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Q.この映画の内容を10文字以内で表しなさい。
A.人間万事塞翁が馬 ひとりの男の人生を描くと言う意味では傑作。例の飛行機が突っ込むのをはじめ予期せぬ出来事が次々起こるもんだから、普通の映画なら「伏線ねーのかよ?!」と思ってしまうことでも、この映画の場合はむしろ人生がいかに不条理なことに満ちているかを雄弁に語る。それによって次第に免疫が出来、ラストの衝撃的な展開をスムーズに受け入れさせることに成功している。なぜ私が(あの人が)こんな目に、ってよくあるでしょう?まさに筋書きのないドラマ。人生なんて、そんなもん。だけど私はどうしても、グレン・クローズ演じる母親には賛同しかねる。名も知らぬ瀕死の兵士との間に愛はなく、単に自分の人生設計のために兵士は利用されたに過ぎない。いまやアメリカでは精子バンクによる人工授精も行われているが、考え方は本質的に同じであろう。欲しい時に精子をもらってお手軽妊娠、命がコンビニ感覚で生み出された結果生まれたのがガープ。彼もまた、彼女にとって自分の人生設計を創り上げる道具としての価値しかない。彼は生涯その呪縛から逃れることは出来ず、本来なら離婚間違いなしの出来事を経ても母親に説得され諦める。「あなたのやっていることは傷口に塩を塗りこむようなものよ」そう母親は言ったが、彼女は息子ガープの傷をどれだけ理解していたのか?彼女は本当に息子を愛していたか?子供には子供の人生があるのだから、子供を親自身の人生と混同し、利用する親には不快感しかない。そしてガープは、母親の人生の犠牲者となってしまった。 【合言葉は埜波と軍曹/埜波(のなみ)】さん 6点(2004-06-28 00:17:03)
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