恋の門 の ぐるぐる さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > コ行
 > 恋の門
 > ぐるぐるさんのレビュー
恋の門 の ぐるぐる さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 恋の門
製作国
上映時間114分
劇場公開日 2004-10-09
ジャンルラブストーリー,コメディ,青春もの,ロマンス,漫画の映画化
レビュー情報
価値観の多様化、というより細分化が加速化して進む現代。言ってみれば人々の「オタク化」が広まっている時代だと思う(因みにここで言う「オタク」とは、別にマンガやアニメやゲームのそれのみを指すのではなく、個人がそれぞれの趣味嗜好に邁進している、という意味です)。随分前から紅白が視聴率を取れないとか言っているけれど、「それぞれの人が自分の聴きたい音楽(だけ)を聴く」という今の時代にあっては、それも必然。それが良い事か悪い事か、これから時代がどう動いていくのか今の所予想もつかないけど、これからどんどん「自分は自分、他人は他人、隣は何をする人ぞ」という風潮はどんどん広まり、人々は自閉化・自己完結化の方向に進むのだろうなーと思う。んで、この作品。自称「漫画芸術家」の青年とコスプレ大好きOLという設定は、正にそうした時代の象徴のように思える。まるで異なる価値観を持った男女がおずおずと近づき合い、自分と相手のの価値観とどう折り合いをつけていくか、というのは非常に興味深く思えた・・・てか、何かいつの間にか文章硬くなってるな、俺。ま、そんな↑メンド臭い事は置いといても、松尾スズキのユニークな台詞回し(いかにもギャグっぽいのだけでなく、さりげない台詞、例えば恋乃が亡くなったお祖母ちゃんの事をいう台詞とかも楽しい)、それに「歩く異化効果」とでも呼びたくなるような松田龍平の存在感、酒井若菜の「いっちゃった」演技(と、胸の谷間)、無駄に豪華なキャストなど、見所満載。ラストの二人の疾走シーン(余談だけど、門のあのコスプレは、きっと「キン肉マン」のイワオなんだろうな)は馬鹿馬鹿しくも清清しく、感動的。現代的なテーマを題材にしつつ、しっかりエンタテインメントとしても成立させた松尾スズキは、やっぱり凄い。あ、でも唯一の不満は、せっかくキヨシローが出てるのに「気持ちE」の台詞を言わせなかった事。あとは満足。やっぱ「自分」てのは一度は捨てなくちゃいけなくて、でもホントに捨ててはいかんものなんだ、と思いました。
ぐるぐるさん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-01 18:57:47)
ぐるぐる さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2011-08-28南京!南京!10レビュー7.50点
2010-07-28アマルフィ 女神の報酬9レビュー4.83点
2010-07-28借りぐらしのアリエッティ7レビュー5.69点
2010-07-28目撃(1997)8レビュー5.74点
2010-07-28インビクタス/負けざる者たち8レビュー7.08点
2010-07-10ヒーローショー9レビュー6.87点
2008-08-24妄想少女オタク系7レビュー7.00点
2008-08-24青空のルーレット4レビュー2.50点
2008-08-24ROBO☆ROCK3レビュー3.66点
2008-06-02靖国 YASUKUNI9レビュー4.22点
恋の門のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS