エデンの東(1955) の くなくな さんのクチコミ・感想

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エデンの東(1955) の くなくな さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 エデンの東(1955)
製作国
上映時間115分
劇場公開日 1955-10-14
ジャンルドラマ,青春もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 これはジェームズ・ディーンの存在感につきる映画です。丸めた背中、すねた上目遣いの目、複雑で繊細な甘えたような感じ。好き嫌いは分かれると思いますが、彼には1度観たら忘れられない独自の空気があります。他のキャストも地味にいい感じですが、肝心の双子の兄役のリチャード・ダヴァロスがいまひとつ。完全にジェームズ・ディーンに食われていたのが残念です。
レイモンド・マッセイ演じる父親は確かに正しい人ですが、人の弱さや世渡りの上手さも悪として直そうとする偏狭的な考えの持ち主で、兄のアロンも以下同文。彼が弟を見る目は、こいつずるい、嫌い。と軽蔑しているのが丸見えで、弟をちまちまいじめる機会を逃しません。アブラは恋人のアロンに父親の指輪を川に捨てた話をしたかったと思います。でも、どうしても出来ない。こういうところにアブラの心変わりの原因があるんですが、彼は気付きもせず、全部弟のせいにしてしまいます。それに対する弟の仕返しが凄いです。兄はそれまでの勢いはどこへやら、借りてきた猫みたいに大人しく連れて行かれ、母親と対峙し、180度反転してしまいます。優等生のコケ方は大きいですね。最後のガラスを割ったシーンは秀逸です。父も兄も致命傷を負いました。最初、観た時はアロンが無事に帰ってくれればいいなと思いましたが、2度目に観た時、割れたガラスから首を出したまま行ってしまうシーンが、まるで断頭台の処刑に見えてしまい、ああ、彼はもう帰ってこないんじゃないかと思いました。結果として、弟は兄を追放して死に追いやり、父も追いつめたことになります。母親もおそらく、致命傷を負ったんじゃないでしょうか。確かにキャルは父を看取った後はこの町を出て、何らかの形で償うべきなのでしょう。そしてアブラも自分が原因の一端だと罪悪感を持って生きるのだと思います。ただ彼女は、この刺し違えた家族の、最後の崩壊を防ぐクッション役になり、少しだけ救われた感じです。でも、最後に場を収めたのが、あのしようもない看護婦だったということが1番面白かったです。
くなくなさん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-09 01:01:16)(良:2票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2009-07-15北北西に進路を取れ8レビュー6.98点
2009-06-10用心棒9レビュー7.97点
2009-04-30赤い河8レビュー7.70点
2009-03-31雨月物語8レビュー7.39点
2009-01-14キートンのセブン・チャンス9レビュー8.62点
2008-09-11ブリキの太鼓7レビュー6.85点
2008-09-03天空の城ラピュタ6レビュー8.71点
2008-06-16赤ちゃん教育6レビュー6.55点
2006-07-27波止場(1954)9レビュー6.31点
2006-07-10ウエスト・サイド物語(1961)9レビュー7.13点
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