上意討ち 拝領妻始末 の Waffe さんのクチコミ・感想

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上意討ち 拝領妻始末 の Waffe さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 上意討ち 拝領妻始末
製作国
上映時間121分
劇場公開日 1967-05-27
ジャンル時代劇,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
個人的に同監督の「切腹」より上に置きたい作品です。司葉子と大岡越前の演じる純一な夫婦愛を見せ付けられます。そして三船の多弁が言わずもがなで邪魔に感じる程に二人の貫禄の演技で絆の深さが表現されています。三船演じる入り婿の家長でサラリーマン的己を押し殺した行き方をしてきた”家臣”が、家督を長男に譲り、宮仕えの責務から解放され、一個人の”侍”となった時見えてきたもの・・・。腐りきった主君・上役の体面、欲得ずくの親類・姑・次男の立場なぞ尊重してやる価値があるのか?いや、純一な長男夫婦の思いを大事に守ってやることこそが”侍の生き方”であるはずだ。(ラスサムでズウィック監督が云っていた「兵士は組織のコマだけれど、真のサムライは独立した個人」)嫁いちは、大奥においてきた幼い我が息子より、薄情だった許婚と違う愛情深い長男との絆を選択します。長男は、幼い我が娘の行く末より、拉致された妻いちの身を案じます。人倫に反した家門なぞどうでも良い。(姑・義弟・親類縁者そして娘に降りかかる災いなど知らぬ!)汚れた藩など潰れてもかまわない。(廃藩により路頭に迷うであろう家臣達の迷惑など知らぬ!!)こんな自分勝手な夫婦に感情移入してしまうのは、本物の愛だからだと思います。(唯一、妻いちの気持ちが揺らいだのは、愛する夫の切腹を楯に脅迫を受けた時だけでしたが、命よりも大事な”モノ”のために死を選びます)仲代演じる三船の親友の存在は蛇足でした。映画の決着も邸宅での死闘で終わらせていたら10点だったです。是非、多くの人に知ってもらいたい作品です。
Waffeさん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-22 04:40:34)
Waffe さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2006-04-10ベルンの奇蹟7レビュー6.16点
2006-04-04炎のランナー9レビュー6.63点
2006-03-10大いなる幻影(1937)9レビュー7.68点
2006-03-03アンナと王様6レビュー6.47点
2006-01-08裸足の1500マイル6レビュー6.41点
2005-12-05千利休 本覺坊遺文9レビュー7.50点
2005-11-22上意討ち 拝領妻始末9レビュー7.36点
2005-11-16バットマン ビギンズ9レビュー6.73点
2005-11-07雨月物語10レビュー7.39点
2005-11-07天と地1レビュー5.55点
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