ノーカントリー の マンフロント さんのクチコミ・感想

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ノーカントリー の マンフロント さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ノーカントリー
製作国
上映時間122分
劇場公開日 2008-03-15
ジャンルドラマ,サスペンス,犯罪もの,小説の映画化,バイオレンス
レビュー情報
シガーは「悪」であるか?
シガーにとってのルールは強者には弱者を殺す権利があるということだ。それは普通の人が良心の呵責なく罪もない牛豚を殺すようなものだ。屠蓄銃で人を殺すのはシガーにとって他の人間を殺すことが家畜を殺すようなものだからだろう。彼から見れば「汝殺すなかれ」という一般社会のルールなど、殺されず安心して暮らしたいという弱者連合の社会が決めた勝手な決まりごとにすぎない。一旦戦争になれば大量に殺せ、というように国家が勝手に決めている一時的まやかしにすぎない。自然界のルールは弱肉強食だしアメリカの社会自体のルールも基本は強者による自然淘汰である。彼がやっていることは国家間で強国アメリカがやっていること、異種生命間で強種人類がやっていること、企業間で強社独占企業がやっていることを、身近な人間の間でやっているだけだ。
彼から見れば弱者連合社会のルールに守られた家畜のような人間が、弱肉強食のぎりぎりの世界で自由に生きる強者の自分に、馴れ馴れしく世間話することは我慢できない侮辱だろう。彼からみれば他の一般人や社会は軽蔑すべきものなのだ。年老いて弱者となり殺される側になったとき、シガーはそれを当然と受け止め死んでいく運命を淡々と受け入れるのだろう。もちろん完全に息の根を止められない限り、しぶとく傷を治してどこまでも生き続けようとするだろうが。シガーのような社会が勝手に決めたルールの圏外で生きうる強者に、弱者連合社会の一介の被雇用秩序管理役に何ができるだろう。モスの妻のように良心や感情に訴えても無駄である。彼を止められるのはより大きな運命の偶然だけだろう。
マンフロントさん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-31 21:58:04)
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投稿日付邦題コメント平均点
2019-08-09(500)日のサマー8レビュー6.60点
2009-10-27プライド(2008)8レビュー6.38点
2009-09-04愛のむきだし9レビュー7.15点
2009-04-03ヤッターマン(2008)8レビュー5.15点
2009-03-12ジェネラル・ルージュの凱旋7レビュー6.29点
2008-11-26うた魂♪9レビュー5.96点
2008-08-31ノーカントリー8レビュー6.42点
2008-04-25キサラギ8レビュー7.51点
2008-04-04亀は意外と速く泳ぐ8レビュー6.50点
2008-03-07それでもボクはやってない8レビュー7.60点
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