1. 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
この映画、すごく評判良いと思いますが、全く面白く感じませんでした。どこかで見たものをつなぎ合わせただけなのと脈絡なく表現されたアクションシーンで構成されていたようにしか思えません。 自分が長く生きすぎただけかな。新鮮味を感じられなかった。初めてこのテイストを知った人は感動するのかなあって感じ。 [インターネット(邦画)] 2点(2025-06-04 08:35:17) |
2. すばらしき世界
ネタバレ 「PERFECT DAYS」を見た後での鑑賞です。結構対になったような作品で役所広司が多情な男と無口な男を演じています。彼の演技はさすがの一言ですが、出来は正反対です。作品の意図を主張するのか、なるべく隠して制作するのか、そこの違いかなと思われます。 服役から出てきた人物にそこまで積極的に係わろうとする人は少ないでしょう。例えスーパーで万引きされても少額なら触らぬ神に祟りなしと決め込むのが普通でしょう。いい加減な事実認定で犯人扱いするなど最悪です。テレビ制作者がスマホ越しに説教するなんてのもあり得ない。彼らと対決するのは実力行使を受ける可能性もあって危険だと認識されているはずです。多分、娑婆の人間関係を作ることが社会復帰の最初の関門でしょうに自然と生まれる的な解決で問題提議としてはスルーです。 主人公は短気ですが、律儀でルックスも良く、話題も豊富です。でも、実際はどうでしょう。そんな人ばかりではないはず。つまり環境も主体も説得力のない設定で何の主張をされても心に響きません。長澤まさみは喧嘩を止めるか、撮影をするのか、と叫びますが、この作品は風の音を喧嘩と誤認しています。九州の兄弟分のパートは良かったです。子分連中が良かったです。それでもあれだけ入れ墨背負ってあんな浴場に入れないでしょう。傷はCGでそこを見せたいのでしょうか。まあ、もうこだわる元気もありません。最後のシーンの大泣きもいい芝居ですが共感できません。予定調和の悲劇でしかないです。まあ、監督は責任者ですから責めを受ける立場でご愁傷さまです。 [インターネット(邦画)] 3点(2025-04-30 09:54:47) |
3. PERFECT DAYS
ネタバレ 竹ぼうきの音で目覚める主人公、時計が部屋になく時間の確認はしない。布団をたたむ。少し見せるすり足、あるいは武道経験者か、畳み方のリズムに服役経験の可能性を見る。シーツを使ってないので、所作がより美しく見える。階段を下り、歯を磨く。歯磨きの蓋を締める。この所作がカッコいい。さすがだ。霧吹きを持って動作をテストして二階に上がる。このテストに意味があるのかはわからない。小さな苗木が並んでいてそれに手を添えて霧吹きをする。手を添えるのにも意味があるのか分からないが、好感が持てる所作だ。髭も整えるがこれはいまいち面白くない。逆に言えばそれ以外の所作が面白く思えるわけだ。作品に引き込まれる。おそるべし役所広司。これらの動作には忠実な物音が伴う。この音が所作を際立たせ意味深いものにしている。自分もこれをまねて音を意識して日常生活を送ってみるとあら不思議、動作が意識的になり無駄が無くなるような気分した。 さて、その後作業着を着て玄関手前にある小物を持ち家を出るが、その際腕時計は持たない。それでも一瞬、間があるのはさすがにここで時間をチェックするからか。家を出ると玄関灯はついたまま。玄関のカギはかけない。後のシーンで姪が訪ねて来た時、カギを要求されるのでここは辻褄が合わない。缶コーヒーを買って車に乗り込み車内で開けて少し飲む。これは朝食の代わりなのか。車はメタリックブルーのダイハツのバン。のちのシーンで36000キロほどの走行距離とわかる。外装にほぼ汚れなし。カセットテープを選んで聞きだすので時代背景を考えるが特段の過去の時代設定ではない。選曲の趣味から言ってかなりコアなファン。のちのテープの買取店でのシーンで販売されているテープを懐かし気にチェックしているからもしかしたらこれを輸入する業務でも行っていたか。 車は走り出すがライトを点灯させている。周囲はそこそこ明るいが夜明け前だからか。次のシーンはトイレ掃除の現場になるが、周囲に通勤・通学の人々が。するとそれなりに時間は経過しているはず。ならば一回出社しているのか。しかし、次の清掃現場に同僚が遅刻して登場するのであるいは現場直行かも。あるいは終業時間を早めるために始業時間前に一現場、二現場、作業を終わらせているかもしれない。それとも、そこまで作品の時間経過を考えていない撮影・編集なのか。多分こっちだろう。 明確な説明が全くないため作品から人物設定を想像しながら観ることになる。少しの情報も見落とせない。この緊張感で作品に引き込まれるのだろう。2時間があっという間だ。ドキュメンタリーのように時間列で映像を展開させているように見せかけて実は主人公の人物を際立たせるように作品は作られている。つまり盆栽だ。多分、冒頭で戸にカギをかけないのはかがまないととカギをかけられないから。胸を張っている主人公の生き方の表現にふさわしくないと考えたからだろう。人は過去を背負って生きているが、普通、他人はそれを知る機会がほとんどない。その人の生活から推し量るだけだ。その意味でこの監督のアプローチは非常にリアリティがある。 非常によくできた作品、非常に素晴らしい演技だと思うが、疑問もないわけでない。カセットを売りに下北沢に行った帰りどうもガス欠したらしいが、小銭しかなく改めてカセットを売りに戻ったような感じだが、結構、距離を走っているので歩いていくことはできないだろう。かなり無理なエピソードだ。それともこれはもっと別に解釈すべき所なのか。ただ、主人公の完全なる日々に描かれる食事は昼食のサンドイッチだけなのにここだけカップラーメンを食べる。それを入れたかったのか。しかし、役所はカップラーメンの臭いをかぐとかすごい事をする。地下街の店での食事は撮影されない。何を食べたのか。店の看板は浅草焼きそばだが食べ終わった食器に茶碗がある。つまみを一口食べるが飲んでいるのは酎ハイだろうが水にしか見えない。役所としたところがどうしたことか。監督の指示か?ただ、彼も台本にセリフがないと何も言わないのか、無理やり黙っているようなシーンが結構ある。多分、あんなにニコニコした人は無口な人とは言わないだろう。 さて、主人公の生活が美しいのは豊かなところから自分にとって余分なものを全て捨て去ったからだ。最初から貧しければあの生活は築けない。スナックのママが言うように彼はインテリなのだ。教養のある人間の魅力を見せてもらった気がする。普段の彼ではなく寝る前に読書する彼こそが真の姿なんだろう。あやかりたいがとても無理だな。 [インターネット(邦画)] 10点(2025-04-30 02:02:48) |
4. 侍タイムスリッパー
ネタバレ まあ、よろしいんじゃないですかね。幕末の武士が現在に出現してそこで暮らしを営み始める。出現時の違和感や時代劇の切られ役として生活を始めるあたりがくどくなく、だが印象的に描かれていていい感じです。主役の山口馬木也さんが幕末の武士を好演してます。ただ、相手役の風見恭一郎さんですか、なんか途中で役者変わってませんか。まあ、許します。 しかし、真剣勝負と殺陣の立ち回りの違いがほとんどないのは残念でした。真剣勝負だったらあんなに打ち合わないと思います。打ち合えば刀も痛みますし、万が一受けそびれば死ぬわけですから。ここのメリハリもっと欲しかった。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-04-29 08:49:10)(良:1票) |
5. 私にふさわしいホテル
ネタバレ のんはいいね。美人と言えばそうでもないし、スタイルが良いと言えばそうかもしれないし、かわいい風貌のようでそうでもない。色気があるやらないやら。そして、レースの靴下がよく似合います。とにかくつかみどころがない非凡な外見をしている。それゆえ観ていてあきない。観察したい気持ちが抑えられない。得難いと思います。 芝居もいいね。次に何をするかわからない意外性に満ちている。歌も下手そうだけど意外にいける。「夜霧よ今夜もありがとう」は出色の出来かも。よくわからんが。 遠藤の田中圭はいいね。滝藤は威厳に欠けるからどうかと思いましたが逆にそれがよかったです。相変わらず面白い人だ。田中みな美が色っぽい役で困る。フジテレビスキャンダルの再現ドラマは勘弁だ。興奮してしまうから。 だけど、書店の大物万引き犯を捕まえたり、カリスマ書店員のポップが付いたぐらいで文学賞をもらえるとはあまりに一般読者を愚弄してないか?まあ、小説家にもビジュアルが求められる所には同意しますけど。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-04-23 00:07:37) |
6. 碁盤斬り
タイトルがネタバレという希少な例。一番緊迫するところでタイトルを思い出して結末が解ると。しかし、それでも緊張感が半端ない。ならば別のタイトルのほうがいいかというとそれではあの結末がご都合主義になってしまうという二律背反。元の題材が古典落語にあるそうで、それならなるほど。長い時間タイトルも考えられてきて繰り返し語られても耐えられる物語になっているわけですね。 役者の気迫が画面を通してビリビリ伝わってきて凄い作品だ。しかし、原作が落語であるためか所々辻褄が合わない感じがする。特に左門。殿から上意討ちの使命を帯びているのだから格之進よりも前面に出て兵庫と対決するべき立場ではないのか。それが何やら助太刀の雰囲気。斎藤工は芝居としては文句ないのだか、顔の肉付きが良すぎて殺伐とした感じに乏しい。中川大志さんのやった弥吉役は難しいよね。大失敗してヘラヘラと嫌われた娘と祝言を上げるのなんかは観ていて胸糞が悪かった。まあ、しかし、ここは様々な物語があった後の事で映画では割愛されたと承知するべきでしょう。だが、理想を言えば無言でそれを表現する芝居が求められていたわけだ。しかし、そこまでは無理だったと私も思いますよ。でも監督は尺は取ってあったようでした。蛇足になってしまいましたが。 勧善懲悪になっていないところが今風でよろしいです。多分原作の落語にはなかったと思います。想像だけどw。この監督さんに注目して作品見ていくことにします。まあ、いい時代になりました。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-04-22 10:03:00) |
7. 八犬伝
ネタバレ 大変面白い映画でありました。とにかく役所広司と内野聖陽のやり取りがすごい。鶴屋南北との問答もよかった。南北は立川談春さんなのでここのクレジットにも載せてほしいです。黒木華の立ち振る舞いとそれを受ける役所の無言の反応、泣かせます。大貫勇輔演じる渡辺崋山もいい。この人ちょっとコミカルな感じのミュージカル系の人だったんですね。全然違う若く身分の高い武士の感じがよく出ていてすごかった。 絶賛の「実」部分に比べて評価の分かれる「虚」の部分ですが慣れてしまえば結構いけます。というか逆に物語として敢えて嘘っぽく作ったと思われます。肉体派の八犬士は顔にCGの体を張り付けている感、全開ですが積極的に許せます。ただ、これは後半になって物語に慣れた後の話で最初は違和感半端ないです。特に最悪なのが八房でここは本当の犬らしくお金をかけて欲しかったです。普通の人はこちらをメインだと思って見始めますからここのクオリティが映画全体のクオリティと考えるわけです。この辺の「だまし」をどうとらえるかで映画に対する評価が変わってくると思います。その点で言えば編集が失敗という珍しいケースの映画ともいえるかもです。 [インターネット(邦画)] 8点(2025-04-22 09:17:46) |
8. ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
実によく練られた作品で文句のつけようがない。パイレーツオブカリビアンと肩を並べる。全てのシーンがすばらしいが特にいいのが手下の数の多さ。しかも、それぞれが意思をもって動いている。これがなかなかできない。 あと、クッパのキャラ設定。恐怖の大王なのだがピーチに恋しているあたりがギャップで憎めない存在になっている。歌が好きだが微妙に下手なあたりがジャイアンのようだ。これを受けるピーチ姫も色気がないようでいて時として魅力的に見える。この辺が絶妙。 外国映画のように見えるが脚本は日本人だと思う。日本語吹き替えで観ることをお勧めする。断然その方が面白い。 [インターネット(吹替)] 10点(2025-03-24 23:06:24) |
9. 首(2023)
ネタバレ 悪趣味だという批評があったがそこを狙って作っているから。男色と首切りと殺し合いは戦国の常なんでしょう。そこクローズアップしているのはさすがだとは思いますが、どうにもやりすぎ感が強い。光秀と村重のラブシーンとかそれはそれで面白いか。見たくなかったが。村重一族の処刑シーンで首を切られると背が反る表現がありリアリティを感じたが実際はどんなもんななのか。見た人間はいるのだろうか。想像ができない。ああ、戦争に行った人なら見たことあるかも。 首の重さが少し軽いように扱われた感じがするがそれもどんなものだろうか。 残虐なシーンを作ればそれが真実だと見えてしまうが、武作品のトップは手下をいじめすぎで自分で組織を壊している。実際じゃ、ありえない。自分としては手下を殺すにももう少し作品の中で必然性を見せてほしいかな。ただ、影武者が次々殺されるとか甲賀の里が襲撃されるとかは説得力があってよかったな。 [インターネット(邦画)] 6点(2025-03-24 22:52:54) |
10. 君たちはどう生きるか(2023)
ネタバレ タイトルからして人はその人生を主体的に生きることが前提になっているのが分かります。主人公は母親のいる病院の火事(1940年なので空襲ではない)で周囲の止めるのを振り切り現場に駆け付けますが、救うことが出来ませんでした。即ち子供的万能な主体性は傷つきますが、二年後、疎開した際、美しく若い新しい母親(夏子)に出会い、魅かれながらも彼女を性的対象にすることを許されず、決定的に無気力になってゆきます。しかし、彼の行き場を失った自我は喧嘩の傷を自傷の形で追加します。これは多分復讐と呼んでも良いでしょう。或いは主体的に生きることが出来なかった負の紋章とも考えられます。もしかしたら、この辺り革命を叫びながらも社会を変えられず鬱屈していった団塊の世代の思いの表現かも知れません。 ですが、その後新しい母親が異世界に誘い込まれるのを目の当たりにして性的な部分でないところでの関係性が構築できると考えた主人公は彼女を救う冒険に旅立ちます。様々な困難を乗り越えて夏子に会うことが出来ますが、これを可能にし成功を保証するのがアオサギ男です。異世界のガイドですね。冒険の途中、火を使う少女と出会いますが、彼女こそが実の母親、久子の若き日の姿でした。ですが、この辺りちょっとボーイズミーツガール的な雰囲気で微妙な感じです。作品の最後に別の時間帯に続く扉を開けて異世界を後にする二人ですが、久子は主人公を明確に自分の子供と認識しています。 さて、ここからがよく分からない所ですが、その久子はどうして入院していたのでしょうか。作中の若い久子に見ているとその後何があっても健康を害するようには見えません。それに火を使う能力を持った彼女が火事で死んでしまうようなことがありうるでしょうか。実は、主人公が継承することを放棄した世界の制御を彼女が行うことになったのではないかと思いました。でも、そのために病院を燃やすほどのイベントが必要なのかなとも思います。神隠しで充分だろうと。 あと面白いと思ったのが、食べられてしまうという危険です。ユーチューブで、獲物を狙い待ち伏せするチーターが後ろから来たライオンに捕食されるシーンを見ました。生きることは死を前提にして初めて意識されます。病気でも事故でもない、捕食される事が最も唐突な死です。食べられる可能性を示すことで生きることの意味を更に強く表現しようとしたと思われます。実際、主人公が吊るされていた調理場には人間のものと思われるしゃれこうべなんかも落ちていたような。 後、鳥についてもコメント。アオサギってペリカンの一種らしいですが、彼らはすごく脳みそが軽いらしい。食うしか考えてないのね。その点、インコは賢いらしい。鳥類ではカラスと双璧をなすくらい。鳥って恐竜の直属の子孫ですから本来強力だし、かっこも良いんです。最後の最後にインコの王様とか結構いいキャラ出してきて宮崎さんの底知れぬ創造力を感じました。 なんか、色々訳の分からんことを描きましたが、あの宮崎監督の新作を観られた事がうれしい。そして、人々のその時々に見せる表情や歩く時の膝の角度とか土のへこみ方とかそんな細部の拘りがこの年でようやく分かるようになり見入ってしまいました。彼の作品のすごいところは登場人物の多さ、そして、その沢山の命にいちいち来歴が感じられること。昨今はアニメ映画全盛の感ですが、やはり少しばかり格の違いを感じました。 [映画館(邦画)] 9点(2023-07-23 23:33:09)(良:1票) |
11. シン・仮面ライダー
ネタバレ 悪くはない。鑑賞後調べたところ漫画版に準拠したストーリーだったようでなるほどな、って感じ。 不満はありますよ。無論ね。サイクロン号から出される排気、ノスタルジックにモクモクしてましたが、今日では性能の悪さを表しているようでやめてほしかった。それともっと大事なのは変身している状態とそうでない状態の違いがなんか曖昧。ここがしっかりしていて、「変身!」ってやるのが自分にとっての仮面ライダーなので頼みます。あと、銃の扱いですね。日本の子供映画では銃と爆発物は殺傷能力がないのが不文律ですからサソリオーグが撃たれて死んじゃうのはそれが特別な銃である必要があります。一応ハチオーグにはそれがありましたのにどうしたのでしょう。群生相の仮面ライダーが発射する機関銃は威力ゼロでこれはお約束通りでした。また、サソリオーグが登場した際ハサミの爪が擦れて実に作り物っぽい音がするんですけど何考えてるのかしら。頭の上で尻尾がうねうねするのは良かったですが。役者はおおむね良かったですけどルリ子さんがちょっとぬるいかな。もっと強い口調でやってほしかったです。 よかったところは最初の戦闘シーンでの強さ表現、ライダーキックの必殺性ですね。例のタカタカターン、タカタカターンの音楽が響き渡るシーンは痺れました。あれが仮面ライダーですよね。一号、二号の関係性も良かった。いろんなところでロケして様々なシーンがありましたが、良かったですよ。 とにかく、タカタカターン、タカタカターンのライダーマーチが頭から離れない。あのシーンを見ただけでもう満足です。ありがとうございました。 追伸:上記投稿の後はドキュメンタリーを見たり、youtube見たりもうどっぷりライダー世界に沼ってます。それで分かりました。ライダーは孤独なんです。そして途轍もない能力を持っていて、一人で戦っていて、そして、二号という友と巡り合うんです。あのコートを着てさすらう存在なんです。それは私の若いころでもありました。孤独で能力があると思い込んでいて何かと戦っていました。何十年も忘れていた感覚を思い出しました。あの若き日。でも、今一言いいたいです。一人で戦ってはいけません。それは自己満足です。本当に戦う価値があるのならば必ず仲間はがいるはずです。もう様々なことが思われて映画として評価できません。私にとっての庵野監督はきっとノスタルジーなんです。 [映画館(邦画)] 7点(2023-04-08 00:27:50)(良:1票) |
12. HOKUSAI
ネタバレ いい役者も出てるし、映像もきれい。しかし、なんかイマイチ。滝沢馬琴始め若手の役者三人が江戸人らしくなくてしらける感じかなあ。花魁役も色気があったとはあまり思えない。なんか残念だね。 でも、良いシーンもたくさんあった。突風に驚く人たちとそれを面白がる北斎のシーンはすごかったな。絵を描くシーンもすごい。この頃って下書きなしに墨と筆で線を描くのをちゃんと映像にしてるのが信じられない。役者って書けちゃうもんなんだろうか、すごいね。 [インターネット(邦画)] 6点(2023-02-23 23:14:30) |
13. 鬼滅の刃 上弦集結、そして刀鍛冶の里へ
これを映画化したのはどんな意図があったのか。いかにも中途半端な感じがする。映画館で観るとはお金を払うのだからそれがいらない環境よりプレミアムな何かが欲しいところだが、なんか、テレビの予告編的な編成だと思う。 10話11話に刀鍛冶の里編1話と書いてある通りなんだ。10話と11話の終わりにはそれぞれのスタッフのクレジットが流れる。こんなの私は初めてでした。1話の終わりのクレジットと映画としてのクレジットは別に流れただったかなあ。 まあ、大きなスクリーンで観れることは良いことですが、音はしょぼかった印象。無限列車みたいなメガヒット狙いというよりあれを何度も劇場で見るようなファン向けと考えた方が納得がいきます。 [映画館(邦画)] 5点(2023-02-13 18:04:31) |
14. いのちの停車場
ネタバレ 知り合いが大絶賛していたので、視聴。マジかよの出来でガッカリ。原作があることが信じられないほどの不出来なストーリー。在宅医療のドラマとは思えない。監修入ってるんですかね。 58歳の官僚が死の床で子供のころ欲しかったプラレール、って言うんだけど原作が2020年の発行でここを基準とすると官僚は1962年生まれ、確かにプラレールの初めての発売は1959年で計算上は合うけど1959年生まれの自分は1992年のきかんしゃトーマスから認知ですごい違和感。確かに調べれば間違いとは言えないけど。あの頃の生まれならNゲージ或いはHOゲージの鉄道模型が普通ですよ。もっと言うと、小児がんの在宅医療ってのはあり得ないと思う。義務教育があって学校に行く必要から多分、院内学級とかある病院に入院すると思うんですけどね。じゃないと勉強遅れて進学できない。親としては普通の生活ができるように最大限頑張りますから。加えて新薬の治験では急性の毒性はチェック済だと思うのでいきなり血を吐いて死んでしまう展開は誤解を生むのではないかと思います。最悪なのが、老人の住むゴミ屋敷を第三者が清掃したいと思っても本人の了解を取るのが難しくて大変なのに、勝手に掃除して感謝される展開は完璧な善意の押し売りの正当化で許せない気分です。 もう、豪華な出演者で皆さん達者な演技でそこはすごいと思うんですけど、その分エピソードへの違和感でそれが残念感に変換されてしまう。あと、個人的に温かい人間関係=家族みたいな描き方に気持ち悪さ全開。 あと、ついでに豆知識。医師の国家試験は何点以上が合格の資格試験ではありません。受験者の上位九割を合格とする選抜試験であります。ついでに言うと当然ですけど優秀な医者になる人ほど成績上位で合格します。そして、そのまた逆も真であります。原作者は医師免許もお持ちのようですが、この作品のエピソードが原作通りなら私は診てもらいたくありません。 [インターネット(邦画)] 2点(2023-01-15 10:11:56) |
15. ドライブ・マイ・カー
ネタバレ 私は素人役者もやっているので、稽古風景がかなり面白かった。本番の舞台を作ってゆくのには様々なやり方がある訳だけどこんなに素読みを繰り返すのはすごいな。感情的にはニュートラルな状態でセリフが入っていれば、舞台でその時起きる感情に則り芝居ができるって理屈かしら。面白いね。 音さんが死ぬまでは濡れ場が多くて参ったけど、それ以後はかなり良かった。淡々と抑えた芝居が多くてしかもそれが説得力があった。サーブの赤い色がとても素敵だった。あと、カセットデッキの作動音、懐かしい。 この映画、結構今日的な大問題を提示してますよ。女性が自立して、自己の責任で人生を歩もうとする時、男性がそうなのと同様に結婚相手以外とも交渉を持ちたくなるでしょ。それを男性がどう受け止めるかってことですよ。男性なら嫁さんが大事でちょっと浮気しましたみたいな感じ。もしかして、男女関わらず結婚相手のそんな行動を離婚しないで受け入れるのがこれからなのかも知れない。そんなメッセージを受けました。この辺りは村上さんらいしですね。子供がいないってのも一つの要件でしょうけど。 ただ、映画化にあたって原作では緑内障が原因でドライバーを雇うのに演劇祭の実行側から強制されるって設定変更は何故。広島を地元にしたかったからかな。わからない。だったら最初の事故のエピソードカットで良いのに。車を大事にしているって設定にも引っかかるし。 [インターネット(邦画)] 9点(2023-01-07 15:40:18) |
16. すずめの戸締まり
ネタバレ 自分的には日本アニメを再発見した「君に名は」を超える傑作。出世作を超える作品、なかなかものにするのは大変と思われますが見事成し遂げてくれました。制作サイドも喜んでいることでしょう。小隕石の落下、異常気象に次いで再び天変地異、地震を取り上げその危機に対処する姿をボーイミーツガールに絡ませる王道展開もばっちりはまっています。更に好みのロードムービーなところも素敵です。唯一気に入らないのは彼氏が異常なまでにイケメンだってことだけですが、まあ、椅子になったりしますので、ざまあ、的にメシウマ感を味わえます。 「天気の子」で最大の失敗だと思ったのは主人公よりルックスが魅力的なサブキャラを出してしまったところですが、今回はそのようなこともなくそれぞれに魅力的ながら主人公を超えない程度のルックスがサブキャラには与えられています。そんな感じでちと主人公が美人すぎるきらいがあり逆に個性を失ってはいますが、全然、よろしいです。 いきなり猫を追ってフェリーに乗ってしまい、運賃はどうするのって心配していた自分でしたが、今時はスマホがあればそれなりの金額は使えるようになっているのですね。なるほどって感じ。でもなあ、若い女の子がヒッチハイクで移動するって事をおしゃれな冒険的に描くのは少し嫌な感じですね。それで、次の展開につながる出会いになったりするので物語的には必要なんでしょうが。あと、椅子の脚が三本だったことの説明があると思ったんですがそれはありませんでしたがこいつが走り回る姿は傑作であります。 [映画館(邦画)] 9点(2022-11-23 18:09:49) |
17. トップガン マーヴェリック
ネタバレ 映画館で観て心の底から正解だったと思わせる作品。音が全然違う感じがしました。ストーリーは鉄板で分かりやすく誰でも楽しめる感じ。小ネタも面白い。ただ、観終わった後は感じなかったツッコミどころも多いのでいらんことを言います。 あの攻撃目標にF-18であの作戦では訓練中に部隊は事故で全滅でしょう。対空ミサイルを避けるために谷間を飛んで攻撃目標に近づいても爆撃後に撃ちまくられるようでは意味ないですよね。それなら前もって対空ミサイルも攻撃しとかないと。敵の戦闘機が心配なら別途制空任務の戦闘機を待機させるたほうが良いですよね。大体、第五世代戦闘機はステルス性が最大の武器なんですからあんなに簡単にレーダーに映るようなら第五世代なんて言えませんよ。制空権を確保してシン・ゴジラにも登場した大型爆弾バンカーバスターをB-2から投下するのがよろしいんじゃないでしょうか。あの対空ミサイルが見た目はレーダーホーミングなのにフレアで爆発とかどうなのかなとも思いましたが、「いぶき」と違って全然許せるのは何故なんでしょうか。 ただ、どうなんでしょうか。海軍に対するこだわりが少し足らないような気がします。エンジンの不調を調べにヨットに乗って帆の操作知らなかったり、空軍のマスタングいじったり。やはり海軍ならコルセアとかの方がかっこいい気がします。空軍ではなくましてナサでもないのにマッハ10に挑戦しますかね。 あー、文句ばっか言ってるようですが、結構気に入った作品なんですよ。お気になさらず。 [映画館(字幕)] 7点(2022-06-29 00:13:20)(笑:1票) |
18. シン・ウルトラマン
ネタバレ ゴジラ映画が低迷を極めていた時見た「ガメラ」、あの衝撃に匹敵する作品でした。恐怖映画たる「シン・ゴジラ」とは全く異なる空想特撮映画として凛とそびえたっていました。二時間をかけて一匹の怪獣を見せた前作とは違い三十分番組を五つ繋げたような構成がまずウルトラマンの本質をついていました。 作品冒頭にすでに登場した五匹の怪獣を見せたあたりにウルトラQを感じ、怪獣との戦いにウルトラマンを味わい、異星人との絡みにウルトラセブンを思い出しました。CGがリアルじゃない事なんてあの頃の特撮へのオマージュとしか思えませんでした。庵野さんのとがったセンスを樋口監督が見やすくしてくれた感があり非常にナイスです。 さて、ちょっと理屈こねますが、あの頃は「しらけ」とか言って大学紛争で大騒ぎをしたにも関わらず社会を変えることが出来ずにニヒリズム(虚無主義)が問題になってたんです。この映画にもそんなシーンがあります。私個人がニヒリズムを克服するのに有効と思うのがヒロイズムです。ところが、いろんな人のいろんなヒロイズムはぶつかり合ってしまうこともあって難しんです。そんな時はどうするのか?話し合うんです。リピアもメフィスト星人やゾーフィと話してましたよね。話し合いは大事なことです。 ここまで怪獣って書きましたが、禍威獣ですね。結局、この字を当てないと「カトクタイ」って言葉が使えないんですね。まさか今時科学特捜隊なんていくら何でも使えないでしょ。そういう事だと思います。 最後、最後の戦いに赴く神永を見送る浅見はキスしませんでした。するのかなーとドキドキしながら見てましたが、しませんでした。これは、日本映画の心意気だと思いました。日本には日本の伝統と良識がある。その表明だと。ありがとう。うれしかったよ。 [映画館(邦画)] 9点(2022-05-24 01:04:54)(良:4票) |
19. 竜とそばかすの姫
ネタバレ 突っ込めばきりがないかもしれないが、もうあの駅のシーンが物凄くツボに来たのでこの点数。やっぱりあれは田舎だからありなんだよね。いくら純で良いセリフでも東京のラブホテルでやられたんじゃ嫌悪感しかないから。 そうあと、助けるの連呼もまいったね。泣けたよ。だって、彼の言う通りなんだもの。鈴ちゃんは対決したけど、感謝してもらえたけど多分何も解決していないと思う。でも、そこに危機があって対応して解決できた雰囲気は作品的に必要なんだよな。作品的に必要だから入っているシーンにあまり妥当性を感じないものが結構あった。みなさんもいろいろ言っているけど自分はお母さんが川で死ぬところからして疑問だったよ。ライフジャケット付けていれば死なないんじゃないかな。それでも死ぬなら女の子も助からないでしょ。彼女ほどの経験があれば命綱とか持っていかないのかな? でも、まあいい。楽しかった。次の日は心が軽かった。駅のシーンのおかげだ。8点献上。 [映画館(邦画)] 8点(2021-09-20 20:58:48) |
20. 騙し絵の牙
非常に面白かったです。マイナスの一点はタイトル。これは「騙し」じゃないと思うな。普通に色々なことがいろいろな人の思惑で起きているだけで、そこにはそれほどの意図を感じない。だから良いんだ。ずっと伏線入れながらストレスフルに展開して、最後に種明かしみたいな逆転を入れるハリウッド作品には嫌悪感しか感じないから。騙す側の手間暇、綱渡り的なタイミングを考えると非現実すぎるよ。そんなハリウッド的展開を予感させるタイトル失敗だと思う。 出版社内部の主導権争い面白かったし、若手女性編集者の能力表現もさすがだった。変な間の悪いシーンもなくキレキレで退屈しなかったし、セリフも粋な感じだった。みんな芝居上手いし、言う事なし。大泉の曲者ぶりも良かった。筋書きも妥当性が高く自然だったし、地味になっていたロック系の音楽も効果的だった。 もう一回見てもいいと感じさせる快作。 [映画館(邦画)] 9点(2021-05-04 17:26:31)(良:1票) |