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1.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
 「PERFECT DAYS」を見た後での鑑賞です。結構対になったような作品で役所広司が多情な男と無口な男を演じています。彼の演技はさすがの一言ですが、出来は正反対です。作品の意図を主張するのか、なるべく隠して制作するのか、そこの違いかなと思われます。   服役から出てきた人物にそこまで積極的に係わろうとする人は少ないでしょう。例えスーパーで万引きされても少額なら触らぬ神に祟りなしと決め込むのが普通でしょう。いい加減な事実認定で犯人扱いするなど最悪です。テレビ制作者がスマホ越しに説教するなんてのもあり得ない。彼らと対決するのは実力行使を受ける可能性もあって危険だと認識されているはずです。多分、娑婆の人間関係を作ることが社会復帰の最初の関門でしょうに自然と生まれる的な解決で問題提議としてはスルーです。   主人公は短気ですが、律儀でルックスも良く、話題も豊富です。でも、実際はどうでしょう。そんな人ばかりではないはず。つまり環境も主体も説得力のない設定で何の主張をされても心に響きません。長澤まさみは喧嘩を止めるか、撮影をするのか、と叫びますが、この作品は風の音を喧嘩と誤認しています。九州の兄弟分のパートは良かったです。子分連中が良かったです。それでもあれだけ入れ墨背負ってあんな浴場に入れないでしょう。傷はCGでそこを見せたいのでしょうか。まあ、もうこだわる元気もありません。最後のシーンの大泣きもいい芝居ですが共感できません。予定調和の悲劇でしかないです。まあ、監督は責任者ですから責めを受ける立場でご愁傷さまです。
[インターネット(邦画)] 3点(2025-04-30 09:54:47)★《新規》★
2.  PERFECT DAYS 《ネタバレ》 
 竹ぼうきの音で目覚める主人公、時計が部屋になく時間の確認はしない。布団をたたむ。少し見せるすり足、あるいは武道経験者か、畳み方のリズムに服役経験の可能性を見る。シーツを使ってないので、所作がより美しく見える。階段を下り、歯を磨く。歯磨きの蓋を締める。この所作がカッコいい。さすがだ。霧吹きを持って動作をテストして二階に上がる。このテストに意味があるのかはわからない。小さな苗木が並んでいてそれに手を添えて霧吹きをする。手を添えるのにも意味があるのか分からないが、好感が持てる所作だ。髭も整えるがこれはいまいち面白くない。逆に言えばそれ以外の所作が面白く思えるわけだ。作品に引き込まれる。おそるべし役所広司。これらの動作には忠実な物音が伴う。この音が所作を際立たせ意味深いものにしている。自分もこれをまねて音を意識して日常生活を送ってみるとあら不思議、動作が意識的になり無駄が無くなるような気分した。    さて、その後作業着を着て玄関手前にある小物を持ち家を出るが、その際腕時計は持たない。それでも一瞬、間があるのはさすがにここで時間をチェックするからか。家を出ると玄関灯はついたまま。玄関のカギはかけない。後のシーンで姪が訪ねて来た時、カギを要求されるのでここは辻褄が合わない。缶コーヒーを買って車に乗り込み車内で開けて少し飲む。これは朝食の代わりなのか。車はメタリックブルーのダイハツのバン。のちのシーンで36000キロほどの走行距離とわかる。外装にほぼ汚れなし。カセットテープを選んで聞きだすので時代背景を考えるが特段の過去の時代設定ではない。選曲の趣味から言ってかなりコアなファン。のちのテープの買取店でのシーンで販売されているテープを懐かし気にチェックしているからもしかしたらこれを輸入する業務でも行っていたか。    車は走り出すがライトを点灯させている。周囲はそこそこ明るいが夜明け前だからか。次のシーンはトイレ掃除の現場になるが、周囲に通勤・通学の人々が。するとそれなりに時間は経過しているはず。ならば一回出社しているのか。しかし、次の清掃現場に同僚が遅刻して登場するのであるいは現場直行かも。あるいは終業時間を早めるために始業時間前に一現場、二現場、作業を終わらせているかもしれない。それとも、そこまで作品の時間経過を考えていない撮影・編集なのか。多分こっちだろう。   明確な説明が全くないため作品から人物設定を想像しながら観ることになる。少しの情報も見落とせない。この緊張感で作品に引き込まれるのだろう。2時間があっという間だ。ドキュメンタリーのように時間列で映像を展開させているように見せかけて実は主人公の人物を際立たせるように作品は作られている。つまり盆栽だ。多分、冒頭で戸にカギをかけないのはかがまないととカギをかけられないから。胸を張っている主人公の生き方の表現にふさわしくないと考えたからだろう。人は過去を背負って生きているが、普通、他人はそれを知る機会がほとんどない。その人の生活から推し量るだけだ。その意味でこの監督のアプローチは非常にリアリティがある。   非常によくできた作品、非常に素晴らしい演技だと思うが、疑問もないわけでない。カセットを売りに下北沢に行った帰りどうもガス欠したらしいが、小銭しかなく改めてカセットを売りに戻ったような感じだが、結構、距離を走っているので歩いていくことはできないだろう。かなり無理なエピソードだ。それともこれはもっと別に解釈すべき所なのか。ただ、主人公の完全なる日々に描かれる食事は昼食のサンドイッチだけなのにここだけカップラーメンを食べる。それを入れたかったのか。しかし、役所はカップラーメンの臭いをかぐとかすごい事をする。地下街の店での食事は撮影されない。何を食べたのか。店の看板は浅草焼きそばだが食べ終わった食器に茶碗がある。つまみを一口食べるが飲んでいるのは酎ハイだろうが水にしか見えない。役所としたところがどうしたことか。監督の指示か?ただ、彼も台本にセリフがないと何も言わないのか、無理やり黙っているようなシーンが結構ある。多分、あんなにニコニコした人は無口な人とは言わないだろう。   さて、主人公の生活が美しいのは豊かなところから自分にとって余分なものを全て捨て去ったからだ。最初から貧しければあの生活は築けない。スナックのママが言うように彼はインテリなのだ。教養のある人間の魅力を見せてもらった気がする。普段の彼ではなく寝る前に読書する彼こそが真の姿なんだろう。あやかりたいがとても無理だな。
[インターネット(邦画)] 10点(2025-04-30 02:02:48)★《新規》★
3.  侍タイムスリッパー 《ネタバレ》 
 まあ、よろしいんじゃないですかね。幕末の武士が現在に出現してそこで暮らしを営み始める。出現時の違和感や時代劇の切られ役として生活を始めるあたりがくどくなく、だが印象的に描かれていていい感じです。主役の山口馬木也さんが幕末の武士を好演してます。ただ、相手役の風見恭一郎さんですか、なんか途中で役者変わってませんか。まあ、許します。   しかし、真剣勝負と殺陣の立ち回りの違いがほとんどないのは残念でした。真剣勝負だったらあんなに打ち合わないと思います。打ち合えば刀も痛みますし、万が一受けそびれば死ぬわけですから。ここのメリハリもっと欲しかった。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-04-29 08:49:10)《新規》
4.  私にふさわしいホテル 《ネタバレ》 
のんはいいね。美人と言えばそうでもないし、スタイルが良いと言えばそうかもしれないし、かわいい風貌のようでそうでもない。色気があるやらないやら。そして、レースの靴下がよく似合います。とにかくつかみどころがない非凡な外見をしている。それゆえ観ていてあきない。観察したい気持ちが抑えられない。得難いと思います。   芝居もいいね。次に何をするかわからない意外性に満ちている。歌も下手そうだけど意外にいける。「夜霧よ今夜もありがとう」は出色の出来かも。よくわからんが。   遠藤の田中圭はいいね。滝藤は威厳に欠けるからどうかと思いましたが逆にそれがよかったです。相変わらず面白い人だ。田中みな美が色っぽい役で困る。フジテレビスキャンダルの再現ドラマは勘弁だ。興奮してしまうから。   だけど、書店の大物万引き犯を捕まえたり、カリスマ書店員のポップが付いたぐらいで文学賞をもらえるとはあまりに一般読者を愚弄してないか?まあ、小説家にもビジュアルが求められる所には同意しますけど。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-04-23 00:07:37)
5.  碁盤斬り
 タイトルがネタバレという希少な例。一番緊迫するところでタイトルを思い出して結末が解ると。しかし、それでも緊張感が半端ない。ならば別のタイトルのほうがいいかというとそれではあの結末がご都合主義になってしまうという二律背反。元の題材が古典落語にあるそうで、それならなるほど。長い時間タイトルも考えられてきて繰り返し語られても耐えられる物語になっているわけですね。   役者の気迫が画面を通してビリビリ伝わってきて凄い作品だ。しかし、原作が落語であるためか所々辻褄が合わない感じがする。特に左門。殿から上意討ちの使命を帯びているのだから格之進よりも前面に出て兵庫と対決するべき立場ではないのか。それが何やら助太刀の雰囲気。斎藤工は芝居としては文句ないのだか、顔の肉付きが良すぎて殺伐とした感じに乏しい。中川大志さんのやった弥吉役は難しいよね。大失敗してヘラヘラと嫌われた娘と祝言を上げるのなんかは観ていて胸糞が悪かった。まあ、しかし、ここは様々な物語があった後の事で映画では割愛されたと承知するべきでしょう。だが、理想を言えば無言でそれを表現する芝居が求められていたわけだ。しかし、そこまでは無理だったと私も思いますよ。でも監督は尺は取ってあったようでした。蛇足になってしまいましたが。   勧善懲悪になっていないところが今風でよろしいです。多分原作の落語にはなかったと思います。想像だけどw。この監督さんに注目して作品見ていくことにします。まあ、いい時代になりました。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-04-22 10:03:00)
6.  八犬伝 《ネタバレ》 
 大変面白い映画でありました。とにかく役所広司と内野聖陽のやり取りがすごい。鶴屋南北との問答もよかった。南北は立川談春さんなのでここのクレジットにも載せてほしいです。黒木華の立ち振る舞いとそれを受ける役所の無言の反応、泣かせます。大貫勇輔演じる渡辺崋山もいい。この人ちょっとコミカルな感じのミュージカル系の人だったんですね。全然違う若く身分の高い武士の感じがよく出ていてすごかった。   絶賛の「実」部分に比べて評価の分かれる「虚」の部分ですが慣れてしまえば結構いけます。というか逆に物語として敢えて嘘っぽく作ったと思われます。肉体派の八犬士は顔にCGの体を張り付けている感、全開ですが積極的に許せます。ただ、これは後半になって物語に慣れた後の話で最初は違和感半端ないです。特に最悪なのが八房でここは本当の犬らしくお金をかけて欲しかったです。普通の人はこちらをメインだと思って見始めますからここのクオリティが映画全体のクオリティと考えるわけです。この辺の「だまし」をどうとらえるかで映画に対する評価が変わってくると思います。その点で言えば編集が失敗という珍しいケースの映画ともいえるかもです。
[インターネット(邦画)] 8点(2025-04-22 09:17:46)
7.  ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
 実によく練られた作品で文句のつけようがない。パイレーツオブカリビアンと肩を並べる。全てのシーンがすばらしいが特にいいのが手下の数の多さ。しかも、それぞれが意思をもって動いている。これがなかなかできない。  あと、クッパのキャラ設定。恐怖の大王なのだがピーチに恋しているあたりがギャップで憎めない存在になっている。歌が好きだが微妙に下手なあたりがジャイアンのようだ。これを受けるピーチ姫も色気がないようでいて時として魅力的に見える。この辺が絶妙。  外国映画のように見えるが脚本は日本人だと思う。日本語吹き替えで観ることをお勧めする。断然その方が面白い。
[インターネット(吹替)] 10点(2025-03-24 23:06:24)
8.  首(2023) 《ネタバレ》 
 悪趣味だという批評があったがそこを狙って作っているから。男色と首切りと殺し合いは戦国の常なんでしょう。そこクローズアップしているのはさすがだとは思いますが、どうにもやりすぎ感が強い。光秀と村重のラブシーンとかそれはそれで面白いか。見たくなかったが。村重一族の処刑シーンで首を切られると背が反る表現がありリアリティを感じたが実際はどんなもんななのか。見た人間はいるのだろうか。想像ができない。ああ、戦争に行った人なら見たことあるかも。 首の重さが少し軽いように扱われた感じがするがそれもどんなものだろうか。  残虐なシーンを作ればそれが真実だと見えてしまうが、武作品のトップは手下をいじめすぎで自分で組織を壊している。実際じゃ、ありえない。自分としては手下を殺すにももう少し作品の中で必然性を見せてほしいかな。ただ、影武者が次々殺されるとか甲賀の里が襲撃されるとかは説得力があってよかったな。
[インターネット(邦画)] 6点(2025-03-24 22:52:54)
9.  GODZILLA 星を喰う者 《ネタバレ》 
決して倒すことができないゴジラを倒す物語。って前提自体が煮詰まりすぎていてそれでもここまでストーリーを作って来たには感心します。しかしながら、所詮無理筋ですよね。更にその上に究極の存在としてギドラを登場させたりして。だがしかし、異星人の気が付けとばかりの変な色の目玉を壊すと簡単にギドラは滅んだりします。  文明が成熟するとそれを破壊する怪獣が必ず出現、そしてそれを更に捕食する高次元の存在が登場するという世界観の中で人の存在の何たるかを問うという物語を作りたい。その気持ちは分かりました。そのための三部作。よく完成まで持ってきましたが、完成自体が目標で観る人は二の次になったのではと感じました。だって、観客は当然ゴジラと戦うメカゴジラやモスラを観たいわけです。それが出てこないのはどう考えても予算と制作時間がなかったからでしょう。メカゴジラはガスタンクとなりモスラは動かないシルエットで登場です。詳しくは知りませんがこれをまともに登場させるとなるとキャラクターデザインとかどう動かし戦わせるのかとか大変な手間と時間が追加されるわけでそこを避けたと。  クレジットが一通り終わった後になんか火を焚いた儀式が行われ何やら続編への布石のような雰囲気ですがなんか全然意味不明で、何の感情も湧きませんでした。
[インターネット(邦画)] 3点(2025-03-24 22:22:24)
10.  GODZILLA 決戦機動増殖都市 《ネタバレ》 
 メカゴジラの名前にそれなりのロマンを感じる世代があるのだろうな。自分は爺さんだからメカゴジラというとメカニコングのパクリにしか思えなくてあまり好きだはなかったりする。  なんかよくわからないが自動で動くナノメタルとかでできている対ゴジラ決戦兵器メカゴジラが20年前起動しないとかどうしてありうるのだろう。これが起動していれば人類の宇宙退避は必要なかった訳だから。ああそうか、ギドラを崇拝する連中の陰謀だったのか。 それにしても、アニメーションでメカゴジラの姿を見たかったな。それがあれば本作ももっと盛り上がったに違いないのに残念じゃ。  第一作ではよく分からなかった異星人の必要性が見えてきた。即物的、合理的な連中と神秘的、献身的な二種類の連中の中間に地球人をおいてその二つの方向性の得失を提示したいわけだ。なるほど。で、この作品で合理的な連中は否定される。では、我々の進む道はどこにあるのか。それは、次作に委ねられますか?
[インターネット(邦画)] 3点(2025-03-23 11:36:28)(良:1票)
11.  GODZILLA 怪獣惑星 《ネタバレ》 
 全く知られていない作品でどんなものか興味があったのでネトフリに加入、拝見しました。  以外に秀逸なアニメーションに驚きましたが、登場人物間の会話が全然おかしい。脚本が悪いのか、声優への演技指導がおかしいのかそれとも両方なのか分かりませんが、登場人物が薄っぺらく感じて観ていてシラケます。主人公は英雄に例えられたりしますが、内気で声に覇気がなく、違和感がはなはだしい。そう、人物が描けていないとても劇場公開作品とは思えません。  最近はアニメの怪獣物が増えてますが合性がいいですね。巨大な怪獣に機敏な動きをさせたり派手な格闘戦もさせられます。登場兵器も色々な表現ができ素晴らしいです。この作品がその流れの嚆矢でしょうか。  シン・ゴジラの流れ(無敵な怪獣ゴジラ)を未来に展張するとこんな感じの作品が出来てしまうのは理解できますが、あまりにも暗いですね。どんなものにも弱点があるはずだ、なんてのんきで根拠のない原則をいつまで振りかざすのでしょうか。防御バリアに途切れる瞬間があるとかどう考えても無理やり作った弱点じゃないでしょうか。絶対倒せない敵を倒す作戦とか論理的に無理ですよね。そこまでしてアプレオリに倒せない敵であることを設定する必要はなかったようにも思えます。  まあ、なんにせよ閉塞感が漂いすぎる作品ですので純粋にアニメーションとして楽しむのがよろしいと思われます。
[インターネット(邦画)] 4点(2025-03-23 11:13:28)
12.  天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 
 ある日気が付いたんです。ナウシカは数えきれないほど観ているのにラピュタは一回しか見てないなってね。そこに、テレビの放映があったので改めて観てみました。    さすがですよね。最初、襲ってくる連中が実は最高の仲間だとかすごい展開です。途中出てくる壊れかけのロボットが単体でもすごい力を見せつける。それが後半のクライマックスでは敵方として数えきれないほど登場する。この物語の構成がすごいです。  それでも少し嫌だったのがパズーとシータの恋愛だか何だか分からないながらのくっつき加減がどうもね。高所での追跡劇で足場がどんどん崩壊してゆくのはすでにお決まりのシーンだと冷めた目で観ていました。   ですので、最高傑作とはしません。しかし群を抜いた作品であることに異論はありませんので9点です。
[地上波(邦画)] 9点(2024-09-29 21:16:30)
13.  容疑者Xの献身 《ネタバレ》 
 二回視聴。最初観た時非常に面白かった印象があったので再度見直してみました。話の筋自体は何となく覚えていたので演技とか小道具とか細部にも注意を向けることができました。   宮崎駿さんが言うのには、特異なキャラが登場するのがエンターテイメント(トトロみたいなやつ)、誰にでも起きうる物語を文学作品(例として火垂るの墓)と分類できるそうな。すると、この作品はエンターテイメント的な犯罪捜査と文学的な犯人、犯罪で構成されていると思われます。そのことをよく理解した演技の役者陣はさすがというか、このメンバーのレベルなら当たり前になりますか。  ただ、見ている間ずっと疑問だったのが、このトリックが意味があるのは本物の死体が発見されない場合だけなのに、死体が発見されなければ偽装工作としての殺人も必要がないわけです。つまり、偽装工作の殺人にはまったく意味がなく、推理小説の素材としての意味しかないわけです。これをどう考えるのか。リアリティがないと否定するのか、想定外で面白かったと肯定するのか。  まあ、こんな原作の在り方もあると見聞が広がった感じで私は嫌いじゃございません。
[地上波(邦画)] 8点(2024-05-09 11:59:38)
14.  志乃ちゃんは自分の名前が言えない 《ネタバレ》 
 青春物の盛り上がりを期待してみたけど肩透かし。あの結末は映画としてはない。でも、それで仕方ない、それしかあり得ないだろうって必然性は感じる。グダグダだけど救いはある。   それでも、音痴なのにミュージシャン志望ってキャラ設定はありえないと思う。よく演技したよ。しかも、音痴なのに分かるように最後歌唱するとか演者にしたら拷問だろ。ちゃんと説得力のある芝居で感心しました。志乃ちゃんも熱演でタンバリンも良い演技だった。でもなんか無理があったかな。タンバリンがイケメンすぎるのかな。女子がかわいいのはよろしい。   難しい原作を頑張って映画にしたとは思いますが、難しい作品になってしまったかな。でもあの年齢特有の生き辛さはよく出ていて良かった。
[インターネット(邦画)] 4点(2024-04-29 23:49:37)
15.  カールじいさんの空飛ぶ家
還暦過ぎました。そんな私はカール爺さんにとっぷり感情移入します。もう、素晴らしい作品で10点以外考えられません。つまり、この作品は子供向けではなく、お爺さんたち向けってことなんです。若くぴちぴちしたヒロインなんて必要ありません。愛おしいマーサがかすんでしまうじゃありませんか。マーサとの思い出とともにこれからの人生を過ごそうとしていた老人を襲う奇想天外な物語。それで良いんです。それで充分なんです。冒険家が年を取っていないなんて無粋なことを言ってはいけないのです。よろしくお願いします。
[CS・衛星(吹替)] 10点(2023-08-14 23:15:07)
16.  アドレナリンドライブ
 この時代の作品ってちょっと面白いんです。バブルが崩壊した後の方向を失った感じが好きです。冒頭のシーンからああ、こんな時代だったなって全開ですね。隣の店長がいかにもでありえないけどありそうな感じの芝居がさすがだな。石田ひかりすごいスタイル良くてドキドキしました。でもなんかお肌がイマイチなんですよね。この時代は人と人が仲がいいと気持ち悪いみたいな雰囲気がありました。個性重視と競争主義、悪しき個人主義が蔓延してましたね。初めてパヒューム見たときに「私たち仲良しなんだよねー。」とかすごくビビックリしたのを思い出します。  松重さんのタフさは立派ですが、追跡物はあまり考えないで偶然に見つけてしまうとかあっても面白いですよ。逆にテレビで放送される方がありえない感じを受けました。最後の落ちもちょっとありえないと思いますが、まあ、これ以上この作品観てもなんともならないので幕引きとしては仕方ないのかも。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-08-09 21:29:22)
17.  幸せへのまわり道(2019) 《ネタバレ》 
 自分は少し興味があってカウンセリングを学んだんだが、ロジャース(カウンセリングの分野にも神様扱いのロジャースさんがいますが、別人。)さんが記者に対する態度、姿勢が見事に理想的な来談者中心話法になっていて非常に参考になりました。どんな事があっても相手を否定しないその姿勢には感心します。この姿勢があったので記者も最後には心を開きますが、自分としては一切否定しないこのやり方は成人相手限定で、子供に適用すると副作用が大きいと思います。成人なら一応の社会規範を習得していますが、いまだ習得していない子供に全肯定的な態度で接すると社会規範を習得できなくなると考えるからです。  さて、キリスト教的文化圏での人格者は自己の感情を上手くコントロールすることが必要のようです。トムさん演じるロジャース氏は時々優しい笑顔の裏側に感情が見え隠れします。そう演じているんでしょう。最後にピアノの低音部を叩いたりしますから。しかし、仏教的な人格者は多分、そんな感情をコントロールしないでしょうね。「心のままに振舞えどその則を超えず」心自体を修行によって変えることが求められると思います。   ということで、なんかちょっとこのロジャースさんは好きではありませんが、こんな人がヒーローになるというアメリカ社会の現状というものが面白いです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-07-30 23:50:57)
18.  君たちはどう生きるか(2023) 《ネタバレ》 
 タイトルからして人はその人生を主体的に生きることが前提になっているのが分かります。主人公は母親のいる病院の火事(1940年なので空襲ではない)で周囲の止めるのを振り切り現場に駆け付けますが、救うことが出来ませんでした。即ち子供的万能な主体性は傷つきますが、二年後、疎開した際、美しく若い新しい母親(夏子)に出会い、魅かれながらも彼女を性的対象にすることを許されず、決定的に無気力になってゆきます。しかし、彼の行き場を失った自我は喧嘩の傷を自傷の形で追加します。これは多分復讐と呼んでも良いでしょう。或いは主体的に生きることが出来なかった負の紋章とも考えられます。もしかしたら、この辺り革命を叫びながらも社会を変えられず鬱屈していった団塊の世代の思いの表現かも知れません。   ですが、その後新しい母親が異世界に誘い込まれるのを目の当たりにして性的な部分でないところでの関係性が構築できると考えた主人公は彼女を救う冒険に旅立ちます。様々な困難を乗り越えて夏子に会うことが出来ますが、これを可能にし成功を保証するのがアオサギ男です。異世界のガイドですね。冒険の途中、火を使う少女と出会いますが、彼女こそが実の母親、久子の若き日の姿でした。ですが、この辺りちょっとボーイズミーツガール的な雰囲気で微妙な感じです。作品の最後に別の時間帯に続く扉を開けて異世界を後にする二人ですが、久子は主人公を明確に自分の子供と認識しています。   さて、ここからがよく分からない所ですが、その久子はどうして入院していたのでしょうか。作中の若い久子に見ているとその後何があっても健康を害するようには見えません。それに火を使う能力を持った彼女が火事で死んでしまうようなことがありうるでしょうか。実は、主人公が継承することを放棄した世界の制御を彼女が行うことになったのではないかと思いました。でも、そのために病院を燃やすほどのイベントが必要なのかなとも思います。神隠しで充分だろうと。   あと面白いと思ったのが、食べられてしまうという危険です。ユーチューブで、獲物を狙い待ち伏せするチーターが後ろから来たライオンに捕食されるシーンを見ました。生きることは死を前提にして初めて意識されます。病気でも事故でもない、捕食される事が最も唐突な死です。食べられる可能性を示すことで生きることの意味を更に強く表現しようとしたと思われます。実際、主人公が吊るされていた調理場には人間のものと思われるしゃれこうべなんかも落ちていたような。   後、鳥についてもコメント。アオサギってペリカンの一種らしいですが、彼らはすごく脳みそが軽いらしい。食うしか考えてないのね。その点、インコは賢いらしい。鳥類ではカラスと双璧をなすくらい。鳥って恐竜の直属の子孫ですから本来強力だし、かっこも良いんです。最後の最後にインコの王様とか結構いいキャラ出してきて宮崎さんの底知れぬ創造力を感じました。   なんか、色々訳の分からんことを描きましたが、あの宮崎監督の新作を観られた事がうれしい。そして、人々のその時々に見せる表情や歩く時の膝の角度とか土のへこみ方とかそんな細部の拘りがこの年でようやく分かるようになり見入ってしまいました。彼の作品のすごいところは登場人物の多さ、そして、その沢山の命にいちいち来歴が感じられること。昨今はアニメ映画全盛の感ですが、やはり少しばかり格の違いを感じました。
[映画館(邦画)] 9点(2023-07-23 23:33:09)(良:1票)
19.  パディントン 《ネタバレ》 
 イギリス人って機関車トーマスといい、こいつといい変な主人公で物語を作るよね。人間じゃないのに人間並みに描かれる。ディズニーのキャラクターと違って異物なのに人間みたいに描かれるのがなんとも不思議だ。大体、ペルーの熊って何かね。南米には既知の熊っていないからそこの選択ですかね。   イギリスまで密航してくるんだけどその間は隠れている。それが、着いて駅に行くともう普通に立って道行く人に話しかけたりする。でも、無視されちゃう。熊に礼儀正しく話しかけられて無視する?自分ならどうだろ。わからん。兎に角、返事をしてくれた家族と物語が始まるわけだ。この一家がまた面白い。特に父親。バイクにまたがって産院に駆け付けるところ、掃除婦に扮して進入するところ何回も見直してしまった。   そして、キッドマン。いいキャラクターだなあ。彼女は彼女なりの必然を抱えて物語に関わってくる。もうこの必然が絶妙。   熊のCGが嫌で見ないならもったいない。本当に上質な作品だと思います。
[地上波(字幕)] 8点(2023-05-06 15:21:31)
20.  キングコング対ゴジラ 《ネタバレ》 
面白いです。その割にテレビで放映されなかったのはやっぱり「土人」てのがまずかったせいでしょうか。この土人はみんなあの伝説の大部屋の役者さんたちだと思いますが、踊りも演技も器量も粒ぞろいです。素晴らしいですね。出てくる女優が皆、綺麗でびっくりです。あとね、有島さんですね。すごく面白い芝居しますよね。今あんな人いませんね。   怪獣物が致命的に抱える問題点は格闘が出来ないことにあるとどこかで聞きました。だから、岩投げてごまかしてるんだと。それでも、この作品では頑張って格闘らしいことをしていました。重い着ぐるみ着て涙が出るほど頑張ってます。それでも、それを承知で冗長だと思ってしまう自分がいます。   モスラの時は怪獣興行が馬鹿な山師の仕業でもなんか納得できましたが、コングのスポンサーを気取る製薬会社の宣伝部長には違和感ありすぎでした。コングなんてあんな危険な生物、勝手に持ち込みして迷惑かけて大きな顔しているのは、まあ、納得は出来ないですよね。でも、民間企業の無謀な企画が巨大な災厄を齎すという話はジュラッシク・パークとかバイオ・ハザードなんかでもあるように定番化しますよね。
[地上波(邦画)] 8点(2023-05-06 14:54:17)
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