犯罪河岸 の へちょちょ さんのクチコミ・感想

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犯罪河岸 の へちょちょ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 犯罪河岸
製作国
上映時間105分
劇場公開日 1949-07-05
ジャンルドラマ,サスペンス,モノクロ映画,犯罪もの,ミステリー,刑事もの,音楽もの
レビュー情報
《ネタバレ》 アンリ・ジョルジュ・クルーゾーの名が(ヴェネチア映画祭監督賞に輝いたコトで)世界に知れ渡る嚆矢となった記念すべきミステリの秀作。「アスファルト・ジャングル」や「現金に手を出すな」、「探偵物語(1951)」等のコメントでも繰り返し述べたコトではあるが、今一度ハッキリと言わせてもらう。世に傑作と謳われる作品の共通項とは”手抜きのない緻密な描写”と、主役は当然としてホンの端役に至るまで”登場キャラクターが活写されている”の二点に集約される!と。本作の場合で言えば、ルイ・ジューヴェ扮するアントワーヌ警部の凄みだけでお腹一杯になりそうな感じであるにも拘らず、犯行現場付近で怪しい客を拾うタクシー運転手や容疑者夫婦が住むアパートのお人好しな管理人、容疑者夫婦の職場である猥雑な寄席の裏方たち、事件の特ダネを鵜の目鷹の目で狙う出待ちの新聞記者連中までもが活き活きと描写されており正に圧巻。しかも短いショットの切り返しの中で全くテンポを淀ませずに、である。一つの殺人事件の犯行現場に三人の男女が別々に入り乱れた為に思わぬ混乱を来す捜査陣にあって、ギョロッとした鋭い眼光としわがれた声のキレ者・アントワーヌ警部は一歩一歩確実に真相に迫ってゆく。一見、作りとしては(コロンボでおなじみの)倒叙推理モノの系列に属しているかのようだが、終幕の意外な”どんでん返し”によって実は観客もクルーゾー監督に一杯食わされていたコトに気付かされる巧妙な仕掛けが何ともニクイ。原作は(同監督の「犯人は21番に住む」と同じ)スタニスラス=アンドレ・ステーマンの「正当防衛」。さて、記念すべき1300番目のREVIEWだけにココは気前良く10点満点!と行きたいとこだが‥フランシス・ロペスの音楽が余りに大仰かつノイズで可成り興を削がれた為、悪いが1点マイナス。でもオススメ!!
へちょちょさん 9点(2004-12-10 01:49:12)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2012-01-28100挺のライフル6レビュー6.00点
2010-02-21フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ8レビュー6.77点
2009-03-10クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦5レビュー7.93点
2008-03-17300 <スリーハンドレッド>4レビュー6.07点
2007-08-29惑星大怪獣ネガドン5レビュー5.77点
2007-07-27少林寺25レビュー5.85点
2007-07-25続・少林寺三十六房4レビュー5.37点
2007-06-26座頭市地獄旅7レビュー7.00点
2007-05-25ピカソ-天才の秘密10レビュー8.45点
2007-04-07県立地球防衛軍4レビュー5.50点
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