カンタベリー物語(1972) の にじばぶ さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > カ行
 > カンタベリー物語(1972)
 > にじばぶさんのレビュー
カンタベリー物語(1972) の にじばぶ さんのクチコミ・感想
作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 パゾリーニだが、この『カンタベリー物語』を観るまでは、イマイチ好きになれなかった。

この作品もいわば「義務的」にやっつけるつもりだったのだ。
しか~し、これが何とも面白い作品で、見事にハマってしまった。

この作品は『デカメロン』『アラビアンナイト』と並ぶ、P.P.パゾリーニ“艶笑三部作”の一つでもある。

何個もの挿話から成り立っており、オムニバス作品の様な形式で話が進んでいく。

つまらない挿話もあるにはあったが、これがなかなかの粒揃い。
基本的に映画で笑わない(笑えない)この私が、思わず吹出してしまう挿話が何個もあった。

その中でも笑いまくってしまったのが、ニネット・ダヴォリがちゃらんぽらんな主人公を演じた三番目の挿話である。

ニネット・ダヴォリは、P.P.パゾリーニの作品では常連の俳優だ。
いつも訳のわからん役ばかりだが。

でも、今回の作品における彼の演じる青年は、殊のほかオカシイ。
なんだか分からないけど、常に“ニヤニヤ”しているのだ。

あげくの果てに、そのちゃらんぽらんさが災いして、“ギロチンの刑”に処されることとなるのだが、首を板にはめ込まれた後でも“ニヤニヤ”である。

この終始馬鹿にした様な彼の振る舞いに、見事に引き込まれてしまった。

処刑されるわけだから、かなりシビアなストーリーであるはずだ。
だのに、それだのに・・・
それを微塵も感じさせない彼の“ニヤニヤ”は、もはや神がかり的でさえある。

この挿話によって、ニネット・ダヴォリ、そしてP.P.パゾリーニにハマってしまいそうだ・・・


そして、この作品が、ベルリン映画祭の最高賞(金熊賞)を獲っているのだから凄い。
何たることだ。
にじばぶさん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-01 20:42:11)
にじばぶ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-27木靴の樹1レビュー6.00点
五番町夕霧楼(1963)6レビュー6.75点
2024-04-26Sexual Drive4レビュー4.00点
2024-04-25ゼア・ウィル・ビー・ブラッド4レビュー6.40点
2024-04-22J0053113レビュー3.00点
2024-04-21白夫人の妖恋4レビュー5.25点
2024-04-2119歳6レビュー6.00点
2024-04-21紅の流れ星7レビュー6.60点
2024-04-20原宿デニール8レビュー8.00点
2024-04-20荒馬と女6レビュー5.38点
カンタベリー物語(1972)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS