2010年 の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ニ行
 > 2010年
 > ザ・チャンバラさんのレビュー
2010年 の ザ・チャンバラ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 2010年
製作国
上映時間113分
ジャンルSF,アドベンチャー,シリーズもの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 これはすごいです。誰がやっても文句の付く企画を本当に引き受けてしまったという、ピーター・ハイアムズの根性が。絶対に危ない企画とあってはスタッフも及び腰で、結果ハイアムズは製作・撮影・脚本・監督のなんと4役もやってしまっています。なぜここまで入れ込んだのでしょうか?「2001年宇宙の旅」のレビューでキューブリックは根性の据わったクリエイターだと評価しましたが、こっちはこっちですごい根性だと思います。まず間違いなく飛んでくるであろう評論家からの批判や、偉大なるキューブリック先輩の怒る顔が怖くなかったんでしょうか。作品のアプローチにしても、前作のやり方を完全に無視してやりたい放題。この方針変更はエイリアン1→2をも超えています。徹底して言葉を使わず映像で見せることにこだわり抜いた前作から一転、本作はしゃべるしゃべる。異様なまでに説明的なセリフの上にさらにナレーションまで加わり、すべてのことをご丁寧に説明してくれます。しまいにはモノリスもメッセージをくれます。しかもその内容が「人類はケンカせずに仲良くしなさいよ。土星に弟も出来たんだし」。さすがにこれには腰が砕けそうになりました。モノリスは人智を超えた存在じゃないといけないだろと。米ソのケンカにコメントしてどうすんだと。さらに驚いたのがボーマンの扱いで、前作のテーマは人類の進化であり、彼が人類のあらたな段階へ到達したことで映画は終わりました。しかし今回登場するボーマンは完全に幽霊扱い。進化した人類ではなく、デミ・ムーアにお節介を焼きたがるパトリック・スウェイジみたいになってます。スターチャイルドは一瞬しか登場せず、基本的には進化前の格好でうろうろします。地球に残した奥さんやお母さんにも会いに行ってしまいます。宇宙の誕生から現在に至る歴史をモノリスに教わり、既存の人類を超越した存在へと生まれ変わった前作の後半は一体何だったんでしょうか?HAL9000ともあっさり和解し、レオノフ号のクルーの安全を確認すると「じゃ、俺は天国に帰るわ」と言わんばかりの爽やかさで退場。他にも、前作が大事にしていた科学考証を台無しにしてしまったり(宇宙空間で音が…)、滅多にないほど無神経な映画でした。最初と最後に流れる「ツァラトゥストラはかく語りき」すら前作への冒涜に感じさせてしまうのですから。
ザ・チャンバラさん [DVD(字幕)] 1点(2009-09-28 00:47:17)(良:1票)
ザ・チャンバラ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-30IT イット “それ”が見えたら、終わり。5レビュー5.60点
2018-07-17オールウェイズ4レビュー6.46点
2018-07-09黒い家(1999)7レビュー4.31点
2018-07-09ストリート・オブ・ファイヤー4レビュー7.43点
2018-07-04復讐するは我にあり7レビュー6.67点
2018-06-26愛と死の間で3レビュー4.85点
2018-06-26スイッチバック4レビュー6.00点
2018-06-22ゴースト/ニューヨークの幻8レビュー7.02点
2018-06-22ビバリーヒルズ・コップ26レビュー6.23点
2018-06-18危険な情事7レビュー6.47点
2010年のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS