さらば、ベルリン の パブロン中毒 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > サ行
 > さらば、ベルリン
 > パブロン中毒さんのレビュー
さらば、ベルリン の パブロン中毒 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 さらば、ベルリン
製作国
上映時間105分
劇場公開日 2007-09-22
ジャンルドラマ,サスペンス,モノクロ映画,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 この作品は映像を楽しむものではなくて、「謎解き」のほうがメインなのではないかと思います。
クルーニーとかブランシェットを投入して過去の名作を濃厚に匂わせるなどしてしまったので、もっと雰囲気やムードを楽しませてくれるかと期待されがちだが、そんな意図は全然なく、「謎解き」や、「歴史」との絡みで唸らせることを狙ったのではないかと思う。
そういう意味では、バホ「ブラックブック」とかのほうが近いのではないか。
この作品のミソはどこなのかと聞かれたら、私なら「エミール・ブラントにトドメを刺したのは誰だったのか」と答えるなあ。
「英語がしゃべれない」というのは嘘に決まっている「元ドイツ人警察官」の無口なおっさんだが、「なぜ彼がエミールを殺したのか」ということを考えるととても面白い。
なぜなら、私はバーニーがレーナとエミールを裏切って殺したというふうには思っていないからだ。バーニーは「自分の指示だった」ということを一度も言っていないと思う。また、レーナはトドメを刺されていないから、殺意は明らかにエミールだけに向けられていたということもある。
バーニーはマラーたち米軍に「待ち合わせ場所」を密告したかもしれないが、「殺し屋」まで送ってはいないと思うのだ。1人目の殺し屋は米兵だった。
米兵が失敗したあと、例のおっさんは動き出すのだが、これがバーニーの指示だったというふうには、私は思わない。なぜならバーニーは密告しているので「軍がエミールの口をふさぐ」ということを知っているわけなので、「もしも失敗したときのために部下を配置する」ということは「介入」になり不自然だ。
百歩譲って「観察」のために部下を配置したのだとしても、「失敗したら殺せ」という命令をバーニーがしていたとは、私は考えない。
おっさんがバーニーの命令ならずしてエミールを殺した理由を考えてみるのはおもしろいと思う。
おっさんはもしかして「元ドイツ人警察官」ではなくユダヤ人なのか。ドーラでの非人道的行為に対する復讐だったのか。それともやっぱりドイツ人で、ドーラでのことを公にされたくないという「死んでいるヒトラーもしくは上層部からの」指示を忠実に守ったのか。もっと言えば、おっさん自身がドーラでの行為に関わっていたのか。
そのへんのことを明らかにしないまま終わるところが、ミソなのかなあと思う。
パブロン中毒さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-19 15:27:32)
パブロン中毒 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2012-06-13オアシス8レビュー7.36点
2012-05-20フィリップ、きみを愛してる!8レビュー5.88点
2012-05-20瞳の奥の秘密7レビュー7.30点
2012-05-13渇き(2009)8レビュー6.35点
2012-05-05プレシャス8レビュー5.66点
2012-04-10シェルター5レビュー4.42点
2012-04-06人生万歳!7レビュー6.75点
2012-01-15ブエノスアイレス9レビュー5.84点
2012-01-03ハンサム★スーツ5レビュー5.95点
2011-12-19リダクテッド 真実の価値5レビュー5.94点
さらば、ベルリンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS