コクリコ坂から の うらわっこ さんのクチコミ・感想

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コクリコ坂から の うらわっこ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 コクリコ坂から
製作国
上映時間91分
劇場公開日 2011-07-16
ジャンルドラマ,アニメ,青春もの,学園もの,ロマンス,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 作品全体から伝わる真っ直ぐさがとても心地よかった。起承転結が少ない物語だけれど、映画の魅力は登場人物のキャラクタであると思う。風間君は文句なしの爽やか好青年で、海はひたむきで芯のあるヒロイン。その他脇役たちも、みんな擦れていない。

また、女子のハートをつかむ演出はジブリ作品の中でもハイレベル。自転車の二人乗り。学校を抜け出す。船に飛び乗る海を風間君が受け止めるシーン。ベタなんだけど、日常生活から離れすぎず、うまく切り取られていて、上手に引き込んでもらえた。クライマックスにかけては細かい突っ込みはせずに楽しめばよい。作品全体に漂う哀愁のせいなのか、じわじわと泣かせられる。とてもよかった。良くまとまっている。


ただ、作品全体として惜しいのが、少女漫画から抜け切れていない部分があること。
作品の芯や伝えたいことがどうしても私には見出せなかった。
なぜカルチェラタンを守りたかったのか。好きだから?それだけだと少し寂しい。
父親たちの友情が彼らにどんな影響を与えていたのか。勝手に物事を決めていく大人との壁を彼らは何を感じたのか。
ジブリお得意のわくわく感はカルチェラタンに入るところや、掃除のシーンでとってもよい雰囲気を出しているだけに、物語にある芯が見出せないのは非常に残念。


各登場人物のキャラクターは良かったけれど、もう少し深堀してほしい。たとえば、風間くんはもっと感情を出してもよかったかなと思う。登場シーンや討論会を見るともうちょっと活発な設定なのでは?なのに後半になると感情を押さえつけていて、人となりが見え辛い。直接理事長に乗り込むシーンは、淡々としすぎ。高校生が東京に乗り込むってすごいことなんじゃないの?なのに3人からはその不安さが伝わってこない。

ストーリーとは離れるが、気になったところは、絵とBGMの使い方。最初の街の景色がちょっと粗い。朝だか昼だかわからない。草がただの草であり、朝露と朝日を浴びる草ではない。それから海が旗をあげて汽笛を聞くシーン。これはすごく見せ所。なのにBGMと汽笛が被っている。これには唖然。ここは静寂が良いのでは。神聖な祈りの意味もあるわけだし。外国アニメと異なり、ジブリは音のない演出が上手い作品が多いだけに、少しがっかりした。

色々と文句もかきましたが、全体的には良い作品。もう一回見たいと思います。


うらわっこさん [映画館(邦画)] 6点(2011-07-31 22:41:47)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2023-07-30THE FIRST SLAM DUNK8レビュー8.20点
2022-01-31糸(2020)4レビュー5.13点
2022-01-31コンフィデンスマンJP 英雄編6レビュー5.77点
2022-01-14オーシャンズ115レビュー5.46点
2022-01-14ずっと独身でいるつもり?7レビュー6.33点
2022-01-02ザ・ファブル7レビュー5.74点
2022-01-02グリーンブック9レビュー7.97点
2021-12-23劇場版 ルパンの娘3レビュー3.00点
2021-12-23コンフィデンスマンJP プリンセス編4レビュー5.75点
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