砲艦サンパブロ の 称えよ鉄兜 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ホ行
 > 砲艦サンパブロ
 > 称えよ鉄兜さんのレビュー
砲艦サンパブロ の 称えよ鉄兜 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 砲艦サンパブロ
製作国
上映時間195分
劇場公開日 1967-03-18
ジャンルドラマ,戦争もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 キャンディス・バーゲンは撮影当時19歳だった。 瑞々しくて実にかわいい。 スティーブ・マックィーンが彼女をキャンディバーと言ってからかっていたという。 出演者の演技がすばらしい。 微妙な顔の表情、目の動きに注目。 1920年代の中国、蒋介石の国民党が共産党を排除しようという内乱状態の中でのアメリカ海軍の砲艦、その乗員の行動が描かれている。 砲艦の名はサンパブロ。 乗員は皮肉でサンドペブルスと呼んでいる。 sand pebbles、路傍の小石、砂粒とでも訳せばよいのか。 自分達の惨めな立場、生活を卑下した呼び名。 しかしこれが映画の原題「The Sand Pebbles」になっている。 時代に翻弄された人々を描いた作品にこの題名。 実に深いではないか。 この映画はベトナム戦争への批判なのだろうか。 コメンタリーの中で撮影当時ようやくベトナム関連のニュースがぼちぼち聞かれるようになってきた時期で、後にベトナムがどれだけアメリカにとって大きな意味を持つのか想像できなかったと語られている。 映画の公開は1966年。ちょうど戦争が本格化して行った頃。 この時期にベトナム戦争批判映画というのはちょっとタイムリーすぎる感じだ。 だが確かに他国への介入に対して批判的な空気は読み取れる。 しかし久しぶりにこの映画を観て感じたのはいつの世も宣教者(映画ではmissionary。 今風に言えばボランティアか)というのは身勝手で回りに迷惑をかけるんだなということ。 純粋であるがゆえに、あのような状況になったとき始末に終えないということか。 主人公ジェイクホーマンは機械を愛する孤独な男。 大昔の初見時ホーマンが助からなかったことに不満を感じたが、見直してみると彼がサンパブロ乗艦後図らずも回りに大きな影響を与え、多くの死に関わることになったことを考えるとあの結末しかありえなかったのだと納得する。 愛して止まない機械の横で息絶えたホーマン。 実に心憎い演出といえよう。
称えよ鉄兜さん [DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2007-08-20 16:36:41)
称えよ鉄兜 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-09-22ジョン・ウィック:コンセクエンス5レビュー6.88点
2020-09-02ライフ(2017)4レビュー5.67点
2018-02-22スター・ウォーズ/最後のジェダイ8レビュー5.79点
2017-06-20メッセージ5レビュー6.42点
2016-09-21ハドソン川の奇跡9レビュー7.35点
2016-03-02ブレードランナー/ファイナル・カット10レビュー7.62点
2016-01-08タワーリング・インフェルノ10レビュー7.70点
2016-01-08007/スペクター8レビュー6.43点
2016-01-07ブリッジ・オブ・スパイ9レビュー7.16点
2015-11-25オデッセイ(2015)8レビュー6.82点
砲艦サンパブロのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS