ミッドウェイ(2019) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ミ行
 > ミッドウェイ(2019)
 > 鱗歌さんのレビュー
ミッドウェイ(2019) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ミッドウェイ(2019)
製作国
上映時間138分
劇場公開日 2020-09-11
ジャンルアクション,ドラマ,戦争もの,歴史もの
レビュー情報
映画開始早々、前置き的な描写もそこそこに、いきなり真珠湾攻撃が始まるのですが、見た瞬間に頭に浮かんだ言葉が、「リメンバー・『パール・ハーバー』」(=『パール・ハーバー』というトンデモ映画があったことを思い出せ)。
せっかく、忘れかけてたのに、ねえ。
このシーンに限らず、本作全体に言えることですが、CG主体の描写が、裏目に出てしまってます。実写では絶対に見られないモノを見せてやろう、ってのはワカルのですが、どこもかしこも、「いかにもスタジオの中です」「今、グリーンバックに囲まれてます」という雰囲気がプンプンと。
それでも演出次第ではもうちょっと、緊迫感なり、焦燥感なりを、出せると思うのですが、CGを連発するばかりではどうにもならない。真珠湾攻撃シーンでも、「襲われる側」の人間の描写はいかにも少なく、CG風味の爆発が繰り返されるばかりで、どこか絵空事。申し訳程度に、並べられた死体袋の描写などはあるものの、意図的に「悲惨さ」を抑えたかのような印象があります。逃げ惑う群衆、とか、驚きや恐怖の表情、といったイメージをもう少し前に出すだけで、だいぶ印象が変わると思うのですが。
これは、映画全般の戦闘シーンにも当てはまって、アメリカ側の中心人物が多少軽いノリで描かれるのは、仕方ない(?)としても、迎え撃つ日本兵の、やけに淡々としていること。どうしてここまで、描写から「焦り」のようなものが、排除されてしまうんだろうか。
史実を追うことに意識が向かいすぎたのか。しかしそれにしては、正直、この映画だけで戦況の流れをつかみ取るのは難しそう。戦史関連の本でもパラパラめくった方が、よほど理解できます。ドキュメンタリ調に徹することでドラマチックに仕上げる方法もあるだろうに、本作は、どうにも中途半端。魚雷から陸攻用の爆弾への積み替え、という判断ミスはこの海戦における一種のハイライトだと思うのですが、これもやけに、アッサリと。
日米両側から公平に描いた、というのがポイントのようですが、むしろ、どの国のマーケットにも受け入れられやすいように配慮してみました、ってのが正直なところなのではないでしょうか。無難に無難に描いた挙句、緊迫感まで無くなっちゃった。こういうパターンが、「中国資本アメリカ映画」の定番になっていくんですかね。
まあ、エメリッヒは、あくまでエメリッヒとして健在だ、ということだけはよくわかる作品ではありました。
鱗歌さん [映画館(字幕)] 4点(2020-09-13 02:17:43)(良:2票)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-14片腕必殺剣7レビュー6.33点
2024-04-07ゴーストバスターズ/フローズン・サマー7レビュー5.25点
2024-04-07わが青春のアルカディア7レビュー3.90点
2024-03-31ソニック・ザ・ムービー6レビュー6.44点
2024-03-31ジョン・ウィック:パラベラム8レビュー6.57点
2024-03-30ウホッホ探険隊5レビュー6.07点
2024-03-30CURE キュア8レビュー6.67点
2024-03-24透明人間現わる8レビュー4.33点
2024-03-17宇宙人東京に現わる6レビュー4.70点
2024-03-16復讐の荒野(1950)7レビュー7.00点
ミッドウェイ(2019)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS