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自己紹介 映画を観る楽しみ方の一つとして、主演のスター俳優・演技派俳優、渋い脇役俳優などに注目して、胸をワクワクさせながら観るという事があります。このレビューでは、極力、その出演俳優に着目して、映画への限りなき愛も含めてコメントしていきたいと思っています。

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1.  アバウト・ア・ボーイ 《ネタバレ》 
人と人が接する時に感じる、内心の不安や自分の弱い部分を見透かされないだろうかという不安を、等身大の人間の姿で描いた、ライト・コメディの傑作「アバウト・ア・ボーイ」  この映画「アバウト・ア・ボーイ」の主人公の38歳の独身男ウィル(ヒュー・グラント)は、亡くなった父親が一発ヒットさせたクリスマス・ソングの印税で、優雅に暮らすリッチな身分。  一度も働いた事がなく、TVのクイズ番組とネット・サーフインで暇をつぶし、適当に付き合える相手と恋愛を楽しむ、悠々自適の日々を送っています。  ところが、情緒不安定な母親と暮らすマーカス少年(ニコラス・ホルト)との出会いが、彼の生活をかき乱していく----という、非常に興味深い設定でのドラマが展開していきます。  まさに、現代ならではのテーマをうまく消化して、ユーモラスで、なおかつ、ハートウォーミングにまとめ上げた脚本が、本当にうまいなと唸らされます。  30代後半の独身男の本音と12歳の少年の本音を、それぞれ一人称で描きながら、それを巧みに交錯させていくという構成になっています。  それが、二人の男性、ウィルとマーカスがいかにして心を通わせていくのかが、このドラマに説得力を持たせる上で重要になってくるのです。 そして、これが実にうまくいっているから感心してしまいます。  表面を取り繕う事に長けたウィルは、今時の小学生が歓迎すると思われる、クールなスタイルを本能的に知っています。  マーカスはそんなウィルを慕っていきますが、それだけではなく、ウィルの人間的に未熟な部分が、結果として二人の年齢差を埋める事に繋がり、マーカスはウィルを自分の友達の延長戦上の存在として見る事が出来るようになるのです。  マーカスは彼の持つ性格的な強引さの甲斐もあって、ウィルという良き兄貴を得る事が出来、一方のウィルは、自分だけの時間にズケズケと土足で踏み込んで来たマーカスを、最初こそ煙たがっていましたが、彼と深く接していく中で、次第に"自分の人生に欠けていたもの"に気付かされていくのです。  この映画は、そんな二人の交流の進展に歩を合わせるように、"人間同士の絆や家族"といったテーマを浮き彫りにしていくのです。  日本でも最近は、"シングルライフ"というものが、新しいライフスタイルでもあるかのように市民権を得つつありますが、確かに、お金さえ払えば、ありとあらゆる娯楽やサービスが手に入る時代になって来ました。 個人が個人だけで、あたかも生きていけるというような錯覚に陥ってしまいがちな現代------。  もっとも、この映画は、そんな現代人に偉そうにお説教を垂れているのではなく、むしろ、大半の人間はそんな現代というものに、"不安と寂しさ"を感じ始めているのではないかと問いかけているのです。  だからこそ、この映画は多くの人々が共感を覚え、ヒットしたのだと思います。  そこにきて、ウィルを飄々と自然体で演じたヒュー・グラントという俳優の存在です。 ウィルは、ある意味、"究極の軽薄な人間"として描かれていて、本来ならば、決して共感したくないようなキャラクターのはずなのですが、ヒュー・グラントが演じると、何の嫌悪感もなく観る事が出来るので、本当に不思議な気がします。  ヒュー・グラントは、このような毒気のあるライト・コメディを演じさせれば、本当に天下一品で、彼の右に出る者などいません。 余りにも自然で、演技をしているというのを忘れさせてしまう程の素晴らしさです。  そして、困った時に見せる微妙にゆがんだ何ともいえない表情といったら、他に比べる俳優がいないくらいに、まさしくヒュー・グラントの独壇場で、もう最高としか言いようがありません。  かつての"洗練された都会的なコメディ"の帝王と言われた、ケーリー・グラントの再来だと、ヒュー・グラントが騒がれた理由が良くわかります。  この映画は、そんなヒュー・グラントの持ち味を最大限に活かして、誰もが表だっては認めたくないような人間らしさに踏み込んでみせるのです。  そして、人と人が接する時に感じる、内心の不安や自分の弱い部分を見透かされないだろうかという不安を、等身大の人間の姿を通して映し出す事に成功しているのだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-06-04 10:52:55)
2.  スコルピオンの恋まじない 《ネタバレ》 
ウディ・アレン監督がハワード・ホークス、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー監督への限りなきオマージュを捧げた小粋でお洒落な作品が、「スコルピオンの恋まじない」だ。  毎回、今度はどんな手で来るのかと、我々映画ファンをワクワクさせてくれる、ウディ・アレンの映画------。 この映画「スコルピオンの恋まじない」は、1940年代のハリウッドのスクリューボール・コメディの復活を目論んだ、ウディ・アレンらしい小粋で、お洒落な作品です。  主人公のC・W・ブリッグス(ウディ・アレン)は、昔気質の保険調査員。 そんな彼の前に、超合理主義者のリストラ担当重役のベティ・アン・フィッツジェラルド(ヘレン・ハント)が、立ちはだかります。  水と油、まさに犬猿の仲の二人。 そんな二人がある日、ナイトクラブで胡散臭い催眠術にかけられてしまい、文字通り、"恋の魔法"になっていく-----という、思わずニンマリとしてしまう程、スクリューボールな展開になっていきます。  この二人、顔を合せれば、凄まじい言い争いを始めてしまうのですが、結局、この攻防も二人の仲を高めるためのプロセスであり、スクリューボール・コメディの定石が、この映画にはドンピシャと当てはまります。  この二人の饒舌ともいえるセリフの応酬を見ていると、真っ先に思い出すのが、ハワード・ホークス監督のケーリー・グラントとロザリンド・ラッセル主演の「ヒズ・ガール・フライデー」で、オフィスのレトロな雰囲気や同僚達とのアンサンブルまでよく似ていて、嬉しくなってきます。  ウディ・アレンも公言している通り、この映画はハリウッドの黄金時代の名画の数々へのオマージュが散りばめられていて、映画ファンとしては、ウディ・アレンの映画への限りなき愛に共感し、この映画に陶酔させられてしまいます。  インチキ魔術師の呪文に踊らされて、次々に宝石を盗んでいくブリッグスとベティ・アンですが、これは泥棒カップルの騒動を描いた、ハリウッド黄金期のソフィスティケイテッド・コメディの巨匠エルンスト・ルビッチ監督の「極楽特急」の設定を思わせ、ウディ・アレン監督のセンスの良さを感じます。  ブリックスにかけられる呪文"コンスタンチノープル"は、「極楽特急」でもお洒落なキーワードとして使われているので、思わずニャッとしてしまいます。  また、主人公の仕事が保険会社の調査員というのは、名匠ビリー・ワイルダー監督の「深夜の告白」と同じですし、更にソフト帽にトレンチコートというブリッグスの格好は、ウディ・アレンが敬愛してやまないハンフリー・ボガートが主演した、ハワード・ホークス監督の「三つ数えろ」での私立探偵のスタイルにそっくりで、大いに笑わせてくれます。  このように、ハワード・ホークス、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー監督といった、巨匠達の映画世界からヒントを頂戴しつつも、きちんとウディ・アレン・テイストに仕立て上げているところが、彼の凄いところだと感心してしまいます。  考えてみると、役者としてのウディ・アレンが、そこに登場するだけで、その映画はウディ・アレン・オリジナルになってしまう凄さ。しかも、過去に彼が好んで演じた、"冴えない神経症の男"といったハマリ役を捨て去って、"デキル男"を溌剌と演じても、全く違和感なく、すんなりと馴染んでしまうから不思議です。  この映画が魅力的なのは、ひとえに偉大な過去の巨匠達に対するウディ・アレンの少年のように純真な、一人の映画ファンとしての心で満ち溢れているからだと思います。  この映画のようにシンプルで、奇をてらう事のない作品は、なかなかないと思うし、映画において、わかりやすさや親しみやすさが、いかに大切な事であるかを痛感させられます。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-06-01 12:00:44)
3.  ジャーヘッド 《ネタバレ》 
かつて、テレビのニュースが伝えた湾岸戦争は、空を飛ぶミサイルを捉えても、そこにいた人々の顔は見えなかった。  この映画「ジャーヘッド」は、あの時、あの場所にいた、アメリカの海兵隊の若者の目線で見た、戦場の現実を描き出す。  原作は、アメリカでベストセラー小説となった「ジャーヘッド/アメリカ海兵隊員の告白」。 タイトルは、お湯を入れるジャーの形をした、ヘアスタイルから海兵隊員の事を指すということだ。  海兵隊に志願したアンソニー・スオフォード(ジェイク・ギレンホール)が主人公。 厳しい試練や新人いじめを乗り越えたが、配属先のサイクス三等曹長(ジェイミー・フォックス)の訓練も過酷だった。  プレッシャーに耐えかねた、仲間の死亡事故まで起きてしまう。 そして、ようやくスオフォードらの隊は、サウジアラビアへと派遣されることになる。  しかし、狙撃兵として現地入りしたものの、当面の任務は油田の警備。 若い兵士らの士気は上がっているのに、目に見える敵のいない毎日は、待つ事が仕事なのだ。  兵士同士で、恋人から人生についてまで語り合うが、スオフォードの退屈で孤独な気持ちは強くなるばかり。 気持ちははやるが、やることがなく鬱屈していく若者の姿は、戦場特有のものというより、どこか普遍的だ。  手に汗握る銃撃戦のないスオフォードの戦争は、燃え上がる油田の幻想的な光景で最高潮を迎える。  恐怖と退屈、そして絶望的に変わらない日々。 画面の中では誰もが見たことのなかった戦争の風景を、サム・メンデス監督がくっきりと浮かび上がらせている。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-06-01 11:49:13)
4.  エルミタージュ幻想 《ネタバレ》 
かつてミニシアター映画として公開された、アレクサンドル・ソクーロフ監督の「エルミタージュ幻想」をDVDで鑑賞。  私は非常に興味深く、この映画を観ましたが、映画初心者には向かない映画のような気がします。 映画がかなり好きで、かなりの本数を年間で観ている人でも、ストーリー性のない映画が苦手な人は、はっきり言ってダメだと思います。 私はストーリー性のない曖昧模糊とした映画というものも、ストーリー性のある映画と同じくらいに好きなので、思い切りツボにハマってしまいました。  そして、もうひとつツボにハマっていたのは、この映画がカメラワークに非常に凝っている点です。 96分をワンカットで撮っているのが、この映画の最大の売り物なのですが、流れるようなカメラワークは本当に芸術品と言えるくらい素晴らしく、もう見事としか言いようがありません。  撮影を担当したのは、「ラン・ローラ・ラン」で、主人公のローラをずっとハンディカメラで追いかけて撮影して、全くブレなかったというティルマン・ビュットナーです。 なんでも、ティルマン・ビュットナーは、この映画の撮影に備えて、身体を鍛えたといいますから、やはりプロは凄いと思います。  アレクサンドル・ソクーロフ監督は、ドキュメンタリー映画を数多く撮っているそうですが、はっきり言ってこの監督の映画は難解です。 この映画も予備知識なしで観たら、わけがわからないと思います。  原題は「ロシアの方舟(RUSSIAN ARK)」で、エルミタージュ美術館の中を探索しながら、ロシアの歴史を追うという内容になっています。 カメラを構え、ナレーションを語るソクーロフ監督自身と、この映画の主人公であり案内人でもあるフランスの大使キュイスティーヌ(セルゲイ・ドレイデン)とが宮殿の中を不思議な時間旅行をするという、邦題のとおり実に幻想的な映画なのです。  ストーリーがあるような、ないような不思議な雰囲気、90分ワンショットという驚異のカメラ、豪華絢爛な帝政ロシア時代の衣裳。 この3つの要素は、私の好みにズバリと合っていて、背筋がゾクゾクするほどでした。  そして、ラスト近くの、ワレリー・ギルギエフ指揮のオーケストラを伴奏に繰り広げられる舞踏会のシーンは、まさにため息が出るほど素晴らしいものでした。
[DVD(字幕)] 9点(2019-03-23 14:38:40)
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