妻として女として の 青観 さんのクチコミ・感想

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妻として女として の 青観 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 妻として女として
製作国
上映時間106分
劇場公開日 1961-05-30
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 凄いねえ!女の恐ろしさと男の駄目さ加減がここまで徹底して描かれているのがまずは何よりも凄い。そして、その凄さを表現して見せているのは二人の女優、高峰秀子と淡島千景、更にそんな二人の間でただただウロウロしているだけの駄目亭主ぶりの森雅之、妾である高峰秀子と正妻淡島千景の女同士の凄まじいバトルの間で何一つとして出来ずにいる森雅之の駄目ぷりが素晴らしい。こういう駄目男、そして、常に何かに対してイライラしている男のだらしなさを演技させるとより凄さを発揮するその名演技ぶり、成瀬監督らしい女の強さと弱さ、男のだらしなさを描く中で高峰秀子と飯田蝶子のやりとりの可笑しさが単なるドロドロした作品でない面白さを見せてくれている。この映画、高峰秀子の友達が皆、誰かしら男がいて愛人であるというのも面白い。また、水野久美の女スパイもこれまた似合いすぎだし、キャスティングの妙とでも言っていい面白さというものがある。星由里子の可愛さも印象に残るし、そんな星由里子が二人の女、高峰秀子と淡島千景に向って吐く捨て台詞における強烈なまでのパンチ、家を出た二人、弟と最後、映画でも観に行こうかと去っていく終わり方も成瀬監督ぽい。あの二人が観に行った?本当は観に行かなかったのかもしれない?が何の映画を観に行ったのか気になる。観る者に対し想像させる力をここで教えてくれているような感じがするのもこの映画の良いところではないだろうか!それにしても浮気は金がかかるけど本気は金がかからないなんて台詞が出てくるのを聞いたりすると、そういうものかな?と考えたくもなるし、これを観たら恐ろしくて私など浮気なんて絶対に出来なくなる。そういう色んなことも真剣に考えさせる力の持った作品だと思いました。現在、きちんとした奥さんがいるにも関わらず別の女と浮気中のあなた!若しくはこれから浮気しようなどと本気で思っているあなた!そういう方にこそ見せて女の恐ろしさを教えてやりたいと監督がまるで言っているようでもあり、いやはや、本当に怖い。怖い。
青観さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-07-21 14:38:10)
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