ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - の ルクレツィアの娘 さんのクチコミ・感想

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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション - の ルクレツィアの娘 さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》 「深く心に残る物語」のことをサムが語る場面は、本当に素晴らしい。フロド&サムのルートは、増えた画像について特別な感動はないが、メリー&ピピンのナチュラルな活躍が、実はとても重要だったことを、この特別版を観て気付いた。とくにヘルム峡谷から敗走したウルク=ハイがどうなったかという話は、ちょっと気になっていた部分だったので、納得できて良かった。アラゴルンとローハンに関しては、物語の補足が加わって、原作が好きな人には楽しめる。ただ、エオウィンのシチューのエピソードは蛇足としか思えない。それにしても前作に引き続き、愛を込めてクローズ・アップされたのがボロミアと執政家であるのが、非常に興味深い。映画のストーリーだけを楽しむ場合には、第一部で命を落としたキャラクターについて改めて語られても戸惑うだろうから、劇場公開版で削られたのはやむを得ないので、この追加こそ特別版の意義だと思う。ひとつの指輪のことをボロミアが「ギフト」と思いこんでいた理由や、指輪に誘惑される隙を持っていた背景が分かるのはとても嬉しい。そして何より、劇場公開版であまりにも唐突な行動を見せたファラミアの、内面的背景的描写が増えていたことが、とても良かった。執政家の親子三人が揃う場面を映像で観ることが出来るのも嬉しい。デネソール候の偏った愛情に、弟ファラミアが傷ついているだけでなく、兄ボロミアも苦しんでいる。兄弟の幸せそうな笑い声が親の登場でかき消える、そんな不幸な家族。「希望は常にある」と登場人物たちが繰り返し語る「二つの塔」において、兄を失ったファラミアの絶望はとてつもなく深い。ファラミアの描き込みが足りなかったと監督と脚本家はコメントしているが、そんなことはないと思う。葛藤と絶望の中でファラミアはフロドたちを観察し、フロドの重荷を理解し、自分の命を捨てる覚悟でフロドたちを行かせた。ボロミアが出来なかったことを、かつてアラゴルンがしたことを、ファラミアは行うのだ。ファラミアはボロミアと並べて、際だつキャラクターである。その割に、ボロミアを演じたショーン・ビーンが、執政家の人間関係を「非常に単純」とコメントしているのは、ちょっと不思議。そして本編とはあんまり関係もないのに、ボロミアがゴンドールの旗を持って兵士たちに叫ぶシーンは、良くとおる低音の声と共に、とても印象深い。
ルクレツィアの娘さん 8点(2004-03-15 00:57:43)
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投稿日付邦題コメント平均点
2011-02-08パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々7レビュー4.40点
2007-10-24フライトプラン5レビュー5.02点
2007-10-24ミリオンダラー・ベイビー9レビュー6.91点
2007-10-24クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲6レビュー7.70点
2007-10-24ゲド戦記3レビュー3.68点
2007-10-24コラテラル5レビュー6.11点
2007-10-24300 <スリーハンドレッド>4レビュー6.07点
2005-01-06ヴァン・ヘルシング4レビュー5.43点
2004-11-05レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード3レビュー5.33点
2004-10-28ゴシカ4レビュー4.77点
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