シャイニング(1980) の Roxy さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > シャイニング(1980)
 > Roxyさんのレビュー
シャイニング(1980) の Roxy さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 シャイニング(1980)
製作国,
上映時間143分
劇場公開日 1980-12-13
ジャンルホラー,サスペンス,シリーズもの,小説の映画化,オカルト映画
レビュー情報
“例えて言うならこれはキャデラックのようだ。見かけは大きくて立派に見える。おまけにとても煌びやか。しかしいざエンジンをかけてみたら,その動きは鈍重なことこの上ない”シャイニングを評してキング自身が述べた言葉である。ものが重量級なのはどっちもどっちなのだが,私もおおむね彼の意見に賛成だ。しかし,映像としての本作を,キング御大ほど毛嫌いするわけでなく,むしろ魅了される側の人間である。ただ,この物語を的に据える出発点が,2人の巨匠の場合決定的に隔たっていた。煎じ詰めればそういうことに尽きる。思うにキューブリックの世界とは,白亜の殿堂の奥に鎮座する大理石でできた100インチの大画面で観賞するようなものであるのに対し,かたや“第一創造主”であるキングの思考ベクトルはパブロン中毒さんが書いたように,いたってノーマルなアメリカ人男性のそれと同じである(と,いろんな作品からそう推測する)。彼が書いたのは,息子を愛するがゆえにオーバールックの悪霊にたぶらかされていく男の姿。行間に込めたのは,崩壊した家族の再生と淡い未来への希望である。反してキューブリックは圧倒的な映像美を展開するために,それらの一切を引き出しにおさめてしまった。これでは,両者が交わる地点など最初から約束されていないのも同然だ。キングが怒るのもむべなるかな……と,ここまではキングファンとしての意見で,冒頭にも書いたように,私はキューブリックの審美眼はすばらしいと思う。少々小難しいものの,ゴシックホラーのたどるべき道筋はちゃんとおさえてある。首筋の後ろ辺りがちりちりしてくるような怖ろしさを醸し出すのはさすがの手練。しかし,その点においてキングもキューブリックも卓越した力量の持ち主であるのが,あまりに皮肉である。
Roxyさん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-23 23:14:06)(良:1票)
Roxy さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2007-09-24バタフライ・エフェクト/劇場公開版8レビュー7.49点
2007-06-12スパイダーマン38レビュー6.38点
2007-06-12時をかける少女(2006)9レビュー7.24点
2006-12-29スーパーマン リターンズ6レビュー6.30点
2006-12-29硫黄島からの手紙8レビュー6.89点
2006-10-16男たちの大和 YAMATO6レビュー6.29点
2006-07-20ターミネーター29レビュー8.56点
2006-07-19バック・トゥ・ザ・フューチャー10レビュー9.01点
2006-07-18CUBE8レビュー7.49点
2006-07-18アイス・エイジ7レビュー6.19点
シャイニング(1980)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS