ダンサー・イン・ザ・ダーク の ばかぽん さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > タ行
 > ダンサー・イン・ザ・ダーク
 > ばかぽんさんのレビュー
ダンサー・イン・ザ・ダーク の ばかぽん さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ダンサー・イン・ザ・ダーク
製作国デンマーク,,,,オランダ
上映時間140分
劇場公開日 2000-12-23
ジャンルドラマ,ミュージカル
レビュー情報
《ネタバレ》 10点と0点がこれほど多い映画は非常に珍しい。善くも悪くも印象深い作品だからだと思う。私は10点をつけたい。
批判的な意見の多くに、セルマは愚かで利己的、さらには馬鹿すぎるといったようなものまである。確かにセルマの行動には一般的には理解し難いものが多々あるのは事実だろう。もっと他の選択肢があったはず・・そう思わずにはいられない。滑稽に見えても仕方が無いかもしれない。しかし一つ考えてほしいことがある。それは彼女が重度の視覚障害者であり、金銭的にも決して恵まれた人生を送ってきたわけではないということだ。そういった閉塞的な環境が彼女の人格形成や知能に不利に働くことは想像に難くない。もしも彼女と同じような過酷な人生を強いられた場合、はたして私たちはどこまで常識的で、あるいは立派でいられるだろうか?
それでも彼女には唯一の信念がある。息子の目を治療し、自分と同じ人生を歩ませないことだ。病気が遺伝することをわかっていながら産んでしまった息子への償い、そして母親として果たすべき最後の責任として。息子に必要なのは母親ではなく目なんだと、必死でキャシーに訴えるセルマの叫びが私は忘れられない。彼女も死にたくはない。死ぬのは怖い。しかし何をさし置いても、彼女にとっては息子の人生には目が大事なのだ。それは目が見えないことによる苦しみを彼女自身が一番わかっているからだろう。あまりに不器用な彼女の生き方が、私にはあまりに純粋で美しく見えた。どんなに滑稽で愚かだとしても、ひたすらに息子のことを想う彼女の生き方を誰が責めることができるだろうか。
この映画は娯楽ではない。エンディングは最悪である。救いは無い。観なければ良かったと後悔するかもしれない。しかしこの映画は他の映画にはない衝撃を間違いなく与えてくれる。それが善きにせよ悪しきにせよ、それだけで意味のある素晴らしい映画だと思う。
セルマという人間を見事に演じたビョークと、ダンサーインザダークという作品を情熱と信念を持って造り上げたラースフォントリアーに心から感謝したい。
ばかぽんさん [DVD(字幕)] 10点(2004-07-02 00:38:17)(良:1票)
ばかぽん さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2021-08-22ある人質 生還までの398日8レビュー8.00点
2020-02-08ALONE/アローン6レビュー4.33点
2019-12-10グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち7レビュー7.16点
2019-11-27奇蹟がくれた数式6レビュー6.33点
2019-11-24未来のミライ5レビュー4.45点
2019-11-24セッション8レビュー7.59点
2019-11-24超高速!参勤交代5レビュー5.94点
2019-11-24ドラゴンボール超 ブロリー4レビュー5.94点
2019-11-24キングダム(2019)6レビュー6.06点
2019-11-24クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦8レビュー7.93点
ダンサー・イン・ザ・ダークのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS