ハウルの動く城 の 小原一馬 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ハ行
 > ハウルの動く城
 > 小原一馬さんのレビュー
ハウルの動く城 の 小原一馬 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ハウルの動く城
製作国
上映時間119分
劇場公開日 2004-11-20
ジャンルアドベンチャー,ファンタジー,戦争もの,アニメ,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
 もうすでにこの作品にがっかりしたという多くの人が同じようなことを書いているのでそれについて重複するような内容をさらに語る気はないが、とにかく二時間の長さにあまりに多くのことをつめこみすぎだと思う。時間にしておそらく半ばあたり、王様の城にたどりついたあたりで、さてこれをどう収まりつけるのか心配して見ていたが、やはり心配どおりそれらの謎は放りっ放しで、軽々しい「愛してる」とか「守りたいものができた」とかそんな言葉で無理やりまとめられてしまったように感じた。
とにかくひとつひとつの行動の動機の説明が弱すぎるし、対立が設定されてもそれが安易に解消されてしまう。たとえばソフィーにかけられた呪いにしたって、アシタカへの呪いなどと同じように相当深刻な問題なはずなのに何となく解決されてしまうようなものでしかない。そんなあいまいな動機による行動に共感しろと言われてもそれはとても無理ではないか。
 一方、僕以外の「がっかりした」という感想を見ていると「映像は美しかったが・・・」ということが決まり文句になっているが、それについてさえも、たとえば「もののけ姫」などと比べ、より優れていたとは感じられなかった。花畑のシーンなどにしても、いわゆる「かきわり」をカメラがパンしているにすぎない感じで、「もののけ姫」のシシ神さまの森での、草花の一つ一つが本当に生きている森に「足を踏み入れた」感じは受けなかった。あるいは魔法がはたらくときに、光が集まってフォークダンスのようにぐるぐるまわるあの表現をひとつとっても、悪い意味でマチスの切り絵を思い起こさせるものだった。
 よかった点といったら、題名にもなっている「動く城」の表現くらいで、スピルバーグにおける「恐竜を動かしたい」とか「自転車を飛ばしたい」とかの隠れテーマなんかと同じように、これを撮りたいがために、無意味なストーリーをでっちあげたように感じられた。
 宮崎駿というブランドを抜きにしたら5点くらいはあげられる映画ではあるが、彼のファンに「警告したい」という意味で2点をつける。
小原一馬さん 2点(2005-01-23 15:30:00)(良:1票)
小原一馬 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2017-03-26言の葉の庭8レビュー5.68点
秒速5センチメートル7レビュー6.19点
2017-03-17愛のむきだし3レビュー7.15点
2016-11-21ボビー・フィッシャーを探して8レビュー7.17点
2016-09-05レイダース/失われたアーク《聖櫃》6レビュー7.50点
2014-01-17ミート・ザ・ペアレンツ6レビュー5.57点
2013-08-06愛のメモリー6レビュー6.34点
2013-08-06SAYURI6レビュー6.60点
2013-03-26猟奇的な彼女9レビュー7.25点
2013-03-26舞台よりすてきな生活6レビュー6.00点
ハウルの動く城のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS