高慢と偏見(1995)<TVM> の レイン さんのクチコミ・感想

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高慢と偏見(1995)<TVM> の レイン さんのクチコミ・感想
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キーラ・ナイトレイの「プライドと偏見」とは倍以上の尺の差があるので単純には比較できないが、おそらくこれと映画の「分別と多感」(「いつか晴れた日に」)がジェーン・オースティンの映像作品の双璧をなすものであろうと思う。 リジーとダーシーの複雑な恋模様もさることながら、彼らをめぐる人々のスノビッシュな描写が強烈。 オースティンの筆致は俗な人物を描く際に最も冴えわたるのだが、それをさらに誇張しているので大変なおかしみを呼ぶ。 ミセス・ベネットを筆頭にコリンズ牧師、レディ・キャサリン、ミス・ビングリーといったところは何度見ても愉しく、これは映画のおよばぬところ。 コリン・ファースは、身分高くありながら眼光鋭い檻の中の動物を思わせるダーシー。 誇り高く生きるよう育てられた彼は自分で自分を閉じこめており、吐く言葉も不遜なものとなってしまう。 一方リジーも鋭くはあっても口が過ぎ、自分の判断を過信している娘。 気難しい、だが邪心のない2人を序々に変わらせ歩みよらせるのに十分な時間をとり、決定的に結びつけるのは最も不愉快な人間たちとアイロニーもきかせる。 ファースにとっては再び彼を注目させる作品となった。 地味め美女ジェニファー・イーリーのリジーは華やかに見せるためか姉ジェーンとのツーショットが多いが、ジェーンのリジーとは対照的な鷹揚さも魅力であり、ピアノによる音楽は映画は優美、こちらは軽快とそれぞれ作品の持ち味を出している。 難があるとしたらベネット家の猥雑さ、わけても末妹リディアの稚気が作品全体の品まで下げてしまっており、映画のジェナ・マローンがまだしも好ましく思えることか。 (ずっとエクスペンシブだったソフトが、来月ようやくリーズナブルに! 13/9/15)
レインさん [CS・衛星(吹替)] 8点(2009-12-10 01:02:28)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2013-12-31コン・ティキ8レビュー6.75点
ブライト・スター/いちばん美しい恋の詩(うた)8レビュー6.75点
カッレくんの冒険7レビュー7.00点
ガールズ6レビュー6.00点
長ぐつをはいたネコ(2011)7レビュー5.81点
2013-10-10汚れた血8レビュー7.20点
2013-10-09ボーイ・ミーツ・ガール6レビュー6.18点
2013-10-08イブラヒムおじさんとコーランの花たち8レビュー5.78点
2013-10-07ル・アーヴルの靴みがき7レビュー7.14点
2013-10-06サイン7レビュー4.15点
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