スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 の マーチェンカ さんのクチコミ・感想

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スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 の マーチェンカ さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》 「陳腐なところや書き込みの足りないところなどが多々あるが、それでもスターウォーズ・ファンである自分にとっては、基本的にはこのEP3という作品は”キズは多々あるものの『基本的には』宝石である”」というのが、初見当時の僕のこの作品に対する基本的なスタンスでした。そこから月日が経った今の自分からはもはやかけ離れた感想となっている、と一言だけしておきたいと思います。

最近見直して、アナキンがオビワンに対して、並々ならぬ配慮や熱情を吐露しているところが印象深く感じました。それは「私の運命は彼(オビワン)と共にある」という意味合いのセリフを、数回は話しているという点や、またオビワンに対して(恐らく内面には自己否定すれすれの自己犠牲感も手伝っていたであろうとは言え)、ジェダイ騎士としての自分が取るべき道を基準とした心情(=自分はこれまで傲慢で感謝の足りない態度を示し続けていた)の吐露を、極めて率直に行っていた事からも窺えると思います。暗黒面に堕ちる直前まで彼が真摯に葛藤し続けた事の証左として、僕自身の中で極めて鮮烈に印象付けられつつある部分です。

そしてこの作品に存在する問題は、この自己犠牲感を引き換えとした「義務への奉仕」と、それに対する根源的な「自分自身の奥底に燻ぶる気持ち」との根深い葛藤にあるのだと、最近になって改めて思い至った次第です。

並み以上のジェダイ騎士からしても雲の上の存在であるヨーダからは、下手をすれば説教にも響きかねない助言を投げかけられる事にもある程度納得できたかもしれませんが、自分が長年接してきて、かつ信頼も寄せていたオビワンからもそのような説教じみた助言を与えられた時、アナキンにはどこか煮え切らない、もう一歩親身になった事を言ってほしいという気持ちが残らなかったとも言い切れないと、今は思うのです。そしてこのEP3の悲劇性は、長い目で見ればヨーダやオビワンの言うことは圧倒的に正しく、その一方でどこにも片づけることのできないアナキンの葛藤も決して無視されるべきではなかったという、この解決の図りにくい二項対立にあったのではないかと、今は強く感じます。

こうして見ると、ジョージ・ルーカスは「ハリウッド的大作映画」というガチガチに固まった枠の中で、彼の考える最善の方法で自分の信じることを、このEP3という器の中に盛りきったのではないかと、最近では思います。
マーチェンカさん [映画館(吹替)] 10点(2005-07-15 18:49:05)
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