ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ! の ころりさん さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ハ行
 > ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ!
 > ころりさんさんのレビュー
ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ! の ころりさん さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 邦題に恵まれない女優(笑)リース・ウィザースプーンの出世作にして、アレクサンダー・ペインの監督デビュー作。主人公の1人トレーシーは、日本的な意味での「優等生」というよりは、本作中にも出てくる「overachiever」という言葉がぴったり。何にでも必要以上の努力をしてしまう非人間的でちょい恐ろしげなトレーシーの人物像を、嫌みにならない程度のユーモアで包むことに成功したのは、なによりリースの好演がある。一方で、彼女に振り回されるマクリスター先生役のマシュー・ブロデリックは、中途半端に人がよさそうな感じが彼の行動への嫌悪感というか、いやーな感じを増幅させていて、これを映画として楽しめるかどうかが、映画の評価の分かれ目になりそう。個人的には、彼の行動は、いわゆる「小市民」的な人がハマってしまいそうな落とし穴の描き方が見事過ぎて、ちょっと笑えない程度に怖かった。たぶん、同じ系統の作品としては『ファーゴ』があると思うけど、仕事とか不倫とかを扱ったこっちのほうがはるかに怖い。とくに、冒頭の冷蔵庫から掃除したばかりの床に食べ物を投げ捨てるシーン。本人に悪意はないのに、ちょっとした配慮のなさが、その身の破滅をもたらすのだよ・・という恐ろしい教訓でした。ただ、この作品の面白いところは、悪夢的な終盤の展開の後、物語の結末がなぜかハッピーエンド調になっているところ。共和党の(←トレーシーらしくてちょっと笑う)代議士の秘書になっているトレーシーだけでなく、破滅したはずのマクリスターまでも、なんとNYでそれなりに楽しそうに生きているのだ。なんという懐の深さ。見てる自分もちょっとホっとして、人生というものの深みをじんわりと感じさせてくれる。単なる破滅型ブラックコメディで終わらない、アレクサンダー・ペイン作品の魅力の片鱗が味わえます。
ころりさんさん [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2020-02-25 03:51:10)
ころりさん さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-28ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE5レビュー7.41点
2024-04-25パスト ライブス/再会9レビュー8.00点
2024-04-22THE BATMAN-ザ・バットマン-6レビュー6.63点
2024-04-13オッペンハイマー8レビュー6.65点
2024-03-19ゴジラ-1.04レビュー7.50点
2024-03-02ウェディング・ハイ5レビュー5.71点
2024-02-27落下の解剖学9レビュー6.75点
2024-02-17モガディシュ 脱出までの14日間7レビュー7.66点
2024-01-29哀れなるものたち7レビュー7.64点
2024-01-28TAR/ター6レビュー6.00点
ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ!のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS