家族ゲーム の なんのかんの さんのクチコミ・感想

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家族ゲーム の なんのかんの さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 家族ゲーム
製作国
上映時間106分
劇場公開日 1983-06-04
ジャンルドラマ,コメディ,ファミリー,青春もの,小説の映画化
レビュー情報
あえて焦点を絞りきらない作品という気がした。何か滑稽でいながら不気味なものが描かれているんだけど、それがはっきりしない曖昧なままくっきりと(!)提示されてる感じ。くっきりと提示された曖昧さ、ってつまり「夕暮れを完全に把握しました」っていうようなこと。曖昧さは周囲に充満しているんだけど、それを焦点を絞らないまま明晰に描ききった労作。それは思春期の曖昧さでもあり、家族というものの曖昧さでもある。映画は登場人物の人物像を結ばない。いわゆる「人間が描けてる映画」にはしていない。登場人物は人と関わることでのみ描かれ、ぼそぼそとした会話と行動だけが手掛かりだ。その会話を含むリズム感が抜群で、二度目に殴られても鼻血が出ないあたり、先生のガールフレンド美人ですか? と尋ねられてゆっくりハンカチを取り出すあたり、おかしい。これを最初に観た当時は想像することも出来ないことだったが、ラストのヘリコプターの音、サリンを撒いてるオウム真理教を今回はふと思った。カーラジオで事件が起こってないか確かめたり、そういうことにつながってもおかしくないような不穏の気配は、曖昧な夕暮れのようにひしひしと迫っていたのだ。それにしても監督が亡くなっても、もう夭折と言われないだけの時がたってしまっていたのだなあ。その間に松田優作の若死、伊丹十三の自殺、と不幸もあった。戸川純より健全そうだった妹さんの自殺もあった。ちょっとだけ顔見せた清水健太郎の逮捕は何度もあったなあ。
なんのかんのさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-14 10:06:55)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
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