ガス人間第一号 の Pewter All さんのクチコミ・感想

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ガス人間第一号 の Pewter All さんのクチコミ・感想
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マッドサイエンスによって生まれた怪奇人間の映画と言えば、僕がまず思い出すのはジェームズ・ホエール監督による『透明人間』と『フランケンシュタイン(の花嫁)』です。これらの映画が素晴らしく共感を呼ぶのは、彼らが凶悪で暴力的な顔の裏側に、大きな苦悩を抱えていたから。クロード・レインズの透明人間は凶暴なる自分に嫌気がさしていたし、ボリス・カーロフのフランケンシュタインは常に愛情に飢えていた――だからこそ恐るべき怪奇人間がときに本当の人間よりも人間らしく思え、僕らは感情を移入せずにいられなかったと思うのです。ところが本編のガス人間、自分を化け物にしてしまった科学者に対する被害妄想が強いばかりで、彼の表情から苦悩を読みとることはできません。日本舞踊の美人家元と愛し合っているのに、どうして犯罪を繰り返さなくてはならないのでしょう? 貢ぐために多くの人を殺して、それで彼女が喜ぶとでも思っていたのでしょうか? この映画で苦悩するのは当のガス人間ではなく、彼を愛してしまった女の方。したがって女性的な見方をすれば、辛く哀しいラブストーリーと位置づけられないこともないでしょう。それでもやっぱり前記の作品群と比べると、どうしても物足りない気がするのです。意欲的な特撮に八千草薫の美しさ、オシャレなクルマなど見どころはありますので、決して否定はしませんが……。ちなみに僕は、女性新聞記者を演じた佐多契子という女優さんの魅力に惚れ惚れしてしまいました。昔の映画って、女優さんがホントにキレイですよね。
Pewter Allさん 5点(2004-01-23 06:35:12)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-04-11ドノバン珊瑚礁9レビュー6.60点
2008-06-26此の虫十万弗7レビュー7.00点
2007-05-16白と黒のナイフ6レビュー6.95点
2007-01-18幽霊と未亡人7レビュー7.50点
2006-01-28THE 有頂天ホテル4レビュー5.80点
2005-12-25ディープ・インパクト(1998)5レビュー6.07点
2004-12-31ブリガドーン4レビュー4.50点
2004-11-15コラテラル3レビュー6.11点
2004-11-06エル・ドラド(1966)7レビュー6.50点
2004-08-08アサシン(1993)5レビュー5.84点
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