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プロフィール
コメント数 123
性別 男性
自己紹介 新作をどんどん観に行く、というよりも好きな作品を何度も繰り返し観るタイプです。
よろしくお願いいたします。

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
やはりこの作品は、怖い、気持ち悪い、面白い、と三拍子揃って(笑)ホラー映画のお手本のような映画だ。特徴的なのはエイリアンの気持ち悪さも相当だが、それと同じくらい人間の怖さを描いているところだろう。このエイリアンは感染(?)するとその対象と同じ格好に化けるため、外見上は誰がエイリアンなのか分からないという状況が皆を疑心暗鬼にさせ、それが元に仲間割れが起こっていくところなど、まさに人怖(人間が一番怖い)ということがよく描かれている。南極基地という閉鎖された環境での長期任務は相当過酷であり、調査員たちは一見何食わぬ顔で日々の生活を送っているようだが、実は相当ストレスがあり(元々は体を温めるために飲んでいた酒も、そのうちアル中みたいになっていく)エイリアンの襲撃は限界を迎えていた彼らの精神状態を破綻させるきっかけに過ぎなかったという見方もできるのが面白い。基本的にシリアスなタッチだが人々のリアクションなどに僅かながらこの監督ならではのクスッと笑わせる妙なコミカルさがあるのも良い。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-10-19 12:06:11)
2.  ブルース・ブラザース
やっぱりこの作品は、アレサフランクリンのシーンに尽きるでしょう。
[映画館(字幕)] 5点(2019-07-30 14:26:23)(良:1票)
3.  E.T. 《ネタバレ》 
素晴らしい映画だなあ。自分の映画体験の原点となっているような本作を、今回午前10時の映画祭で劇場にて久々に観た。純粋性の塊のような本作だが、それは自分が子供の頃に観たからそう思えたのであって、ずいぶんと汚れてしまった現在の私が見るとまた違った風に感じるかもしれないと思っていた。しかし観直してみて、これは自分の勘違いではなく、本当に本作自体がまっすぐな、澄んだ心で作られた映画であると確信した。とにかく出ている人達がみんな、何というか演技を感じさせないのである(特に3兄妹。これは子役だから、、という次元の話ではない気がする)。お母さんも素晴らしい。特に最後E.T.が去っていく時のとても爽やかな笑顔が印象的である。この3兄妹の純粋な姿とE.T.の愛くるしさを捉えたスピルバーグの手腕に恐れ入ってしまう。恐らく今後も本作は、自分の純粋性を測るリトマス試験紙のような役目を持つだろう。つまり本作を見て純粋に楽しめなくなってきたら、自分はその分大人になったということだと思う。そしてそれは良い、悪いともまた別の話である。
[映画館(字幕)] 9点(2019-04-25 15:45:40)(良:2票)
4.  ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 《ネタバレ》 
観てまいりました・・・上映時間4時間11分のディレクターズカット版。個人的に今まで鑑賞した中で最も長い映画でした。4時間越えの作品を劇場で観るとなると、真剣に体力勝負となります。途中で休憩が入りますが、それも上映開始後3時間経ったあたりです。もし映画館で観られる方は、本当に体調管理にご注意ください。。作品としてはとにかく画が素晴らしかった。失われていたとされるシーンは、前後と色彩が違っているのですぐに分かりますが、それもそこまで長すぎることもなく、個人的にはほとんど気になりませんでした。この作品はきちんと人々の生活が描かれています。それは度々出てくる排泄シーンやセックスシーンに象徴されている気がしました。こういった、人間の「動物としての生体」をきちんと描くかどうかは、監督や作品の方向性によるのだと思いますが、本作に関してはこれらのシーンが映画にリアルさを与えていると思います。一方で、あえてだと思うのですが、どう捉えて良いのかはっきりとしない非常に観念的なシーンも多々見受けられます。この生々しいまでのリアルさと観念的なシーンという一見相反するような要素が幾重にも折り重なって一つの物語を形成していく様は、この映画に独特の印象とカリスマ性をもたせていると思います。そして何と言ってもエンニオモリコーネのスコアが素晴らしく、この不思議な映画を優しく包み込む(ラッピングする)ような役割を果たしています。それにしても4時間11分か・・。
[映画館(字幕)] 7点(2019-02-12 20:55:44)
5.  ゴースト・ハンターズ
子供の頃、一時期この映画にはまってたんですよね〜。というわけでノスタルジーに浸るべく、今観返してみると、これが絶妙に面白くない(笑)おそらくジョンカーペンターはカンフー映画がやりたかったんだと思うんですけどね、アクションもずうっとぬるい感じが続きます。しかし、この映画の魅力はそういうところではないんですね、もう面白いとか面白くないとかを通り越したところでもってこの映画は愛されている!それがこの映画の一番の魅力だと思います。観ている途中、「これを大の大人達が一生懸命に作っているんだ・・・。」なんて考えると感動すらしてしまう、そんな映画です(笑)
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2018-12-11 18:39:40)
6.  グロリア(1980) 《ネタバレ》 
いやーhard boiledやなあ〜。硬く茹で上がってんな〜、、という感想が思わずこぼれてしまいそうになる傑作。基本的に淡々とドキュメントタッチで逃走劇を描いているので普段は静かなのだが、それを切り裂くように唐突に挟み込まれるアクションがとにかくかっこ良い。アクションシーン自体の数は全然多くないのだが、それが逆にアクションのかっこよさを引き立たせているというなんとも理想的な構造だ。まさに姉御肌のグロリアの佇まいが素敵で、つい「よっグロリア姉さん!」と手を叩きたくなる。この姉御肌のグロリアが最後には母性を開花させる流れも最高。ビルコンティの哀愁あるスコアも盛り上げる。おそらくこの時代だから作れた傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2018-09-26 22:57:49)
7.  トップガン 《ネタバレ》 
映画館でやっていたので子供の頃以来、久々に鑑賞。「あれ、こんな映画だったっけなー」という感想。子供心にもそんなに面白い映画という印象も残っていなかったが・・。今見ると相当に恥ずかしくなってしまうようなシーンが多くて驚いた。使われている楽曲の素晴らしさは言うに及ばずだが、なんとなく曲の流し方がちょっと雑に感じてしまった。もう少し効果的に使うこともできたのでは。。まあこの出し惜しみしない感覚が80年代だったのかもしれない。それにしてもトムクルーズが若い。それと昔はアイスマンがとんでもない憎まれ役という印象だったが、今回見直してみるとすごくいい奴である事に驚いた。言っていることも至極真っ当な事ばかりである。主役のマーベリックの方がよっぽど嫌な奴で問題児であると思ってしまった。しかし卒業式の日にあんなタイミングで敵が攻めてくるという設定が、とにかく驚きである。こう考えるとやはり「愛と青春の旅立ち」はそれでも良くできた作品だったと思う。
[映画館(字幕)] 5点(2018-09-11 22:00:45)
8.  スタンド・バイ・ミー
こちらもすでに自分の一部となっている(と勝手に思っている)ような映画なのでとても冷静に評価できる気がしないが、あえてこの映画を一言で表すとするならばやはりevergreenということになるだろう。初見時はまさに主人公たちと同じ年代だったので、彼らと同じ目線で観ていた。今回改めて観直すと、いつの間にか自分がリチャード ドレイファスの目線に近づいていることに気づいた。何れにしても、どれだけ時が経とうと映画の中の彼らはこれからもずっとあの時のままだろう。そして、何と言ってもこれだけ内容が詰まっていながら上映時間がたったの88分というところが凄い。「たった二日間離れていただけなのに、戻ってくると街は前とは随分と違って見えたーちっぽけに感じた。」というセリフが個人的には気に入っている。今でも旅行などから自分の住む街に帰ってくると同じことを思う。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2018-05-23 10:44:35)(良:1票)
9.  プロジェクトA
ジャッキーの傑作といえば、やはりこの「プロジェクトA」か「香港国際警察」、もしくは「スパルタンX」辺りだと思う。細かいところまで全て計算し尽くされたアクションとカメラアングル。そしてジャッキー、ユンピョウ、サモハンそれぞれの表情の豊かさと明るさが素晴らしい。ストーリーは割と入り組んでいるが、良くできている。ジャッキー映画を見た後は、皆んな映画館から出てくると少しだけ強くなった気がしたものだ。これぞ映画マジック。
[DVD(吹替)] 8点(2018-01-07 20:15:40)
10.  恋人たちの予感 《ネタバレ》 
これもライトで素敵なコメディ。個人的に日本人のお笑いレベルは世界でも屈指だと思っているが、こういった上質なコメディを観るとアメリカ人のお笑いセンスも相当高いなあと改めて感心してしまう。「I'll have what she's having」(彼女と同じ物を頂くわ。)は、理想的な下ネタの在り方です!(笑)
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2017-12-28 15:20:38)
11.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 《ネタバレ》 
こんなに面白かったっけ、というのが久々に観直した感想。初見は公開時に劇場でだったが、その時は子供だったからしょうがないとして、その後も何度か観直してきたはずのに、どうやら自分はこのパート2をよく理解できていなかったらしい(笑)。製作陣も認めている通り、2はトリロジーの中で話が最も複雑だ。まず未来に行き、事件を解決して現代に戻ると、その現代は何故か恐ろしい世界に様変わりしていた。元の世界に戻すには、パラレルワールドに分岐したポイントである過去に戻ってそれを防がなくてはならない。複雑であるがとてもよくできていて、故に何回でも観れる奥深さがある。前半で手に入れたホバーボードがちゃんとクライマックスで活きてきたり、ビフがデロリアンを盗んで未来に行く時にゴミ箱にぶつかる等フラフラ運転したり・・(初めて運転するのにスムーズだったらおかしい)本当に脚本の細かい所がよくできていると関心。 個人的には本作の立役者はトーマスFウィルソンだと思う、コミカルな演技からシリアスな所まで、本当にビフ、そしてグリフになりきっていて素晴らしい。このトーマス意外にも、マイケルやクリストファーロイド、そしてリートンプソンと皆さんとにかくコミカルな演技が素晴らしい。これはロバートゼメキスの演出が素晴らしいのだろうけど、個々の役者さんたちのポテンシャルも元々高いのだろう。  オリジナルの世界を別の視点で描くという素晴らしい着想も最高だ。 オリジナルありき、そして3への橋渡し的な映画ではあるが、単体品としても十分面白い作品だと思う。しかしやはりオリジナルを見てないと本作を完全には味わいきれないというのが、なんとなくこの2の宿命めいた所で素敵だ。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2017-11-19 09:50:28)
12.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 
視聴回数で言えば、恐らく人生の中で最も観ている映画の一つ。今回午前10時の映画祭を利用して初めて映画館で鑑賞した。オープニングでエンニオ・モリコーネのスコアが流れた瞬間から理性が飛んでしまうくらいの興奮を覚え、その後も数々の名シーンに興奮させられっぱなし(当たり前だけど、やはり映画館で観ると違うなあ・・)。やはり面白い映画は何度観ても面白いという事実を再確認。今回改めて感心したのが脚本の上手さで、一つ一つのシーンがちゃんと意味があって全て次に繋がっている。伏線の貼り方もうまい(ストーンが狙撃の名手である設定もクライマックスでちゃんと活きてくる・・etc)。いやはや脚本、演出、演技、音楽、全て一級品で、本当に娯楽映画の見本のような作品。それにしても豪華すぎるキャストだ。
[映画館(字幕)] 10点(2017-05-30 19:09:41)(良:1票)
13.  デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 
リンチの作品はたとえ舞台が普通の世界だとしても、ある意味全てSFみたいなものだと思う。そんな監督が文字通りのSFを撮ったら、そりゃあこうなるでしょう、っていうくらい、摩訶不思議な作品。とにかく2時間20分が長く感じられて困った。何度か観るともっと理解が深まるのだろうが、まずそうしようという気力が湧かない。
[DVD(字幕)] 1点(2017-05-16 12:55:06)
14.  ブルーベルベット 《ネタバレ》 
ほぼほぼ満点に近い9点。マルホランド・ドライブがリンチ・ワールドの集大成だとするならば、こちらはリンチがその作風を確立させた初期(?)の傑作。これがあったから後の作品が出来たと思うと、感慨もひとしお。実際、後のツインピークスやワイルドアットハート、ロストハイウエイ、マルホランド~etc全てこの中にあると言えるだろう。お得意の絵画的構図の美しさも冴え渡っているが、特に本作では映画的な表現が素晴らしい。ほのかに揺れるブルーベルベットを写したオープニングや、暗闇から現れるローラ・ダーン登場シーンの幻想的な美しさ。または変装したデニス・ホッパーが階段を見上げ、目が会う瞬間の恐怖演出などなど、とにかく冴え渡っている。異常/正常、平穏/不穏、平和/暴力といった概念が表裏一体で存在している独特のリンチ節も大炸裂。サスペンスとしても一級だし、ラストの絵に描いたように不自然なハッピーエンドも大変強烈。(音楽も勿論最高。)何度も観たくなる、見事な中毒性を持った大傑作。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2017-05-01 20:50:42)
15.  バットマン(1989) 《ネタバレ》 
この映画も公開時には相当話題になっていた記憶がある。しかし今観直して見ると、「あれ?こんな感じだったっけな」という印象。後から答え合わせしているようで何だが、やはりティム・バートン×アクション映画という組み合わせがどうにもはまっていない感じがする。アクション映画として、致命的と言っていいほどリズム感が悪いのだ。。ファンクとロックを絶妙にブレンドさせ、最早リズムの権化となっていたプリンスを絡ませたことで、逆にティム・バートンのリズム感の無さを露呈させるという、なんとも皮肉な結果となっている。やはりこの映画はプリンスのBatdance無しには語れないし、映画を見ていても曲でうまくサンプリングされていたジャック・ニコルソンの笑い声とキム・ベイシンガーの悲鳴だけにワクワクしてしまう。実際名曲Batdance(及び、我々日本人にとっては伝説の「農協牛乳〜!!という空耳」)を誕生させたことが、本作1の収穫だったのではないだろうか・・・。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-04-22 15:06:45)
16.  スカーフェイス 《ネタバレ》 
もはや米国のギャングスタ界隈など「タフに生きることを決めた」男達にとっては聖典になっている本作。デ・パルマの演出、オリーバー・ストーンの脚本、そしてアル・パチーノの演技と、全要素の脂が乗りまくっているこの時期だから作れた奇跡のような作品。とにかく無鉄砲でself-destructive(自滅的)な人生は観ていて辛くなるものがあるが、一本筋が通っていて、曲った事はしたくない、自分に正直なこのトニー・モンタナという男は、まさに男が惚れる男なのだろう。ラストにおける主人公の死に様は、個人的に「俺たちに明日はない」や「天国の門」に並び映画史に残る壮絶なものだと思う。話は変わるが、昔TBSで放送されていた長渕剛主演の伝説のドラマ「とんぼ」は、キャラクター設定やストーリーなど殆どこのスカーフェイス(というか「暗黒街の顔役」)の丸パクリである。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2017-03-18 21:32:41)
17.  ブロブ/宇宙からの不明物体 《ネタバレ》 
出た!80’s B級ホラー映画の最高峰。もう最高です。幼少期に原作からの流れで一時期この映画にハマっていた時期があった。自分にとってはやはりこれもアメリカに憧れを抱かせてくれた大切な一本。アメリカの普通の田舎町が舞台で、最初はのどかな日常が描かれる。次第に不穏な空気が立ちこめ、いちゃつくカップルは早々に餌食になる。ヒロインは可愛く、ヒーローはアウトローでもある。死闘の末(今観ると最後はターミネーターっぽさもある)のハッピーエンドの後には、ニヤリとさせるオチがあり、エンドロールはハードロックで爽快に締める。という、B級ホラー映画のセオリーが全て詰め込まれた作品と言っても過言ではないだろう。アメリカの片田舎舞台と言う事でツイン・ピークスを感じさせる所もあるなあと久々に鑑賞して思っていたら、ジャック・ナンスが少しだけ出ていた(お医者さん役)。何と言っても95分と言う上映時間が良い。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-06 00:04:42)
18.  天国の門 《ネタバレ》 
個人的には、今まで観た映画の中で最も上映時間の長い作品。何と言っても3時間40分である。(あのゴッドファーザーパート2よりも20分、七人の侍よりも10分程長い。)一言で言うと、とても贅沢な作りの映画だ。莫大な規模のセット、エキストラ、そしてスペクタクル...。細部まで潤沢なお金が使われ作り込まれている。そしてその世界観を余す所無く映してやろうという撮影、カメラワークの素晴らしさ。こちらもゆったりとこの世界観に入り込むのみだ。さて本作はジェームズ・エイブリルやエラ・ワトソンそしてネイト・チャンピオンなど実在した人物を登場させてはいるが、ストーリーや人物の関係性は史実とは殆ど関係なくチミノ作のフィクションである。ひょっとするとその辺りが公開時に評論家筋から酷評された所以ではないだろうか。つまり西部開拓時代のアメリカ史暗部を描くだけでも物議を醸し出すのに、そこに歴史上の人物を使って大胆な脚色がなされていたのである。アメリカ人からしたら「何だこれは?」「けしからん」ということだったのかもしれない。今観ると、エラという一人の女性を巡るジェームスとネイトの関係は「ディア・ハンター」におけるメリル・ストリープ、ロバート・デニーロ、クリストファー・ウォーケンの関係性を踏襲している(というか殆ど同じである)。これはもうチミノの趣味なのだろう。しかし「ディア・ハンター」ではデニーロとウォーケンの関係が丁寧に描かれていたからこそ、同じ女性を好きになってしまった葛藤、そしてそれを超えた友情が感動につながっていた一方で、本作ではクリス・クリストファーソン演じるジェームズとウォーケン演じるネイトの関係性の描き方が希薄なのだ。そのためネイトがジェームズのことが好きだったのだ...さようなら友よ...と言われてもディア・ハンターほどの感動を呼ぶ事に成功していない。この辺り、ジョン・ハート演じる学生時代の旧友がいるので、彼の役を使うことでもう少しなんとかできなかったかと思うが、そうすると狙い過ぎになってしまったのかもしれない。うーん難しい。と色々と感じる所もあるが、やはりこの作品は映画でしかできない事をやりきっている大作で、一度は観ておいた方が良い作品の一つだろう。こういう作品を観ると「やはり映画って良い」と思える。最後にこの映画のクリストファー・ウォーケンの壮絶な死に様は、「俺たちに明日はない」におけるウォーレン・ビーティ&フェイ・ダナウェイ、そして「スカーフェイス」におけるアル・パチーノに匹敵するくらい印象的なものだと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2016-09-20 14:01:27)
19.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 
「グーニーズ」とともに自分の中に「アメリカに対する夢」、「映画に対する夢」を植え付けた作品。「アメリカの高校生って本当にスケボーで人のトラックの後ろに掴まりながら通学するのかな?」子供の頃本気でそう思ったものだ。ギター、スケボー、ロックンロール、コンバース、雨にぬれたアスファルト、ショッピングモール...この映画の全てに憧れていた。夢しか無い。テンションしか上がらない。何度も観たはずなのに、今回映画館で観ると全てのシーンに新たな感動が付与された。基本的にコメディなのだが、ずっと涙腺が緩んでいる感じ。ダンスパーティーでパパとママがキスするシーンがあんなに泣けるなんて。自分の中では今でもこの評価以外ありえない。
[映画館(字幕)] 10点(2016-07-27 13:25:43)
20.  イヤー・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 
マイケル・チミノが亡くなった。好きだったなあ、この映画。確か初めて観たのは日曜洋画劇場だったような。。それ以来今日まで数年に一度の間隔で観直している。ニューヨークのチャイナタウンを舞台に繰り広げられる、若き中国マフィアのボスとニューヨーク市刑事の対決を描いたバイオレンス・アクション。この映画の持つ独特の雰囲気が好きだ。大島渚監督ではないが、自分の中では「男騒ぎのする映画」の筆頭である。男の強さを描く監督は多いが、恐らくマイケル・チミノは男の弱さ、脆さを描く事に長けた監督であっただろう。この作品のスタンリーも、そしてジョーイ・タイも強さ以上に非常に弱く、脆い存在として描かれている。そして両者共に破壊的な思考の持ち主で、それが故に周りの人間をどんどん不幸に巻き込んで行ってしまう。この辺りの「男の弱さ」の描き方は人によって抵抗があるだろう。しかし自分は非常にリアルだと思う。男って、強いだけじゃないよねえ。。と。脚本はチミノと、「スカーフェイス」と同時期の脂ののりまくっている頃のオリヴァー・ストーンの共同執筆である。(主人公の破壊的思考の根っこにはベトナム戦争の影があることも触れられている。) とにかくこの作品はバイオレンス描写が凄い。映画が始まって5分足らずで二人も人が死ぬ。最後の橋の上での対決シーンも素晴らしい。そしてジョーイ・タイのレストランに刑事が覆面潜入した事がばれて、従業員全員並べられるシーンの緊迫感。ジョン・ローンの目線。初めて見たとき、心臓が止まるかと思った。
[DVD(字幕)] 8点(2016-07-18 00:43:49)
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