サイダーハウス・ルール の おばちゃん さんのクチコミ・感想

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サイダーハウス・ルール の おばちゃん さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 サイダーハウス・ルール
製作国
上映時間126分
劇場公開日 2000-07-01
ジャンルドラマ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 原作者(脚色も)アーヴィング、監督ハルストレムをはじめ出演陣にいたるまで、すべて好きな人たちだったので、期待だけでなく、かえって(がっかりしたらどうしよう・・という)緊張をもって一人で映画館に行き、大きな感動と同時に安堵を感じた作品。とにかく素晴らしいが、堕胎をめぐる話が中心をなしているので、人と一緒に鑑賞することはお勧めできない。できたら一人で見るほうが無難だと思われます。テーマはタイトルの通り、ルール。親子、人種、結婚、中絶、さまざまな側面において存在する既存のルール。その中で意味のないもの、実質的価値を伴わないもの、そうしたルールは、自ら打ち破れるものだ、という強いメッセージを感じる。そしてもう1つのテーマは、息子が父を理解していくまでの道程。当然、2つは絡まりあって根幹をなしていく。父は、信念の人でありながら同時に揺らいでいる、人間的魅力にあふれた人。マイケル・ケインは見事に表現している。アカデミー賞助演男優賞が納得できる、彼のベストアクトだろう。トビーのイノセントな演技も大変よかった。彼のファーストシーンを見ただけで、私はこの映画が成功作であることをほぼ確信したくらいだ。2人に共通して言えることは、複雑なキャラクターを、実に実にナチュラルに表現していること。ハルストレム監督との息がぴったり合っていたことをうかがわせる。監督は、本作で1つの頂点に達した印象。単なる「癒し系」監督ではない、実力のほどがわかる。つくりこんでいるからこその「自然」。実に「映画的」、「映画ならでは」で、すばらしい。但し10点をつけているからといって、文句や疑問がないわけじゃない。一つだけ挙げると、手術にあれだけ抵抗を示していたホーマーが、恋人とのシーンではきわめて無防備な男の子として描かれていて、ちらりとでも「避妊している」ことをうかがわせるシーンはなかったこと。だが、うまい具合に? 彼らに妊娠というできごとは起こらないのだ。このエピソードだけは今でも納得いかないなあと思っている私である。
おばちゃんさん 10点(2003-04-05 19:14:48)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2021-07-10ミッドナイトスワン10レビュー7.16点
2020-08-27マルモイ ことばあつめ9レビュー9.00点
2019-07-09新聞記者10レビュー6.08点
2017-05-12忘れられない人6レビュー7.16点
2017-02-22スノーデン8レビュー6.43点
2016-04-27キャロル(2015)9レビュー7.28点
2016-03-16不屈の男 アンブロークン8レビュー6.11点
2015-08-07靴職人と魔法のミシン8レビュー5.00点
2015-04-13KANO 1931海の向こうの甲子園8レビュー6.91点
2015-02-19おみおくりの作法8レビュー7.40点
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