1. 明日に向って撃て!
ネタバレ 最初はいい。最後もいい。ただ中盤の追いかけっこがねぇ・・・。ずーっと逃げてばかりでいかんせん退屈。 「まいたか。」「いや、まだだ」「もう大丈夫だろう」「いや、まだだ」の繰り返し。台詞もシチュエーションもほとんど変わり映えしないので、いい加減飽きます。 早撃ちキッドの登場シーンこそしびれるものがありましたが、結局その才能を活かすエピソードはなし。 『明日の向って撃て!』なんて希望を感じさせるタイトルですが、やっていることは強盗。当然未来なんてないわけです。案の定バッドエンドだし。それだったら『俺たちに明日はない』と、自分達の立場をわきまえているほうがまだ良いです。 女教師もあのタイミングで退場させるのだったら、なぜ連れてきたのか。せめて別れのシーンぐらい入れてほしいものです。 ブッチもサンダンスも飄々としていて、そのキャラのおかげで明るい雰囲気づくりには成功している。でも飄々としすぎて、人物が描けていないという見方もできます。主要キャラの感情があまり伝わってこないので、感情移入しづらいです。 途中で足を洗おうとするけれど、護衛任務に失敗して、すぐ断念。山賊の真似事でもしてみようなんて、なんとも中途半端な描き方。刹那的で無計画。これだったら「生涯銀行強盗!」みたいに初志貫徹しているあちらのほうがまだ好みです。 ・・・ところでこんだけ銀行強盗やれば、お金はあるんじゃないの?無理して働かなくてもさぁ。盗ったお金はどこにいったのでしょう? こーゆー映画を見ると、昔の映画って過大評価されているきらいがあるなぁと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-09-15 13:41:20) |
2. 鳥(1963)
ネタバレ もったいぶるなぁ。事件が起きるまでおよそ1時間。・・・もったいぶるなぁ。 まあ、そのもったいぶりかたが嫌いではないです。 もしかすると、前半はラブロマンスみたいな雰囲気をあえて出したのかな。タイトルもThe Birdsだったから、まさかホラーとは思われないかもしれない。当時予備知識無しで映画館で見たひとたちは、さぞかし度肝を抜かれたことでしょう。そう、これは後の時代にDVDやらで簡単に鑑賞できるということを想定して撮られたものではないのです。当時リアルタイムで、予備知識なしで、何の心構えもなく油断した人たちをあっと驚かせるような、そんなエンターテイメントムービーの先駆けだったのでしょう。きっと。 つまりは、あの前半の甘ったるい恋愛パートは、ただのミスリードなのです。『愛の鳥』もミスリード。ああ、これは恋愛ものなんだと、観る人を油断させるための『愛の鳥』なんです。そこからあの惨劇。何も知らずに見ていたら・・・。 そもそも鳥が人を襲うようなパニックムービー自体が当時としてはかなり斬新だったのではないでしょうか。 CGがない時代に、この映像はいったいどうやって撮ったんだという映像が盛りだくさん。 今まで撮ったことがないであろうジャンルの映画を、この完成度で仕上げるのはまさに天才です。 今のように数多くの映画があふれている時代でもなかったでしょうから、お手本になるような映画も無かったんじゃないかな。 こーゆーパニック映画のパイオニアとして、この作品を世に送り出したヒッチコックの功績は極めて大きいと言えるでしょう。 ヒッチコックの映画のなかではこれが一番好きかもしれないなぁ。パニックものが好きという、個人的嗜好もありますが。 作品の出来自体は7.5点くらいなのですが、ヒッチコックの他作品との差別化を図る意味も込めて8点で。 面白かったです。 [DVD(字幕)] 8点(2023-09-05 02:19:26)(良:1票) |
3. 俺たちに明日はない
ネタバレ これが実話だというんだから、当時はすごい時代だったんですねぇ。 今の時代だったら絶対無理だろーなー。こんな行き当たりばったりの強盗が成功しちゃうんだもんなー。 この映画のこと、というよりかはボニーとクライドのことは、ちらほらと目や耳に入ってはいました。ずっと気になっていて、今回意を決して初鑑賞。鑑賞前は、クールな2人きりの強盗劇を想像していたのですが、そーでもなかったですね。 もちろん、クールな側面もあるんですが、思っていたより二人とも感情的になるタイプ。享楽的に見えて、家族の事、未来のこと、なかなかちゃんと考えている。 それにずっと2人きりで銀行強盗やりつづける物語かと思ったのですが、それも不正解。 仲間ができる。兄夫婦。C,W.モス。なるほど、犯罪者家系でしたか。親の顔が見てみたい。 この5人が一枚岩ならよかったのですが、兄の妻ブランチがとにかくうざい。そしてうるさい。この人がいるだけで不快指数が上がります。できればブランチこそ悲惨な死を遂げてほしかった。 それにしても、銀行強盗を成功させている割には、あんまり裕福にはなっていないようで。 大恐慌中だし、クライドも『しけてんなぁ』って言ってたくらいだし。銀行襲ったところでそんなに大金を手に入れられたわけではないのかなぁ。だとしたらハイリスクローリターンすぎますねぇ・・。 後半は逃げてばかりでしたし、どんどん追い詰められていく様子が何とも痛ましい。 まあ映画全体の印象としては、暗くなりすぎないためのポップな音楽。なんだか楽しそうな雰囲気。なんだかんだ言って仲間思い。そーゆーところは全部好きです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-09-04 00:42:58)(良:1票) |
4. 荒野の七人
ネタバレ 映画はこれくらいが面白いですねー。難しいことをする必要なんてない。 悪い奴らがいる。虐げられる人々がいる。それを助けるヒーローがいる。たったこれだけで映画はこんなにも面白い。 1人1人仲間を集めていくとこなんて最高に楽しい。仲間集めは祭りの前の高揚感を感じさせます。 過去に読んできた、数多くの少年漫画でも、こんなシチュエーションたくさんありました。この映画にインスパイアされた人ってたくさんいるんじゃないかなぁ。ああ、でもこの映画も『7人の侍』をオマージュして作られたものでしたね。 ずっと面白かったのですが、最後はちょっと盛り上がり切れなかった感じも。 まず村人たちの手のひら返しが唐突すぎて呆気にとられます。 そもそも、村人たちに選択肢はなかったはず。カルベラの言いなりになっていたら、自分達が、子供たちが飢え死にしてしまう。だから最後の手段として、助けを求めたのではなかったのか。村を存続させるには、もう戦うしか手段が残っていなかったはずなのに、話が変わっております。 そして、やっすい報酬で、ほとんど無理やりボディーガードを頼まれたわけだから、助ける義理がなくなったのならほっとけばいいじゃん。でもなぜかほっとかない7人。なんで?死に際のカルベラも聞いちゃってるじゃん。『なぜもどってきた・・・』。それね。さあ、どう答えるクリス。・・・って答えんのかーい。 一番まずかったのは、カルベラが思ったより良いやつだったこと。 なんたって7人を釈放してあげる。銃も返してあげる。 にもかかわらず、カルベラ一味に奇襲をかける7人。命を助けてくれたことに恩は感じないのだろうか・・・。これじゃぁどっちが悪党だかわかりゃしない。 あと、クリス、ヴィン、チコ以外の4人の最期も、もうちょっとどうにかならんかったものか・・・。 [ビデオ(字幕)] 7点(2023-08-28 12:35:49) |
5. 夕陽のガンマン
ネタバレ コテコテの西部劇。こーゆーのが見たかった。 クリント・イーストウッドが主役なのかと思ったら、もう一人主役級の人物が。この人が負けず劣らずかっこいい。 モンコとモーティマー大佐、2人の登場シーンがまずかっこいい。 この二人がこれから出会って仲間になるのか。はたまた、敵同士になってしまうのか。それを想像するだけでもワクワクしてしまいます。 二人の初対峙シーンが激アツで、帽子のとばしあいでスキルを競いあうなんてオシャレ。 『北に行くよう説得しろ』と言われ、『南に行け』と進言し、結果『東』に行くことになったのに、なぜか先に待ち伏せしているモーティマー大佐。『お前は逆のことを言うだろうと思っていた。インディオは疑い深いから、違うところに行くだろうと思った。エル・パソ(西)に戻るはずがないから、行先は東しかない。』 ここめっちゃ好きです。モーティマー大佐の手のひらの上で、インディオもモンコも踊らされてます。リンゴ撃ちのシーン最高です。なんかもう『相棒』って感じで良いですよね。 みなさん絶賛されているなか、こんなこと言うのは勇気がいるのですが、個人的には敵の役不足感が残念でした。 登場シーンこそ、カリスマを感じさせるほどの悪党っぷりだったのですが。話が先に進めば進むほど小者っぷりがあらわに。モンコとモーティマーが金の隠し場所から出てくるのを待ち伏せする知恵があるんだったら、金が無事かどうかくらい確認しなさいよ。 そして手下たちにモンコたちを始末させて、金を持ち逃げしようとする小者っぷり。そこは仲間を大切にするワルでいてほしかった。 とゆーことで、凄く期待値が上がってしまったんですが、それに対して終盤が盛り上がり切れなかったかなぁ・・・と。 モーティマー大佐の真の目的が復讐だったっていうのは良かったですけどね。 モーティマー大佐がバウンティハンターやっているのも、いつかインディオにたどりつくためだったんですねぇ・・。 [DVD(字幕)] 7点(2023-08-16 01:06:21)(良:1票) |
6. サイコ(1960)
ネタバレ モノクロ映画に初挑戦。映画『ヒッチコック』を見てから、どーにもこーにも興味が湧いて見ちゃいました。 ブルーレイで見たこともあってか、思っていたより鮮明な画像で大変見やすかったです。 冒頭の横領はなんだったんだとか、あの思わせぶりな警官はいったいなんだとか、後半の展開とは全然関係のない前半。いや、もしかしてこれミスリードっていうやつじゃないですか?当時リアルタイムでこれを見た人は、予想していた展開とは全くちがう動きを見せ始めるストーリー展開に、ただただ驚いたかもしれないですね。 テンポはお世辞にも良いとは言えません。見る人によっては無駄が多いと思えるかもしれません。ですがこれを60年以上前の映画の味だととらえることもできると思います。 そして最近の映画と違って目が疲れない。カメラワークがせわしない昨今の映画と比べ、1つ1つのシーンを落ち着いて見せてくれます。これは今の映画にはない良さかもしれないですね。 現代のホラーやサスペンスと比べてしまえば、いささか刺激は足りないかもしれません。 グロい描写もほとんどないので、ホラー初心者の方はこーゆー映画から見始めていくといいのかも。 それにしても、ホラーというジャンルはあまり時代を感じさせない、良いジャンルだなぁと思う今日この頃です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-07-20 04:15:05) |