お熱いのがお好き の まさかずきゅーぶりっく さんのクチコミ・感想

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お熱いのがお好き の まさかずきゅーぶりっく さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 お熱いのがお好き
製作国
上映時間120分
劇場公開日 1959-04-29
ジャンルドラマ,コメディ,モノクロ映画,ヤクザ・マフィア,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 本当に素晴らしい作品を見ると、この感動を誰かに伝えたくてたまらなくなりますが、この映画はまさにそれでした。20年近く映画を観ているのに、ヘプバーン好きの小生は、恥ずかしながらこれといった理由も無く、彼女の対照に存在していると言われた大スター、マリリン・モンローの作品を1つも観てこなかったのですが、損したなーと痛感しました。

しかしこの作品、面白い反面、不安もありました。自分の身を守る為とはいえ、女装という「嘘」がいきなり発生し、ジョーにいたっては女性キャラだけでなく、ジュニアという石油会社の御曹司にもなります。嘘の先には必ずそれがバレる時が来るし、ギャングから逃げてきた2人は見つかり、再び命を狙われる事になります。作品のテンポも良く、時間を忘れる程夢中になれますが、エンディングに進むにつれそんな不安が脳裏をよぎります。

ところがそんな不安は全ていい方向に裏切られます。女装も御曹司では無かった事も許され、ギャング一味からも逃げ切ります。幸せになって欲しいと願う人物が結果誰1人不幸にならない、これこそ完璧なエンターテインメントです。

主要の俳優陣も完璧。玉の輿願望があるのに純粋で、可愛くもあり妖艶でもあるシュガーを演じるマリリン・モンローが全く鼻につきません。これがもしどこか計算高い女という印象を抱かせていたら、ジュニアが別れを切り出した時、観ている側もどこか複雑な心境でしょうが、この作品では何とか彼女も幸せになって欲しいと願います。だからこそ、ラストで2人がオズグッドのボートに乗り込むシーンで、自転車で追いかけてきた時に胸打たれるのではないでしょうか?船上デートの際は先行くシュガーをジュニアが自転車で追いかけましたが、その逆という演出も粋です。

ジャック・レモンも狂言回しのような存在でしたが、必要不可欠な良き友人で非常に良かったです。シュガーとジュニアのラブシーンと、ダフネとオズグッドの「ラ・クンパルシータ」が交互に挿入されるシーンなんか「これぞ娯楽!」という感じでワクワクしました。

ビリー・ワイルダー監督の無駄のない演出に心から脱帽です。蒔いた伏線を全て観客の願う方法で拾い集めるなんて、非の打ち所がないです。こんな作品に巡り合えて本当に幸せです。心の財産になりました!名作中の名作に敬意と感謝を込めて、文句なしの満点です。
まさかずきゅーぶりっくさん [DVD(字幕)] 10点(2009-02-11 19:27:46)(良:3票)
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投稿日付邦題コメント平均点
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