ウィンチェスター銃'73(1950) の もっつぁれら さんのクチコミ・感想

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ウィンチェスター銃'73(1950) の もっつぁれら さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ウィンチェスター銃'73(1950)
製作国
上映時間93分
劇場公開日 1952-06-26
ジャンルアクション,ドラマ,ウエスタン,モノクロ映画
レビュー情報
《ネタバレ》 ショーウインドーの中のウインチェスター銃'73を捉えるカメラが、周りではやし立てる子供から大人へ、そして馬上の主人公の姿へと移動する。そのまま動き出す二人を追い続け、馬を世話する子供とのやりとりから女の話し声が聞こえてくるまでを長回しでワンショットに収めたオープニングショットに軽く痺れた。
更に画面が女の姿に切り替わり、話が核心に入ったところで周囲の雑音がスーッと消える。
アンソニー・マンという名前は聞いたことがあるという程度でしたが、この最初の2シーンを見て映像だけでなく音に関しても敏感さを持った作家なんだなと思い、最初の5分で早くも期待が膨らんできたような気がします。
特筆すべきは、縦構図のオンパレード。
銃を手前に画面奥からそれを羨望の眼差しで見つめる人物、平原を移動する馬車の後方を走るインディアン、コーヒーを持ってきたスティーヴが足を蹴飛ばされて画面手前に崩れ落ちるシーン、岩場へ逃げるダッチと追いかけるリンなどなど、あらゆる場面で縦を意識した映像が多く見られ、非常に見応えがあったと思います。
一方、車輪のぎこちない音にスリルを駆り立てる効果を与えたりする音の使い方も唸らされますし、ラストの銃撃戦も銃弾が空気を切り裂く音がストレートに臨場感を感じさせて、この音だけでメシ3杯はいける(笑)。
また、個人的な嗜好が続いてしまいますが、ラストで岩場に向かう二人の映像と「実はあの二人はだな・・・」という残った二人の会話をカットバックさせるのは凄く定番ではありますが、このセンスは大好きですし、「背後から撃つ」が単なる応酬ではなく最後に伏線である事が分かるのもこれまた面白い。おまけに、バーカウンターで牛乳が出てきて変な顔して飲むシーンも監督のユーモアが感じられて面白いです。
やはり、最後の銃撃戦は言わずもがな。最初のコンテストの時もインディアンとのバトルでもそうでしたが、ジェームス・スチュワートの銃捌きの鮮やかさがとにかく格好良く、岩の破片が弾け飛ぶ臨場感や無駄な弾を使った方が敗れるというセオリー通りの展開に加え、互いに撃ち合う二人の姿を1つの画面で捉えた縦構図の画面が出てきたりして、これはもう完全に自分好みの映画です。
ラストシーンで、銃をしっかりと中央に配置した画面を出すなど、最後まで抜かりない映像が続き、どこまでも良く出来た映画だなぁと思いました。
もっつぁれらさん [映画館(字幕)] 9点(2013-04-25 22:31:25)(良:1票)
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