劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語 の ばびぃ さんのクチコミ・感想

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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語 の ばびぃ さんのクチコミ・感想
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《ネタバレ》 ◆映画やドラマには「ジャンル」と言われる縛り、言ってしまえば「お約束」というものがある。これが中々曲者で、縛りすぎると「つまらない」となってしまうし、ゆるめすぎると「何だこれ?」となってしまう。つくづく観客という者は勝手な思い込みを押しつけてしまっている、やっかいな存在なのかもしれない。◆だが、そのジャンルの理を少し外れた作品にこそ、傑作が潜んでいるから侮れない。この作品を知ったのは実はテレビ版がオンエアされてから随分経った後の地下鉄の車内。中吊りが「まどか☆マギカ展」なるイベントの告知で占拠されていた。ぱっと見はほんわかした美少女たちの群像だが、タイトルの不思議な語感が気になり調べてみると、「深夜アニメ」でかなり評判どころか、文化庁のメディア芸術祭大賞までかっさらっていたのだ。それからレンタルDVDでテレビ版を鑑賞したのだが、予想不可能な世界が展開されていて、ずぶずぶと魔界に引き摺り込まれてしまった。◆「魔法少女」という4文字がすでにミスリードとなっており、見る者にある種の予断を与える。きっと魔法で何とかなる、というような、予定調和的予断を。最初は世界設定含めての説明なので、やや冗長に感じるが、ある「出来事」をきっかけに、舵は海図無き予想外の方向へ切られていく。監督が「魔法少女」の4文字にこだわったのも分かる気がする。◆物語内の世界が近代都市的な表現ならば、対比する異空間は現代美術の世界に放り込まれたような異空間。でも決してグロテスクなだけでなく、気味悪さの中にかわいらしさも含んだ不思議な空間だ。登場人物たちが予測できない一歩先を我々見る側にも与える、破壊力抜群の演出だ。もし可能なら、3Dで見てみたいくらいだ。◆本作はテレビ版の再編集だが、テレビ版編集者による編集と言う事で流れのつかみやすいまとめになっている。編集者の腕は作品の流れを大きく左右する。分かりやすく見やすい流れだ。◆物語は人間の持つ「愛憎」「明暗」など、相反する2つの思いを軸にドラマが紡がれていくが、登場人物は最小限に絞り込まれているので混乱する事はないだろう。14歳の少女が背負うにはあまりにも酷で重い選択。そこにつけ込むキュゥべえのロジックが現代社会へのある種の皮肉を含んだ暗喩として考えさせられる。◆物語全体の印象については後編に譲るが、見た目で避けるにはもったいない作品だ。
ばびぃさん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-14 09:28:18)
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投稿日付邦題コメント平均点
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