ミスティック・リバー の Qfwfq さんのクチコミ・感想

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ミスティック・リバー の Qfwfq さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ミスティック・リバー
製作国,
上映時間138分
劇場公開日 2004-01-10
ジャンルドラマ,犯罪もの,ミステリー,刑事もの,小説の映画化
レビュー情報
映画を見ていると自分が何を考えているのか分からなくなる時がある。「ドッグヴィル」ではあれほど高揚し自ら道徳の破壊を二コール・キッドマンに託したにもかかわらず、この映画におけるショーン・ペンの罪を川底へ沈めようとする姿勢には苛立ちを覚える。「スリーパーズ」でのラストのパーティーで、復讐の後のたった一瞬の安息に胸を下ろし「これでよかったんだ」と思いつつ、「ミスティックリバー」におけるパレードでの人間模様の重層にただ戸惑う。この映画には見えやすい形としての厳然な罰がない。もし私がこの映画の脚本をやったとすれば、ジミーに対し厳然たる罰を与えてしまうだろう。そうすれば人物達の悲劇が見せかけ上では、等価になる。しかしそれは映画を完結させるための逃避であり、多くの映画はそこで作品への誠実さを失う事になる。「ミスティック・リバー」はそういう見せかけの倫理の奴隷になることなく、運命のおもむくままに25年間変わらない場所でうごめいていた悲劇の胎動を、それこそ厳然とした態度で我々に見せつけた。そこに平等や等価はあるはずがないのだ。と書きつつも心の中では何も消化されていない。多分私はこの映画を全く理解していないのだろう。10点というのはイーストウッドの映画術に対してあげたものである。ここに書いたレビューだって所詮はイーストウッドという本格の周りをただうろついているに過ぎず、この映画に対しては否定も肯定もできない。ただ、一つ言えるのは終盤のシーン――ジミーとその妻が支配者云々を語り抱き合う――は前半のデイヴが犯した罪にたいして妻と語り合ったシーンと「弱さ」という点で酷似しているということ。そう考えるとこの映画は正義とか、アメリカの傲慢さという話とは全く無関係だと思うのだが・・・
Qfwfqさん [DVD(字幕)] 10点(2005-04-15 16:33:45)(良:4票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2008-11-25TOKYO!9レビュー6.00点
2008-11-20罪の天使たち10レビュー7.00点
2008-07-29接吻 (2006)10レビュー6.75点
2008-04-28プラネット・テラー in グラインドハウス6レビュー6.47点
2008-04-10ノーカントリー7レビュー6.42点
2008-01-10恐怖分子10レビュー7.16点
2007-12-18呉清源 極みの棋譜8レビュー6.00点
2007-10-29めがね6レビュー5.64点
2007-09-27トランスフォーマー6レビュー5.70点
2007-09-20ロストロポーヴィチ 人生の祭典9レビュー6.40点
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