1. マダム・イン・ニューヨーク
《ネタバレ》 まだまだ女性の地位が低いインド。母親は自分の子供にだって馬鹿にされる。 そんな彼女がニューヨークで一念発起。 英会話教室のメンバーがなかなかに役者ぞろいで魅力的。 何語を話したって、お互いに対する敬意を忘れてはいけない。 最初のカフェで出会った男性とのほのかな恋も抑えが効いていてよい。 結婚式でのラストのスピーチは、予想通りながらもやっぱり素晴らしかった。 まあ一番魅力的だったのは、ゲイの英会話講師かな。アメリカが他国人にも性的マイノリティにも過ごしやすい国であり続けて欲しいと思って、そこに加点。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-03-29 12:03:40) |
2. コーヒーが冷めないうちに
《ネタバレ》 SF映画なのかドラマなのかわからない映画なんだけど。 タイムスリップする以上、そこに何らかのリアリティがやはり必要ではないかと思うのだが、石田ゆり子様が席を離れた時だけタイムスリップが可能とは、ちょっと設定が適当過ぎるのではないかと。 現実にそこに彼女は存在していて、触れると危険とか、そんな感じではこの時代どう考えても話題になって、テレビからなにからあらゆる媒体が取材に来るだろうに。それが知る人ぞ知る…ではあまりに荒唐無稽。 そういうことがあるかもしれないという噂の…という程度がいい気がするのだが、その喫茶店で時間を守護する一族がいるとかいう設定にしてるからこうなってしまうんだろうね。 吉田羊のエピソードはぐっときたし、いつも無表情なゆり子様がタイムスリップ先では情感豊かな表情を見せるシーンは映画として充分な見ごたえ。 泣かせる宣言より、じんわり涙が出るくらいの方が見るハードルが下がる気がするなあ。 [インターネット(邦画)] 5点(2025-03-22 12:02:43) |
3. ルームロンダリング
《ネタバレ》 予告編を見てからの鑑賞。ちょっとコメディに寄せている感じがあったので結構期待。 主演の池田エライザは非常に魅力的。陰キャを自称しながら真っ赤なコートを着るあたり、矛盾してそうで意外に違和感がないのはちょっと不思議な効果。 霊が出てくるときに必ずアヒルが光るのもわかりやすくて良い。 社交的でなく、しかも霊に耐性がある彼女には、「ルームロンダリング」はまさに天職なのだが、霊との交流を通して少しずつ自分自身と向き合っていく、というまあ成長物語かな。 パンクな男もコスプレイヤーの女も、いい塩梅のキャラクター設定で、観ていて無理がない。 一つ難点を挙げるとすれば、実は殺人鬼だった警察官はちょっと演技過剰で浮いていた印象。カニ少年の方がよっぽど映画にはまってた。 池田エライザもはまり役でよかったのだが、やはりこの映画はオダギリ・ジョー。 こういう飄々とした役をやらせたら天下一品で存在感抜群。 ぶっきらぼうだけど、ちゃんと優しい。べたな設定でも嫌味なし。上手いなあ。 ルームロンダリングを仕事にしてる人はほんとにいそうだけど、こんな甘くはないんだろうね。映画としてはかなり楽しめた一本。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-02-17 12:19:51) |
4. バトル・インフェルノ
《ネタバレ》 これは予想以上の面白さ。 ライブ配信で悪魔祓いをするなんて、誰も本気にしそうにないんだけど、けっこうな視聴者がいて、今どきの時代を感じさせる。世の中にはごまんと映画があふれているんだから、ホラー映画もアップデートしないと観てもらえないよね。一方で敬虔なクリスチャンって増えてるのか減ってるのかわからないが、徐々に減っているイメージ。憑りつこうにも信者がいないんじゃ、奪う魂の絶対量が減る。じゃあライブ配信に乗っかって、ごっそりいただこうぜ、みたいな乗りかな。でも決して軽くならずに、それなりの重厚感を持たせる演出は素晴らしい。次から次へと新しい事実を盛り込んで、観るものを飽きさせない筋立てもなかなかで、悪霊の正体が実は悪魔自身だったと明らかになる脱皮シーンも秀逸。一挙に魂を奪うといえば「ゴーストシップ」を連想するが、あれよりは気楽に楽しめる映画。そもそも自業自得だし。 しかし、レビュワーの方も言っておられたが、確かに邦題が単なるそれ系の単語の羅列になっているだけでちっとも内容を反映していないので、せっかく面白いのに観ようと思われないだろうね。その点が惜しい。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-02-06 13:53:05) |
5. ハクソー・リッジ
《ネタバレ》 非常に満足度の高い作品。 衛生兵として圧倒的な信頼を得たあと、あれだけデズモンドを邪魔もの扱いしていた上官が、「彼なしには戦えない」と、デズモンドの祈りが終わるまで待つシーンは何か崇高ですらあった。 味方であろうと敵であろうと救える命はすべて救いたいという迷いのなさが観る者の心を打つし、日本人としても救われる思いがした。 戦闘シーンも目を背けたくなるほど完成度が高く、「プライベート・ライアン」にも引けを取らない迫真性があり、出兵に至るまでのドラマも長すぎず、バランスが取れている。 メル・ギブソンは名監督の評判が高いが、本作は引くところは引いて、ゴリ押しせずにまとめられていると感じた。いや、いい映画。 [DVD(字幕)] 7点(2025-01-16 10:27:11) |
6. バッド・バディ!私とカレの暗殺デート
《ネタバレ》 予告編を観てこれは面白そう!と思って鑑賞。 まあそもそもアナ・ケンドリックが嫌いじゃない上に、「ジョジョラビット」でサム・ロックウェルにも好感を抱いているので、配役は申し分なし。 殺し屋稼業も改心して依頼主を抹殺、という負のスパイラルを止めようとする設定はかなり無理があるものの、ラブコメなんだから許せる範囲。そして味方なんだか敵なんだかよくわからないティム・ロスもいて安定感も加味。ラスト近くからアナがその殺し屋としての適性を存分に発揮するのも面白い。ラストも爽快。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-01-14 14:42:20) |
7. ラザロ・エフェクト
《ネタバレ》 ラザロ血清を注入すれば、ゾンビ化せずに生き返るという夢のような発明。 狭い研究室の中に舞台を限定したのはわかりやすい。予算の関係でそうなったんだろうけど、血清の注入器がそれほんとに大丈夫?って感じだったけど、残りの計器類はそれなりにそれっぽく見えていたかな。 生き返った女性が生前持っていたトラウマが、実は自分が原因だったというのはなかなサスペンスフルで良かったんだけど、それならその設定をラストで結実させて欲しかった。 ハッピーエンドはないとしても、ラザロ復活者を量産してその後どうなる?ということにあんまり興味は湧かない。 しかしながら、最初に死亡するかと思われたエヴァがラストまで生き残ったのは嬉しい誤算。 彼女のキュートさに加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2025-01-14 14:00:05) |
8. トランス・ワールド
《ネタバレ》 みなさんと同様、タイムパラドクスもの、という予備知識だけで鑑賞。 冒頭はほんとにB級感を漂わせるんだけど、「え?そうなの?」と登場人物だけでなく、観ているこちらまで戸惑わせる抜群の筋立て。 これは拾い物。 観て損はない逸品だけど、最初は我慢が必要かも。ぜひ楽しんでください。 [インターネット(字幕)] 8点(2025-01-05 11:36:08) |
9. 処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ
いや実はね。前作よりも先にこっちを観ちゃったんだよね。 続編だって知らなくて、いやに記憶の走馬灯がきちんと作ってあるなあと思いながら観たら面白いじゃん。しかもこのご時世にここまで振り切ってゾンビ映画作ってるなんてなかなかやるなあと思って調べたら続編…。 ということで、まだ未見の皆様には、前作を鑑賞してからの視聴をおススメしたい。 まあ本作単体で観ても私は充分楽しめたんだけどね。 ただ、ホラーが苦手な人はまず無理な映画なのであしからず。まあそんな人はそもそもゾンビ映画なんて観ないよね。 ただ、隠れた?名作ゾンビ。タイトルで損してるよなあ、という映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-01-05 10:02:26) |
10. 白頭山大噴火
《ネタバレ》 噴火から国家壊滅を防ぐためには北の核弾頭の奪取が必要、というくだりが簡潔過ぎるほどでいきなり本題に入ってしまうのは意外に良かった。そして主導部隊が全滅し、弾頭の解体班が急遽奪取の任務も負う、なんてところもシリアスにさせ過ぎない展開で面白かった。とにかくイとハの掛け合いが抜群で、ディザスター映画なんだけどちょこちょこ笑わせる脚本がいい塩梅だった。そしてマ・ドンソクが腕力ではなく知力で貢献するちょっと似合わないけど稀有な映画で、女性高官との掛け合いも良かった。 ラストは思ってた通りの展開だけど、そこに至るまでの二人の信頼関係が効いていてぐっと来た。この辺は韓国映画上手いんだよなあ。沈まない「日本沈没」より、本作の方が好きかな。 緊迫感が薄いのはちょっと残念だったけど、充分に楽しめた。 [インターネット(字幕)] 7点(2025-01-05 09:39:53) |
11. 火口のふたり
《ネタバレ》 前から気になっていた映画なんだけど、「光る君へ」でも夫婦役を演じている二人が主演ってことで、やっと鑑賞。 単なる元恋人、ではなく、いとこ同士なのがネック。 単なる恋人だったならそのまま結婚しても良かったんだろうが、いとこ同士なのでそのハードルが高く、結局別れてしまった二人。一昔前なら全然ありえた恋愛の形だけど、現代では血縁者との結婚はなかなか難しいのかな。近代小説なら全く問題なく、むしろ縁談を進められたりするケースなんだろうけど、これも時代。 結婚を前に直子が賢ちゃんに会うシーンは、二人の会話が今後の展開を含んで張りつめていて良かった。そして、ソファーで自分の隣に座るように強引に促す直子が、観ている方も引き込まれる名演でここも良かった。 人間の欲望は食欲と睡眠欲と性欲、だったっけ。 結婚式までそれを延々と繰り返すだけの映画と言ってもいいんだけど、間に挟まれる二人の会話が心地よい。まあ話の中身はほとんど思い出話だんだけど、それが二人は結ばれてはいけない二人だったと思わせることにつながってるのかな。 ただ、最後にほんとに富士山が噴火する展開にはちょっとついていけなかった。 「火口のふたり」ってほんとに火口じゃん。 そんな環境に強制されるのではなく、自分から堕ちるところまで堕ちる二人が観たかった気がして、そこが残念。 でも、瀧内さんの覚悟には脱帽。女優だね。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-11-20 10:33:54) |
12. search サーチ
《ネタバレ》 パソコン画面を延々と観続けるのは少々つらかったが、アイデアとしては現代風。 ラスト近くまでいったいどうなるんだろうと思いながら観ていたのだが、ちょっと待って。 え?担当の刑事が?そんなことある? パソコンの画面に負けず劣らず、狭い世界での犯人逮捕にちょっと鼻白んでしまったよ。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-10-12 17:06:04) |
13. 潜水艦クルスクの生存者たち
《ネタバレ》 事故当時、クルスク乗組員の生存を全世界が固唾を飲んで見守っていた記憶がある。 ニュースでも、息子が乗り組んでいるという母親が当局を相手に叫ぶ映像が流れたのではなかったか。 結末を知っているだけに、乗組員たちが助かろうと必死の努力を続ける様子が切なくてつらい映画だった。k-19でもそうだったが、潜水艦乗りの男たちの覚悟と絆は我々の想像をはるかに超えて強く、美しく、悲しい。 人命よりも重んじられる国家機密というものが、恐ろしく虚しいものだと考えさせられる映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-10-12 16:26:46) |
14. キングダム(2019)
《ネタバレ》 原作は読んでもおらず、非常に過小評価して今まで観てこなかったのだが、間違いだったなあ。 いや、面白い映画だったよ。 やっぱり原作読んでないっていうのが最大の武器。 登場人物も真っ白な状態なので妙な先入観もないし、まずは天下の大将軍を目指すんだなくらいしかストーリーも知らないから楽しい楽しい。 長澤まさみが出るのは知ってたけど、まさかあのいかついマスクの下に隠れてるなんて思いもしなかったから衝撃も倍増。 日本の戦国時代ではなく、中国のチャンバラを邦画で作ろうという心意気も良い。 日本映画もやるなあという一作。 [インターネット(邦画)] 7点(2024-10-03 16:38:30) |
15. タイガー・ハウス
《ネタバレ》 恋人にボウガンを向けて誤って射抜いてしまうような、あんなピンボケした息子に逆襲を食らうなんて、強盗団はそもそもプロ失格。それで計画が台無しになるのはまあ映画のストーリー上仕方がないのだが、もう少し脚本なんとかならなかったのかね、というのがずっと残って、どうしてもサスペンスというよりもコメディ寄りで観てしまった感が否めない映画。 で、強奪した金をさらに持ち逃げしようとするヒロイン。 これ主演がカヤ・スクデラリオじゃなかったら許せないところだが、彼女だからまあいっか。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-08-30 10:46:28) |
16. ミュージアム
《ネタバレ》 前半はスピード感もあるし、犯罪の異常性もなかなか興味深い感じ。被害者の共通点が裁判員に対する復讐かも、いや、そう思わせて実はそうじゃないぞ!あたりは絶好調だったのだが、犯人が担当刑事に妙な執着を見せる辺りから、話の展開が小さくなってきたなあと雲行きが怪しくなるものの、拉致した刑事に与えたハンバーガーの肉がひょっとして…と思わせるあたりでぐっと盛り返した感じ。あれ韓国映画なら容赦なく妻子のものだよなあ。ホラー映画としてはその方が完成度が高かったと思うのだが、邦画でしかもあのキャストではそれはなかなかできない相談かもしれない。そこが残念。振り切る勇気が欲しかったなあ。 犯人の芸術作品としても、あの親子3人をどういう形で世間に発表するつもりだったのか、そこは気になるところ。やっぱり本物を食べさせた方が「社会見学の刑」にマッチしていたような。 しかしながら、最後まで手に汗握って楽しめたし、基本的に小栗旬と尾野真千子が好きなので問題なし。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-08-30 08:29:54) |
17. アス
《ネタバレ》 そもそも人の言葉を話せるのは例の彼女だけなんだろうか。 残りのいったい何億人いるのかわからない人たちが言葉を話せないとしたら、そもそもどうやってこの決起を成功させることができたのか。 まさかテレパシー? で、これはアメリカだけの話なのか全世界的なことなのかも判然せず、なんだか感情移入できないままハサミで殺戮、という痛いシーンを観ることになってしまった。 仲良しの家族役、いけすかない人たちだったけど、あの妻は透明人間に出てた女優さんだったのかな。なんてことを考えたり、主役のニョンゴさんはアクションホラーに引っ張りだこだなあなんてことを考えながらの鑑賞。 でもね、例の偽?一家が家を狙うシーンはけっこうな恐怖感だった。やっぱり種明かしはあんまりはっきりしない方がホラー映画としては成功するのかもなあ。 [インターネット(字幕)] 5点(2024-07-14 08:09:31) |
18. 箱入り息子の恋
《ネタバレ》 まあこういう役をやらせたら星野源は無双だろうね。 見合いの後で自分の部屋を無茶苦茶に破壊する様子は迫力があって切なくて良かった。 二人の距離を一気に縮めた吉牛の破壊力はやはりすさまじい。日常とか、庶民とか、やはり生きていく上で大切な要素なんだよね。 職場のイケイケの女性がどういう役回りなのか気になってたけど、ぶざまでいいじゃんとか、早退するシーンでエールを送るとか、なかなか憎い役回りだった。 ただ、早退後に走って(文字通り走って!)奈穂子の家に行ったシーンにはちょっとモノ申したい感じ。カエルの鳴きまねの伏線を回収するためだけのシーンのように思えて、別の方法があった気がしてならない。そこが残念。 彼は昇進できたのかな。あれだけ点字が打てるなら、かなり優秀ってことだろうから、大丈夫か。 [インターネット(邦画)] 6点(2024-06-16 13:42:33) |
19. プレデターズ(2010)
《ネタバレ》 二度目の鑑賞ですが。 皆さんどのように感じておられるかわかりませんが、私自身は、エイリアン・ブロディなる役者に兵隊のイメージが全くなく。 どうしてもピアノ弾いてる姿しか思い浮かばなくて、その時点でこの映画に違和感を覚えたまま鑑賞を続けるわけですが。 それに加えて、スペッツナズはいいとして、ヤクザって。どう考えても弱いに決まってるわけですが、外国人はヤクザに対する妙な強いはずという信仰があるのでしょうか。まあけっこう強くて一匹やっつけますけども。 そういう点でも日本人の私には妙な違和感がありつつ鑑賞を続けるわけですが。 ラストもすっきりしないのはちょっと。 シリーズの1作目も2作目も、その点はちゃんと気持ちよく着地させてくれたのに、本作はそういうわけでもなく。せめてそこはすっきりしたかったなあ。 という映画。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-05-03 13:46:40) |
20. メイズ・ランナー 最期の迷宮
《ネタバレ》 いよいよ三作目。 壮大なサーガのようなシリーズで、意外に満足感が高い。 アクションも充実。 ニュートには生きていて欲しかったな。なんとか助かって欲しいと思わされている時点でこのシリーズにはまってるんだろうなあ。 そっかあ。テレサもかあ。 バイオハザードとマッドマックスとインディジョーンズを一度に味わえる貴重なシリーズだった。 [インターネット(字幕)] 6点(2024-03-24 12:33:16) |