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《ネタバレ》 映画の終盤近く、強盗団から逃れた少年と少女が束の間の休息をとっている。
そのままクレーンのカメラが昇っていくと、 晴天なのか曇天なのか白い空に黒々とした木の枝が映し出される。 この後、二人は機関車に乗って晴れて故郷へと向かうのだが、 その長閑で爽快なはずの空と木の図象は、白地に黒い亀裂が入っていくような、 何やら不穏で禍々しいものとしても迫ってくる。 果たしてその予兆通り、乾いた悲劇が二人を待ち受けるのだが、 それが暗示を意図したショットであるのかどうかは定かでない。 ともあれ、こうしたモノクロの優位を活かした画面造形の妙は全編に見られる。 雪や吐息・湯気・子豚の白、機関車や泥土の黒。 手持ちとロケーションを主体としながら、計算されたかのように それら白と黒が絶妙に配置されており、 さらにその中に様々なアクションと音楽性が組み込まれる様は何度みても驚異だ。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-06-23 00:54:17)
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