シン・レッド・ライン の パブロン中毒 さんのクチコミ・感想

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シン・レッド・ライン の パブロン中毒 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 シン・レッド・ライン
製作国,カナダ
上映時間171分
劇場公開日 1999-04-10
ジャンルアクション,ドラマ,戦争もの,小説の映画化
レビュー情報
「細く赤い線」とは、生と死を分ける一線である。その「線」を引いていくのは神であり、兵士たちは神がどのような基準で線を引いていくのかだけを知りたがる。死を間近にした人間は、どうやら神と自分とのサシの対話の世界に入っていくらしい。死の病を宣告された人を思わせる。それがこのウィットのモノローグであるように思う。
現地人の営む穏やかな生活。同じ人間である彼らとの違いは何なのか。知恵の実は欲望とセットであり、それを食べたら二度と元には戻れない。知恵の実が文化を生み欲望を連れてきて、欲望が「大いなる悪」を生む。ウィットも私たちもあの現地人と同じ生活はできないのだ。
ニック・ノルティの怪演は鬼気迫る。すでに「棺桶に入っている」と自覚している彼。「どうせ死なせるなら、事前に恐怖を感じることなく死なせてやろう」という彼。なので下手に無駄死にを防ぎたがる大尉の存在は邪魔である。そんな自分の立場を「なんで自分がこんな役割を」と思っているがもちろん誰にも打ち明けることはできない。狂気に見せかけた孤独な指揮官。
ガダルカナルを守備する日本軍に、あのような攻撃を行う弾薬が残っていたとは到底思えない。また、日本兵のセリフにネイティブの日本人とは思えない発音の不自然さがある。世界中の観客のうち、これを理解するのは私たちだけであるので指摘しておかねば。
また、神との対話を続ける彼らと比べて、日本兵は何を考え何を祈っていたのか。「南無阿弥陀仏」で片付けられては到底納得できない。
ここで死んでいった米兵たちは、「マジェスティック」におけるルークなのかもしれない。ルークの墓の前に立つピーターと対峙している若者たちなのだ。そう思いながら見てみると味わい深い。
どうやって撮ったんだという見事なカメラワーク、今なら間違いなく手ブレで撮るだろうが、ブレないで疾走する這うような映像、やっぱりこうでなくちゃ。手ブレ映像FUCK YOU 。

パブロン中毒さん [DVD(字幕)] 8点(2006-09-14 15:02:51)(笑:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
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2012-05-20フィリップ、きみを愛してる!8レビュー5.88点
2012-05-20瞳の奥の秘密7レビュー7.30点
2012-05-13渇き(2009)8レビュー6.35点
2012-05-05プレシャス8レビュー5.66点
2012-04-10シェルター5レビュー4.42点
2012-04-06人生万歳!7レビュー6.75点
2012-01-15ブエノスアイレス9レビュー5.84点
2012-01-03ハンサム★スーツ5レビュー5.95点
2011-12-19リダクテッド 真実の価値5レビュー5.94点
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