マザー・テレサ(2003) の tony さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > マ行
 > マザー・テレサ(2003)
 > tonyさんのレビュー
マザー・テレサ(2003) の tony さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 マザー・テレサ(2003)
製作国,
上映時間116分
劇場公開日 2005-08-13
ジャンルドラマ,歴史もの,実話もの,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 冒頭の、混み合っている駅のホームで、誰にも看取られずに命尽きようとしている男性のそばに、マザーテレサがうずくまるシーン。そのとき、すっとカメラが引いて、周囲の人々が姿を消す。貧しい人に愛を注ぐのに、周囲の雑踏が全く目に入らなくなる、これが彼女の類まれな集中力。1人1人の頬を両手ではさみ、声をかけるマザーの慈愛のこもったしぐさは鳥肌ものだった。彼女が亡くなった当時、世界各国に散っていた元孤児たちが「マザー、マザー」と実母のように嘆き悲しんでいた報道を思い出す。
イギリスやスペイン等のキリスト教がらみの時代劇を観ると、宗教と国家権力がどろどろと癒着した残酷極まりないエピソードがいくらでも出てきて、そのたびぞっとさせられてきた。本来キリスト教は、貧しき隣人を愛せよと人類愛に満ちた教義で説くはず。それなのに、神に仕える神父や修道女が虐げられた人々に直接奉仕することが、どうしてこんなにも難しいのだろう。マザーが修道院を出て、自ら神の家を設立する過程を初めてこの映画で見て、そこからしてガツンと大きな衝撃を受けた。つまり、冒頭から私は驚かされっぱなしだった。真の意味で、神に自らを捧げている聖職者が、どれほど存在するのだろうか。
3ドルの水の価値に言及する彼女は、『シンドラーのリスト』で「これだけあれば○人救える」と人の命を金に換算して苦しむシンドラーの姿と重なる。神の鉛筆になる者の苦悩は凡人にははかりしれないが、彼らは何と尊い存在だろうと深く考えさせられた。
tonyさん [インターネット(字幕)] 9点(2017-05-18 01:21:40)
tony さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-12-22ゴジラ-1.010レビュー7.49点
2023-05-24エヴェレスト 神々の山嶺5レビュー3.40点
2023-05-14轢き逃げ 最高の最悪な日8レビュー6.16点
2023-02-13メトロポリス(2001)6レビュー4.91点
2023-01-27JUNK HEAD8レビュー8.16点
2023-01-25LAMB/ラム9レビュー6.14点
2022-08-09竜とそばかすの姫6レビュー5.30点
2022-07-27キャラクター5レビュー5.14点
2021-08-12THE GUILTY ギルティ(2018)6レビュー7.20点
2021-08-07ナチス第三の男7レビュー6.20点
マザー・テレサ(2003)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS