バウンド(1996) の 黒蜥蜴 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ハ行
 > バウンド(1996)
 > 黒蜥蜴さんのレビュー
バウンド(1996) の 黒蜥蜴 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 バウンド(1996)
製作国
上映時間109分
劇場公開日 1997-07-05
ジャンルアクション,サスペンス,ラブストーリー,犯罪もの,同性愛もの,エロティック,バイオレンス
レビュー情報
《ネタバレ》 文句なしに傑作だと思う。マフィア映画はたくさんあるが、レズビアンのカップルにマフィアが引っ掻き回されるという発想がおもしろい。(構図としては、極端な男社会であるマフィアの世界を、女が崩しにかかったという点でフェミニスト的だという捉え方も可能だが、明言は避ける。)ストーリーの面白さや脚本の良さにもうなったが、五感(視覚、聴覚)に直接働きかける演出が何よりも印象的だった。俯瞰やズームを効果的に駆使したカメラワークにより、映像に三次元的な厚みと閉塞感を与え、この物語自体がある種の閉鎖された世界で繰り広げられていることを象徴、それによって各人物間の緊張が増幅される。そして、クライマックスで白いペンキの上に、真っ赤な血を流して倒れ込むシーザー。白と朱の色彩コントラストによって金を巡る戦いの最後を締めくくり、その熾烈さを見事に物語る。さらに、コーキーとウ゛ァイオレットのからみのシーンでの音響。絞り出されるかのようにもれる吐息や、レザーが擦れる音といった動物的でエロチックな効果音(吐息っていうのは音響と言うよりは厳密には役者の演技の一部か?ま、「効果」的に働いた「音」ってことで・・・)が、両者の間の野性的なまでに激しい愛情を巧みに表現している。こういった五感への働きかけで、骨の髄までどっぷりとこの映画の世界観に浸かり、心の芯の部分でじっくり堪能することができたと思う。映画の醍醐味を再度味わった。
黒蜥蜴さん 9点(2003-12-11 13:30:27)(良:1票)
黒蜥蜴 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2012-12-31スリーパーズ4レビュー6.04点
2012-07-15ナポレオン・ダイナマイト10レビュー6.18点
2012-06-26食堂かたつむり0レビュー3.15点
2007-07-16笑う大天使0レビュー3.42点
2007-01-04隠し剣 鬼の爪4レビュー6.44点
2006-10-22ミリオンダラー・ベイビー5レビュー6.91点
2006-10-13ハムナプトラ2/黄金のピラミッド5レビュー6.22点
2006-10-09妖怪大戦争(2005)6レビュー4.40点
2006-09-26乱歩地獄4レビュー4.00点
2006-04-23御法度8レビュー5.08点
バウンド(1996)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS