二十四の瞳(1954) の 光りやまねこ さんのクチコミ・感想

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二十四の瞳(1954) の 光りやまねこ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 二十四の瞳(1954)
製作国
上映時間155分
ジャンルドラマ,戦争もの,モノクロ映画,学園もの,小説の映画化
レビュー情報
タイトルロールに流れる「仰げば尊し」を筆頭に、「故郷」「七つの子」「浜辺の歌」などなど数多くの唱歌が作品全体を包み込み、これが抜群の効果を収める。音楽担当は監督木下恵介の実弟に当たる木下忠司。この人、兄恵介と毎回息がピッタリだが今作ではそれを極めている。場面、場面に流れる馴染みの唱歌を彩りのあるメロディーで微妙にアレンジしており、この作品にかける意気込みが充分過ぎるほど伝わってくる。また、小豆島の美しい風景と島民の生活模様が楠田浩之のカメラに余すところなく収まっており、これもまた監督と息がピッタリ。忍び寄る軍国主義に召集令状、貧苦に喘ぐ島民の生活、敗戦という新たな時代への出発…切々と暦をめくるように綴っており木下調の演出が冴えに冴え渡る。戦時の戦意高揚作「陸軍」の製作がよほど悔しかったのか、今作では平和へのメッセージがビシビシと伝わってくる。そして言うまでもなく、主人公の大石先生を演じた高峰秀子が文句なしに素晴らしい。純朴な子供たちに向ける優しい眼差しに、情感のこもった台詞回し。洋服の似合う新人の先生から人生の辛酸を体験し尽くした初老の先生までごく自然体で演じており、女性教師として一人の母親としての弱さと強さ、哀しさと美しさを見事表現しきっている。情感に訴える見事な反戦映画としてはクレマン作「禁じられた遊び」と双璧をなしており、日本映画史上、燦然と輝く名画。文句なしに10点満点。
光りやまねこさん 10点(2004-11-01 17:57:37)(良:2票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2007-08-19タクシードライバー(1976)8レビュー7.41点
史上最大の作戦7レビュー6.78点
2007-07-20ヴィレッジ(2004)7レビュー6.06点
2007-07-20宇宙戦争(2005)6レビュー5.89点
2007-05-18オリヴァ・ツイスト(1948)10レビュー6.25点
2007-05-18第十七捕虜収容所6レビュー7.50点
2007-02-17ALWAYS 三丁目の夕日9レビュー7.15点
2007-01-30キング・コング(2005)7レビュー6.93点
2007-01-30クイーン・コング2レビュー4.05点
2006-12-26東京原発4レビュー6.49点
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