レ・ミゼラブル(1998) の 花守湖 さんのクチコミ・感想

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レ・ミゼラブル(1998) の 花守湖 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 レ・ミゼラブル(1998)
製作国,,
上映時間133分
劇場公開日 1999-02-06
ジャンルドラマ,犯罪もの,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 ジャベール警部を許したジャンバルジャンは、まさに「汝の敵を愛せ」を実践しました。主人公を徹底的に追い詰めたジャベールは嫌な奴でした。しかし彼は一貫した信念を持っていました。ジャベールは故意にジャンバルジャンを逃がした罪により、自らを罰したのだと考えます。最後まで法律の番人でした。これが罪を憎み続けた彼の生き様でした─。 そしてなぜ、ジャンバルジャンの行動は感動するのか?それは彼が立派な人間だからではありません。彼がオウムの逃亡者と同じ卑怯者だからです。しかしこういうと観客は「嘘をつくな、冤罪だろ、それに今は改心して善人だろ」と反論するでしょう。しかし、それは周りの評価です。ポイントは彼自身がそう思っていないことにあります。すなわち、罪を背負い、そして罰を恐れ、正体を隠して生きてきた卑怯な容疑者だと、ジャンバルジャン本人が自覚していたことに意味があるのです。従って彼の慈悲深さは、罪を持った愚かな人間と、自分が同類である、という前提から生じている。人間は、善人であるほど、悪人を赦すことができないし、罪を激しく憎む。だから我々自身が、ジャベールと同じ人間なのです。ジャベールが娼婦を激しく殴ったのは、彼女が罪の象徴だったからです。しかし「罪」を抱えた人は─すなわちジャンバルジャンのように罪の自覚のある人は、かえって他人の罪に寛大になれるものだ。赦せないのは、中国や韓国を罵倒する人たちと一緒で、単に相手の罪深さを指摘し、相手に罪を自覚させたい、という欲求があるからです。もしここで我々自身が、「罪の」自覚があるならば、もっと優しくなれると思います。罪を背負うという意味の本質は、ここにあるはずです。つまり赦すことにある。何回観ても新しい発見がある名作です。

花守湖さん [DVD(字幕)] 10点(2003-10-14 21:24:32)(良:2票)
花守湖 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2016-08-16オデッセイ(2015)9レビュー6.82点
2015-10-12メイズ・ランナー8レビュー5.82点
2015-08-16マレフィセント10レビュー6.27点
2015-06-25ブルージャスミン0レビュー6.43点
2015-06-25ゴーン・ガール10レビュー6.87点
2015-01-04トランスフォーマー/ロストエイジ1レビュー5.42点
2014-11-09シュガー・ラッシュ9レビュー7.50点
2014-10-25チチを撮りに8レビュー6.76点
2014-10-18永遠の01レビュー6.27点
2014-10-05それでも夜は明ける9レビュー6.50点
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