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レビュー情報
スタッフ、キャストの遊び心が楽しい、ハードボイルドをとことん遊んだ映画。浮気調査専門の私立探偵が元警官なのもハードボイルドなら、浮気調査を頼みに来る女が偽者なのもハードボイルド。ハメットが、チャンドラーが築き上げた、どこまでも情けなく己を笑い飛ばす悲しい男たちの後姿を、オリジナルシナリオで描き切った心意気は見事。ワンカットごとにクスクス笑いをこらえる撮影現場の茶目っ気が伝わって来るかのような、ベテラン達だけに許される大人の余裕が楽しい作品。「チャイナタウンで起こったことは忘れるんだ」・・・いかにもな名文句と、哀れな女と悲しい男。二重の責め苦を背負った女をけだるげに、ミステリアスに演じたフェイ・ダナウェイの存在感と、どこか間抜けで人が良く、タフになり切れない私立探偵ジャック・ニコルソンのとぼけた表情が、どこまでもやるせなく観客の心に残り続ける。傑作。
【anemone】さん 10点(2003-12-02 00:34:49)(良:1票)
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