長にハマり続ける河(スクリーンプロセスであろうが)、それだけが大切なポイント。ひたすら襲いかかってくる悪者としての先住民という描き方の中に、この少し前の日本軍も含まれるかも。プレミンジャーは演出に厳格であるそうだが、人物の造形の上で、その成果が出ているようにも見えない。
[DVD(字幕)] 5点(2025-05-09 14:25:46)★《更新》★
3.  雨のしのび逢い ネタバレ 
原題に謳うように、中庸・節度を保つこと、踏みとどまること、が主題。ベルモンドの役柄が圧倒的に踏みとどまっている(あのジャンヌ・モローと駆け落ちしても先は知れている、のをわきまえている感じ)ので、映画らしい転落は起こらない。一見ジジ臭い(ピーター・ブルックは年輩だ)中庸つまり踏みとどまることを馬鹿にしてはいけない。それには自制の大きな力が必要なのである。
[DVD(字幕)] 6点(2025-05-09 13:58:36)★《更新》★
4.  ピアニスト
関係においてしか存在はないのだが、関係抜きに存在している感じ、それがハネケ映像である。 関係とはこの場合「経済的な語り」のことである。このことについては『隠された記憶』の項で書いた。
[ビデオ(字幕)] 5点(2025-05-08 21:12:58)★《更新》★
5.  マルホランド・ドライブ ネタバレ 
こういうの「難解」とかではなく、意図的に迷路にされているだけ、とむしろ冷ややかに評されてしかるべきだ。ただし、上手いのは、例えばヤバそうな大金の存在が、あの「鍵」(迷路を解除する鍵)により霧散すること、それと同時にナオミ・ワッツ演じるヒロインの姿も消えることだ。全ては彼女の妄想なのだ。隠れたものを覗き見るスリリングなスタイルがこの映像全般にあるが、なかでも精神分析的な無意識への探索(「リタ」の部屋に入ることの、つまりは自分の無意識の)のかたちを、深掘りして欲しかった。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-07 14:23:17)《更新》
6.  メランコリア ネタバレ 
作品の形式はいかにもアンバランスだが、前半のニヒルなヒロインが自身の社会的体面をぶち壊す迫力や、後半の迫り来る滅亡に対処する人物たちの姿勢の逆説的な変化などにおいて、個々の表現自体は充実している。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-07 10:26:19)《更新》
7.  絹の靴下 ネタバレ 
ダンスシーンはあまりないのかと思いきや、禁欲のヴェールを脱いで彼女が伸びやかに踊る、踊る! この映画の後三十年も経ってボウイの『レッツ・ダンス』の歌声がベルリンの壁を越えて「東」を挑発したのだった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2025-05-07 10:15:44)《更新》
8.  夏物語(1996) ネタバレ 
特徴ある「三種類」の女性が相手でいずれも捨て難いとなれば(実はあの本命はケシカランが)どれかに絞れない、主人公の「優柔不断」となる。この「優柔不断」は本来どの選択肢もキープしておきたいという欲望の表れ、ということだろうが、しかしこの場合はむしろビョーキに近い。だからこそ、この「優柔不断」の贅沢を転覆する外的事情があのような目覚ましい解放となる。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-06 17:49:20)《新規》
9.  裏切り者(2000)
『トゥーラバーズ』に続いて観たジュームズ・グレイ映画で、嘘っぽくない充実感が素晴らしい。ホアキン・フェニックスの暴力的な肉体を触知できる感じだ。あの格闘シーンは実に生々しい。
[DVD(字幕)] 9点(2025-05-06 08:47:35)《更新》
10.  砂丘 ネタバレ 
こういう映画は、同時代にあの映画館で、が大切な条件で、それを外して、DVDでねそべって見るなんてことはまことに恥ずかしいことのように思える。懐かしくて久しぶりに映画館で二回目観たときはもうかなり恥ずかしかった。かつて一回目にはほんとうに感動した。ケーサツで偽名が Carl Marx とタイプされる(つまりドイツ語表記とは違っている)のもいい感じだし、政治運動からドロップアウトして彷徨うというのもいい感じだ。
[映画館(字幕)] 8点(2025-05-05 19:55:19)《更新》
11.  旅愁(1950) ネタバレ 
大恋愛は超え難き障碍があってこそ。大きな障害と見えた妻の側の理性的な譲歩により「もうこれで自由だ」となった瞬間「自由ではない」ことにヒロインが気づく。つまり障碍がないことが最大の障碍である逆説の成り行き。ヘイズコードがまだ生きている時代だからか、恋する「肉体」を全く感じさせない淡交。ところで「時代」といえば実はこれは赤狩りの時代で、演出のディターレは大変な目に遭っていることの方が重大である。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-05 19:50:16)《更新》
12.  脱出(1944) ネタバレ 
ボギーの、躊躇というものがないひたすらスピーディーな決断と行動が全編を貫く。そんな人間はいないし、いても困る面もあるだろう(周囲の者には)。まあ、銀幕の中にしかない憧れのようなものだ。『カサブランカ』とは違って、すでに戦況が定まってきている安心感というものが大きいのかも。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-05 15:41:02)《新規》
13.  現代人 ネタバレ 
生家の鬱陶しい環境からの切断を生きる主人公(池部良)のあくまでシャープな身のこなし(これだけでも素晴らしい)、清濁合わせ飲む覚悟への無謀な移行、移行といえば長回しの画面奥へのキャメラの縦の移行に山田五十鈴が魅力的に絡む。フランス・ヌーヴェルヴァーグに先立つ圧倒的な名作。
[DVD(邦画)] 9点(2025-05-04 13:41:37)《更新》
14.  ブルックリン ネタバレ 
ヒロインからすればぜんぜん「ハッピー」エンドではないのを、さりげなく見せているのであって、これがリアルということなのである。一途の恋であったはずのものも、諸事情の影響を受けてブレずにはいないのである。恋愛至上主義・原理主義(?)からの抗議の声をさりげなく受け止める覚悟はできている映画だ(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-04 13:38:52)《更新》
15.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ ネタバレ 
アメリカ映画で画面に言わば署名が付いている、珍しい方の例だウェス・アンダーソン。特徴的に、ひたすら平面・表層をキャメラが滑走するスタイルは、決して深刻にはならない、が、しかし内容が浅いわけではない。映画の「内容」って、何か突飛な特別なことが必要なわけではない。この「父帰る」というよくある話題の周りに配置されたほぼ「普通な」話の数々をずっと退屈せず見てしまう。画面の色調も美しく暖色で作り込まれ、なんともハートウォーミングな肯定感が素晴らしい。そう、肯定感が。
[DVD(字幕)] 9点(2025-05-04 13:34:21)《更新》
16.   ネタバレ 
階段があって、上段に屹立する宣教師が下段から見上げる倫落の女に対して、一方的に罪を宣告する(まるでドライヤー『裁かるるジャンヌ』のように一方的)。段差で、両者の視線は「交わらない」。で、この宣告の最中に後者はとうとう回心する(ように見える)。が、やがて宣教師の抑制され得ぬ肉欲のせいで身体の方が「交わり」大逆転となる。その裁きは外界でなされる。雨で外界が遮断されているという設定は演劇に好都合(元は演劇作品)だが、極めて映画的な興奮を呼ぶのは外界への想いならびに外界の断片的な挿入である(ムルナウ『タブウ』のような南の島であること、皮肉にも晴れた朝のエンディング)。単純な立て付けながら素晴らしい映画である。
[DVD(字幕)] 9点(2025-05-04 12:45:22)《更新》
17.  フォーゲルエート城 ネタバレ 
『最後の人』や『サンライズ』などの極上の作品に比べれば、評点の9点は、ムルナウを偏愛するゆえの高すぎる評価なのは承知だが、かつてドイツ映画祭で観て、その深い寂寥感に撃たれたのが原点にある。シュトラッツ作の同名の原作小説(ドイツ語髭文字の原書!)を参照したら、これが魅力的な形式(登場人物たちがそれぞれ「私」形式で語る、複数の語り)を備えているだけではなく、人物像にも重要な違いがある。ムルナウの映画版では、主人公エーチュがあの告解を盗み聴く僧侶に変装するのみならず、死刑を宣告する裁判官役割も兼ねて、作品の進行を決定する主体となる。原作小説ではなんとエーチュ自身も死んで、そもそもその主人公という地位も相対化されるというのに。男爵夫人も映画版では「運命の女」「妖婦」的により濃厚に輪郭付けられる一方、逆にそのパートナーである男爵像の原作における大変な悪どさが映画版では消えて、妙に繊細なむしろ切ないような役作りに変改されている。おそらくこの点にこそこの映画のエキスがありムルナウ自身のゲイ性が反映されていると見る。そういえば主人公エーチュも単独者であり、警察権力(原作小説のエンディングで支配的な役割を演ずる警察関係者が、映画版では影が薄い)を脇に除ける主体としてこの映画を締めくくっているのも極めて印象的だ、と言わねばならない。同性愛者に敵対的なドイツ刑法175条の縛りのある時代のことだから。この映画美術としては、階段が大きな役割を担う。脚本のカール・マイヤーに『裏階段』という禍々しき作品があるのも頷ける。
[映画館(字幕)] 9点(2025-05-04 09:09:16)《更新》
18.  雪の轍
主体(意識)と無意識ということだ。主体というものが無意識的に前提している自己満足の楼閣が切り崩され始める(姉や妻やその他従えている人々などによって)、という普遍的な話である。人はこういう映画を観て、自分の生が無意識的に依拠している(踏み付けている)構造を反省するのだ。教訓的なのである。
[DVD(字幕)] 8点(2025-05-04 09:05:14)《更新》
19.  さざなみ ネタバレ 
日常的な平凡な些細な事柄が、深掘りするとこんな怖い話になる。深掘りの技法こそがだから大切なのだ。特別に突飛な「無い話」に依存したり、筋や人物の交差を殊更に複雑にしたりすることよりも。
[DVD(字幕)] 7点(2025-05-03 14:04:27)《更新》
20.  浮雲(1955) ネタバレ 
私にとって『稲妻』が最高であり『めし』や『驟雨』も素晴らしい。『浮雲』はもちろん名作なのだが、一見陰気だし、腐れ縁というものもあまり直視したくない。ほんとうにせつない、セクシーな映画ではある。
[映画館(邦画)] 9点(2025-04-28 08:57:01)
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