ククルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
口コミ数 3

>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ダンサー・イン・ザ・ダーク
この映画を見た人で、セルマの馬鹿さ加減がムカつくと言う人がいる。じゃあ、その人に聞きたい。馬鹿で愚かな人間は主人公になる資格さえ無いのかと。聡明な人間しか主人公になれないのかと。失明すると分かっていて生むのは親のエゴだという人もいる。じゃあ、その人に聞きたい。目に障害を持つ人間は、この世に生まれてはいけないのかと。セルマみたく、あんたいったい何考えてんのさ、少しはなんか言えよ、といいたくなるような人って、この世の中にはたくさんいるじゃない。この映画は、そんな人達が辿ってしまうかも知れない末路を、刻々と描いた映画なんだ。そして、監督はそんなのいたいけな一人の女を、悲劇の中に放り込む。ここまでは全く、『奇跡の海』と変わっていない。しかし、決定的に違うのは、ラストにおいてなのだ。べスとは逆に、セルマは、自分で幸福までたどり着く。自らの心音を頼りに、死の恐怖を軽く飛び越え、あっという間にそこまでたどり着くさまを描いたこの映画は、奇跡だ。その奇跡こそが、それまでのあざとさを払拭している。これほどの映画は、これ以降、二度と現れないだろう。
10点(2002-06-24 16:15:24)(良:3票)
2.  去年マリエンバートで
生涯のマイベスト10にはいる、傑作。サッシャ・ヴィエルニーのなめるようなカメラの美しさは、筆舌に尽くし難い。過去と現在、未来と、時間が自由に交錯し、果てしなく続くかと思われるような無意味な台詞の応酬は、ただただ頽廃的で、眠気に襲われるほどだ。
10点(2002-06-24 15:53:48)
3.  スウィート ヒアアフター
《ネタバレあります》寒々とした映像と音楽は、こちらの心まで凍らせる。淡々とした展開と人物の表情のなかにこそ、物事の真実は姿を現す。ここに書いてるみんなは、話がよくわかんなかったって言ってるけど、これは話の展開を追う映画じゃないっしょ。ハメルンの話との結び方も面白いと思ったし、なにより、複雑な人間関係がラストみたくなってしまうのって、余りにも痛かった。つまり、この映画が言いたかったことは、傷ついた人々に必要な癒しとは、静かな余生を送ること、ってことでしょ。タイトル(スウィート・ヒアアフター)がまさにそれじゃない。弁護士雇ってお金を勝ち取るんじゃなくて、前のように、ただただ暮らしたい、ってこと。そんなメッセージが、ホントに痛いほどつらく心に響いた映画でした。
9点(2002-06-24 15:45:14)
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
700.00%
800.00%
9133.33%
10266.67%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS