1. ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング
ネタバレ 正直ね。レコニングの1作目でもうついてけないと思ったんだけど、今作のファイナルレコニングは面白かった。 ミッション自体は複雑なんだけど、目的は単純。敵の大将を捕まえて毒薬USBを取り戻し、沈んだ潜水艦を見つけて元祖のコードを持ち帰る。わかりやすくて、純粋にアクションを楽しめた。このシリーズはそうでなくては。 まあ次から次へと危機の連続。 潜水艦の魚雷発射管から脱出するあたりは、助かるってわかってても手に汗握ってしまったぜ。 しかしね、今回の悪役ガブリエルは本人になかなかたどり着けないだけで、いざ対峙したら弱いのなんの。飛行機でのアクションも結局尾翼に激突して自爆って。ラスボスとしての魅力とか腹立たしさがあんまり感じられなくて、倒した時のスカッと具合も足りなかったのは残念。 いやしかしね。 イーサンに全世界の運命がかかってるって。 それはさすがに興ざめだわよ。 このシリーズってそもそもそんな大きな話じゃなかったじゃん。欲張りすぎだぜ、トム。 なんてことを考えながら鑑賞したものの、アクションには大満足。 ヒロインとしては、グレースよりもフランス人のパリスの方が魅力的だなあと思いつつ、そこに加点。 追記。 アメリカ大統領が自国が核を意図的に使用したことを疑われないように、各国の主要都市に加えて、アメリカ国内の大都市にも核を落とす決断を迫られるシーンが出てくるのだけど。 このシーンはどうしても「未知への飛行」と重なる。 結局イーサン頼みで核を使用する決断はできなかったのだが、「未知への飛行」でのニューヨークに核を落とす約束をクレムリンと交わすジェーン・フォンダの苦悩たるや、想像を絶するものがあった。 本作はそのドラマを描き切るタイプの映画ではないし、その苦悩を持て余した感が否めなかった。自国に(他国にもだけど)核を使用するかどうか考えるなんて、映画とはいえ、我々とハリウッドの核に対する感覚はかなり異なることを改めて感じた次第。 [映画館(吹替)] 8点(2025-06-02 23:05:03)(良:1票) 《更新》 |
2. あ・うん
ネタバレ 数十年ぶりの再鑑賞。 若い時も嫌いじゃなかったけど、年取って観てもやっぱりいい。 民さんを好きなだけなら話は簡単なんだよ。 でも、水田だってかけがえのない親友なんだ。 二人を失わずにいられる方法は、危険な距離に陥らないように細心の注意を払いながら、水田の家に通うこと。 「会わないことも愛なんだ」 民との危険な距離感を感じた門倉が下した切ない決断。いや、つらい。そりゃパナマかぶって背広を羽織って一人でお茶目に踊る姿なんて見たら、穏やかでいられるはずなんかない。 でもね、民さんと結ばれたって、幸せになんかなれっこないんだよ。 門倉も民さんもそのことはわかってる。 だから、時々互いを思い合ってることを感じ取りながら、三人の関係を続けるのが一番。 原作も読んだけど、映画もいい。 高倉健って、あんまりうまい役者じゃないって勝手に思い込んでたけど、上手い。 富司純子も気品と少女のような可憐さが抜群で、そりゃ健さん惚れるわ。 いや、いい映画。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-05-21 22:34:36) |
3. フォールガイ
ネタバレ こういうね、ちょっと影のある男をやらせたら当代随一な感じがするライアン・ゴズリンク。 はまるね。 筋書きはいたって単純で、過ってスタントマンを殺してしまった売れっ子俳優を守るために、身代わりとして自殺に見せかけて殺される、という話。それを敢えて行方不明になった俳優を身代わりスタントマンに捜索させる、という小難しい話にしたからちょっとややこしい。 まあおかげでドタバタ感が出て、コメディ要素が強くなっているから、観ている方も飽きずに最後まで楽しめた。 なにせね。相手役のエミリー・ブラントがキュートなのよ。 そもそもファンだから余計にそう思うんだろうけど、この映画のエミリー様は乙女心丸出しで、時折見せる表情も抜群。そこに加点加点加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-05-18 23:31:46) |
4. 無法松の一生(1958)
ネタバレ ずっと観たかったんだよね。 三船敏郎の松五郎は、喧嘩っ早いけど、非を認めたらすぱっと謝る。気持ちいいくらい謝る。 笠智衆演じる親分さんが場を収めるくだりは、観ていてほんとに気持ちよかった。 ちょっとやりすぎだけどね。 縁あって少年を助けたことで、吉岡一家との付き合いが始まるのだけど、車引きが無学で世間様から軽く見られている描写は、今見るとかなり切ない。松五郎から見たら、吉岡の奥さんは決して手を出せないお姫様みたいに見えただろうなあ。 年老いた松五郎が、久しぶりに会った同業者に身を固めろと言われるあたりから、やっと松五郎が奥さんを意識し始めるシーンが入るんだけど、もう少しそれを匂わせるシーンがあっても良かったんじゃないかな。「ひとりぼっちで寂しい」なんてセリフがあるけど、松五郎がそれを聞いてどう思ってるかなんてカット、ほぼないんだよね。 どうやったって手の届かない恋だからって、あんまりストイック過ぎるよなあと思いながら、三船敏郎の漢っぷりを観てた。 そしてラスト。 なんだよ、やっぱり親分さん出るんじゃねえかよ。ずるいよ。こういう役やらせたらこの人にかなう人いないんだから。 車引きで奥さんと息子名義の貯金五百円って、どれだけ奥さんに惚れてたんだよ。 切ないなあ。 手だって一度も触れてないんだぜ。 これが漢気なんだろうけど、つらいなあ男って。 いや、いい映画。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-05-18 22:58:35)(良:1票) |
5. ギルバート・グレイプ
ネタバレ ギルバートが本当に心を開いていたのは、家族よりもハンバーガーショップに就職を決めた友人と、旅の途中でたまたま町に足止めをくらったベッキーだけだったのかな。姉と妹は家族には違いないけど、母と弟の面倒を一緒に見る運命共同体。いや、そもそも家族って運命共同体なんだろうけど、思っていることを話せるかっていうと、そうもいかないことが多い。母親の世話なんてもうごめんだぜ、なんて思ってても家族には言えないもんね。そんなギルバートが選んだのは、徹底的に自分を殺して誰かのために生きること。家族だけじゃなく、勤め先のオーナーにも気を遣って、いい人を演じること。いろんなことを我慢してるんだから、せめていい人に思われたいって思っても、それぐらいいいじゃないか。でもギルバートも完璧な聖人君子じゃない。配達にかこつけて人妻との逢瀬を楽しむギルバートに、ちょっと救われた気がした。やっぱり人間そうでなくちゃ。君は決して聖人君子なんかじゃなくて、町の外に飛び出す決断力と勇気を持っていないだけなんだよな。 そして塔に登って拘束された息子を敢然と迎えに行く引きこもりの母親。 彼女はこの時初めて、自分の息子たちが自分のために普段どんな思いをしているのかに気づいたのだろう。肥満で歩くこともままならない自分に対する好奇の目。それを息子たちは毎日感じながら生きているのだ、ということに。 ギルバートが家族を捨てない、弟を捨てはしないということを確信した母親は、たぶん自ら命を絶ったのだと思う。せめて自分を養うことからは解放してやりたい。でも弟の面倒は最後まで頼むわね。 家族の思い出が詰まった家ごと彼女を火葬するラストは、まさにこの物語の結末としてふさわしいものだったと思う。まだまだ困難は待ち受けているけど、新しい世界に飛び込んでみれば案外なんとかなる。 キャストの演技が素晴らしく、筋立ても見事。2回目だけど、やっぱりいい映画だなあ。 そしてメアリー・スティンバージェン崇拝者の私には、彼女の妖艶な姿を見ることができてそこもプラス。 [インターネット(字幕)] 9点(2025-05-18 22:39:55) |
6. 破墓/パミョ
ネタバレ あれだけ祟るのに、棺ごと火葬したらもうOKなんてちょっと簡単だよなあって思ってたら、ちょっと冗談のような蛇。作業員がスコップで殺めた時にちらっと見えて、まさかと思ってたけど、そのまさか。メデューサじゃないんだから。 で、その後怒涛の?展開になるわけだが、日本の侍的な怪物が出るまでの展開は正直おどろおどろしくてぞくぞくしたのに、巨大な侍登場からは、物理的な恐ろしさになってしまって、ちょっともったいない感じ。そもそも朝鮮半島の腰を折ることでどんなデメリットがあるのかがよくわからなくて、ただただ倒すだけが目的になってしまったのも残念なポイント。 ホラー映画としては、なかなか見応えがあるものの、悪霊というよりはモンスターが相手(作中では「精霊」と呼んでいたが)の冒険活劇的映画。ちょいちょい挟まれる日本語もハリウッド映画ほど不自然じゃなくて違和感少な目。 主演の女優は途中以上に美しく見える瞬間があって、観ているうちにファンになってしまった。そこに加点。 そしてチェ・ミンシクが最後までいい人だったのも稀有な展開で好印象。やればできるじゃん(笑) [インターネット(字幕)] 6点(2025-05-06 21:09:01) |
7. 死と処女(おとめ)
ネタバレ 会話の流れが映画らしくないと思いながら観ていたのだが、元は演劇なのね。 過去の政治犯?を発見して問い詰める展開なので、なにせ複雑で説明的なセリフになってしまうのも納得。って言っても演劇なんてほとんど観に行ったことないんだけど。 この映画の肝は、夫を訪ねて来た親切な男の声を聴いて、かつて自分を拷問した男の声だと気づく部分なんだけど、ここがあんまり緊迫感が伝わらなくて、あれ、なんでだろうね。 だって名優ベン・キングズレーとシガーニー・ウィーバーだよ。 自分がその政治犯だと白状させるために海に蹴落とそうとするシーンも、なんだか予定調和過ぎて手に汗握らず。 具体的な歴史を知らない私が勉強不足で映画に入り込めなかった、という風にしか思えない、自分にとって悲しい評価な映画。 [インターネット(字幕)] 4点(2025-04-20 22:38:14) |
8. 弥生、三月 君を愛した30年
ネタバレ 冒頭のシーン。弥生がさくらをかばうシーンが、この映画の肝になっている。 弥生はとにかく真っ直ぐで、自分を貫く女性。父親の借金を肩代わりしてもらうための結婚も、直前で取りやめる。この時だって、こっそり逃げ出さずに、ちゃんと相手にもその家族にも謝ってるんだよね。そんな彼女にとって、結婚後にさんたと犯した過ちは、夫が亡くなって二度と謝ることもできない以上、つらかったに違いない。親友のさくらが好きだったさんたと結ばれることも、夫を裏切ってしまったことも、全部これまでの彼女の人生を否定することになるから。 でもね。ほんとにわかり合える人間なんて、この世に何人もいないんだよ。 その人を見つけたら、たとえ回り道しても、何年かかっても、一緒にいたいと思うのは人間として当たり前のことじゃないかな。 古本屋で「ヘレンケラー」の本を手に取った瞬間に弥生を見つける…なんてご都合主義が過ぎるぜって展開も、そんなに嫌じゃなかった。とにかくこの映画の波留さんは、凛としていながらも壊れそうな演技が良くて、見入ってしまった。 ラストシーンで「上を向いて歩こう」を二人で歌い始めてしまった時には天を仰いだが、東日本大震災で亡くなった方たちへのレクイエムなのかなと思い直した。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-04-20 22:21:41) |
9. マダム・イン・ニューヨーク
ネタバレ まだまだ女性の地位が低いインド。母親は自分の子供にだって馬鹿にされる。 そんな彼女がニューヨークで一念発起。 英会話教室のメンバーがなかなかに役者ぞろいで魅力的。 何語を話したって、お互いに対する敬意を忘れてはいけない。 最初のカフェで出会った男性とのほのかな恋も抑えが効いていてよい。 結婚式でのラストのスピーチは、予想通りながらもやっぱり素晴らしかった。 まあ一番魅力的だったのは、ゲイの英会話講師かな。アメリカが他国人にも性的マイノリティにも過ごしやすい国であり続けて欲しいと思って、そこに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-03-29 12:03:40) |
10. ソウX
ネタバレ まあ好き嫌いがはっきりする映画ですな。 私の場合は、シリーズのどのあたりからかもう定かではないけど、ほとんどついていけてない気がする。 「ファイナルディスティネーション」シリーズと同様、新たな殺人方法を次々と考えなければならない訳だけど、悪魔より人間の方がよっぽど考えることがえげつないよね。猟奇的な度合いが激しい上に、制限時間が短すぎて、もうこれは残りの時間をゆっくり思い出でも振り返った方がやられる本人としては有意義な時間の過ごし方。そしてラストの毒ガスは、どのみち生き残れないという完全に因果応報な復讐スタイル。 観るのしんどいなあと思いつつ最後までたどり着いたが、もうスリラーという範疇には入らない映画だね。いや、観ている私が歳を取ったのか…。 [インターネット(字幕)] 5点(2025-03-29 11:54:01) |
11. ゴーストバスターズ/フローズン・サマー
ネタバレ 「アフターライフ」ではフィービーの魅力が際立っていたが、今回の「フローズン・サマー」では、フィービーがすっかり女性として成長を遂げてしまい、少女というにはちょっと無理がある女っぷりだったのが返す返すも残念。 そして世界を危機に陥れたのも、そもそもの原因はフィービーというなんとも後味の悪い展開。 解決してもすっきりできないんだよね。 オールスターキャストなのはオールドファンには嬉しいかぎりだし、相変わらずテーマ曲が流れるとなんでも許してしまうのは何なんだろうね。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-03-22 12:15:42) |
12. ディープ・コンタクト
ネタバレ 他のレビュワーの方も書いておられたが、まさかの展開で全くの予想外。 まさか地底人とは。 そしてその地底人を地底に閉じ込めておく設備のなんとお粗末な。 加えて世間には公表せず意味もなく孤軍奮闘する村人たち。 いや、B級映画の極み。 ウィル・パットンが映画の品格を上げることに貢献しているものの、それだけではかなり苦しい展開。地上からその存在を消された炭鉱町なんて、題材として魅力的なのに、ちょっと、いやかなり惜しい映画。 [インターネット(字幕)] 4点(2025-03-22 12:08:57) |
13. コーヒーが冷めないうちに
ネタバレ SF映画なのかドラマなのかわからない映画なんだけど。 タイムスリップする以上、そこに何らかのリアリティがやはり必要ではないかと思うのだが、石田ゆり子様が席を離れた時だけタイムスリップが可能とは、ちょっと設定が適当過ぎるのではないかと。 現実にそこに彼女は存在していて、触れると危険とか、そんな感じではこの時代どう考えても話題になって、テレビからなにからあらゆる媒体が取材に来るだろうに。それが知る人ぞ知る…ではあまりに荒唐無稽。 そういうことがあるかもしれないという噂の…という程度がいい気がするのだが、その喫茶店で時間を守護する一族がいるとかいう設定にしてるからこうなってしまうんだろうね。 吉田羊のエピソードはぐっときたし、いつも無表情なゆり子様がタイムスリップ先では情感豊かな表情を見せるシーンは映画として充分な見ごたえ。 泣かせる宣言より、じんわり涙が出るくらいの方が見るハードルが下がる気がするなあ。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-03-22 12:02:43) |
14. REC/レック2
ネタバレ SWATも行くんならもっと大人数で行かないと。 しかもちょっと弱い。 科学者っぽい神父は、意外と強くてしかも強気で絶対引かないところが好印象。 途中で間抜けに侵入してしまう若者にはいい薬だが、ちょっと無理な設定感は否めない印象。 でも新しい人物を登場させないと感染が広がらないもんね。 アンヘラがちゃんと生き残って再登場したのはファンにはうれしい限り。 悪霊が感染するという「リング」っぽい設定は受け入れてしまえば気にならないのでまあよしかと。しかも感染どころか人間間を移動するという離れ技。いや気持ち悪い。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-03-22 08:17:18) |
15. ●REC/レック(2007)
ネタバレ 二度目の鑑賞。 やっぱり面白い。 ゾンビのように人肉を食らうわけではなく、「28時間後」のようにただただ凶暴になる、という設定は案外現実に起こりそうで興味深い。 舞台をアパートの中に限定したのも効果的。閉塞感と不条理感が映画にスピード感を与えている。手持ちのカメラという縛りがあるのも緊迫感が増すし、時々「え?どうなったの?」というもどかしさも加わって、映画として非常に楽しめる。 ラストで悪霊が原因と匂わせるのは、理由付けとしては無理がありそうだが、原因不明よりはすっきりして良いかも。 なにせ主人公のマニュエラが魅力的なので、それだけでも観る価値ありの映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-03-22 08:05:06) |
16. ポルノグラフィックな関係
ネタバレ ナタリー・パイが見たくて鑑賞したんだけど、インタビュー時の黒く染めた?髪より、ブロンドの方がナチュラルできれいだったな。 こういう恋愛ものって、だいたい男の方が未練がましく昔の女を忘れられずにいるんだけど、この映画ではもう吹っ切れている感じで、むしろ女性の方が昔の記憶に囚われている感じ。 相手を本当に愛しているのか、それとも行為自体が魅力的なのか、ちょっと判別がつかないし、そもそも境界線なんかないのかもしれない。 行為から始まる愛があってもいいような気がするし、女性もそれを肯定していたけど、男の方はそんなことあるはずないって勝手に諦めてた感じかな。車で送ろうとするのを何度も断られてたら、二人の間にはちゃんと線が引かれているんだって私なら思うだろうな。 男女のそれぞれの性に対する固定観念が大人の恋の邪魔をする、そんな映画に思えた。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-02-17 16:10:17) |
17. ラン・ハイド・ファイト
ネタバレ 父親からサバイバルの手ほどきを受けた少女がトラブルに巻き込まれる、という予備知識だけで鑑賞したもんだから、事件が始まるあたりでちょっと驚いた。まさかそういう展開とは。 他のレビュワーの方も書いておられるが、想起するのはやはり「ダイ・ハード」。 犯人たちの用意周到さも相まって、ハイスクール版ダイハードとなるのだが、これが意外に良かった。父親と狩猟に行って鹿を撃つ程度の女の子が武器を持った犯人グループとまともにやりあえるはずないんだから、最初の怯えた演技も納得。友人たちを無残に殺された怒りをぶつけるシーンも悪くない。 そしてマクレーンをビルの外から援護した警官役を担うのは、父親役のトーマス・ジェーン。そりゃ強いはずだよね(笑)。しかも幽霊役の母親はラダ・ミッチェルって、両親が揃って武闘派なんだから、娘が弱いはずない。しかも保安官は「ザ・グリード」船長のトリート・ウィリアムズって、脇役が強すぎる(笑) 突っ込みどころはあるものの、それ以上の面白さがある映画。おススメです。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-02-17 12:33:46) |
18. ルームロンダリング
ネタバレ 予告編を見てからの鑑賞。ちょっとコメディに寄せている感じがあったので結構期待。 主演の池田エライザは非常に魅力的。陰キャを自称しながら真っ赤なコートを着るあたり、矛盾してそうで意外に違和感がないのはちょっと不思議な効果。 霊が出てくるときに必ずアヒルが光るのもわかりやすくて良い。 社交的でなく、しかも霊に耐性がある彼女には、「ルームロンダリング」はまさに天職なのだが、霊との交流を通して少しずつ自分自身と向き合っていく、というまあ成長物語かな。 パンクな男もコスプレイヤーの女も、いい塩梅のキャラクター設定で、観ていて無理がない。 一つ難点を挙げるとすれば、実は殺人鬼だった警察官はちょっと演技過剰で浮いていた印象。カニ少年の方がよっぽど映画にはまってた。 池田エライザもはまり役でよかったのだが、やはりこの映画はオダギリ・ジョー。 こういう飄々とした役をやらせたら天下一品で存在感抜群。 ぶっきらぼうだけど、ちゃんと優しい。べたな設定でも嫌味なし。上手いなあ。 ルームロンダリングを仕事にしてる人はほんとにいそうだけど、こんな甘くはないんだろうね。映画としてはかなり楽しめた一本。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-02-17 12:19:51) |
19. マルホランド・ドライブ
ネタバレ デヴィッド・リンチ監督追悼、ということで初鑑賞。 いや、難解。 まあなんとなくは理解できるんだけど、そういう理解をリンチ監督が求めているのかも不明。 そもそもナオミ・ワッツがご贔屓だから、彼女が初めて登場するシーンからその美しさにくぎ付けになるわけだが、青い箱を開けてからのナオミ・ワッツのあばずれ感たるや、相当のもの。 メイクとか衣装の力もあるんだろうけど、しぐさや表情で同じ人物を全く違うキャラクターに見せてしまうナオミ・ワッツの演技に感服。 私はあんまり考えずにじんわり良かったなあと思える映画が好きかなとあらためて思ったしだい。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-02-06 14:07:00) |
20. バトル・インフェルノ
ネタバレ これは予想以上の面白さ。 ライブ配信で悪魔祓いをするなんて、誰も本気にしそうにないんだけど、けっこうな視聴者がいて、今どきの時代を感じさせる。世の中にはごまんと映画があふれているんだから、ホラー映画もアップデートしないと観てもらえないよね。一方で敬虔なクリスチャンって増えてるのか減ってるのかわからないが、徐々に減っているイメージ。憑りつこうにも信者がいないんじゃ、奪う魂の絶対量が減る。じゃあライブ配信に乗っかって、ごっそりいただこうぜ、みたいな乗りかな。でも決して軽くならずに、それなりの重厚感を持たせる演出は素晴らしい。次から次へと新しい事実を盛り込んで、観るものを飽きさせない筋立てもなかなかで、悪霊の正体が実は悪魔自身だったと明らかになる脱皮シーンも秀逸。一挙に魂を奪うといえば「ゴーストシップ」を連想するが、あれよりは気楽に楽しめる映画。そもそも自業自得だし。 しかし、レビュワーの方も言っておられたが、確かに邦題が単なるそれ系の単語の羅列になっているだけでちっとも内容を反映していないので、せっかく面白いのに観ようと思われないだろうね。その点が惜しい。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-02-06 13:53:05) |