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《ネタバレ》 ◆敏腕サラリーマンがアルツハイマーになり、人生の「負け組」となるのですが、献身的な妻の介護により仲むつまじく暮らしていくというお話です。◆堤監督の斬新な撮影法と、割と起伏の少ないストーリーとの間のギャップが心配でしたが、杞憂でした。例えば、話としてはただ主人公が道に迷っているだけなのですが、ちょっと耳障りな音楽と独特なカメラワークによって、ちゃんとハラハラする。しかし一方で、その演出が不快でもありました。画面がブれたり、回ったり、不安を掻き立てるようなバイオリンの音楽が流れると、大画面で見ている分酔いそうになります。◆内容ですが、結構ベタでした。ただ、S・O氏が生きていたことについては素直に驚きました。と同時に、この映画で唯一泣けたのはS・O氏と主人公とのシーンです。彼が生きていたことについての驚きと、複雑な社会で生きてきた主人公に対して「必要なのは食い物と酒と女だけだ。」というシンプルだけど、原点を突いている言葉に涙が出ました。二人で焚き火を囲んで飲み食いするシーンは、シンプルながらもとてもいいシーンです。◆主人公とその妻を演じた役者二人はとても自然な演技をしていて見事でした。ただ、ミッチーは、もうちょっと、淡々としゃべってもらいたかった。いささか熱すぎました。◆全体的にいい映画でしたが、中盤が少しだれたのと、映し方がすこし不愉快であったこと、ラストが弱かったこと、無駄なシーンが目立ったことなどを考えて7点を献上させていただきたい。ただ、見る価値は十分にあると思います。
【もりたろう】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-06-18 19:41:27)
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