借りぐらしのアリエッティ の サムサッカー・サム さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > カ行
 > 借りぐらしのアリエッティ
 > サムサッカー・サムさんのレビュー
借りぐらしのアリエッティ の サムサッカー・サム さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 借りぐらしのアリエッティ
製作国
上映時間94分
劇場公開日 2010-07-17
ジャンルファンタジー,アニメ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 例えば、田舎から出てきた意地っ張りで、でも傷つきやすい魔女の少女が海のみえる街で出会った少年と二人で彼の作った自転車に乗って、ようやく心を開いて打ち解けることができたのに、彼の都会的でお洒落な女性の友達を見ると、それは当然のことだって分かってるのに、彼は絶対に悪くないって理解してるんだけど、悲しいような悔しいような言いようもない思いに気持ちはうつむいてしまう。そんな少女の繊細な心の機微をみずみずしく切り取った演出を観たとき、人間描写の細かさにただただ関心し、男ながらにその少女と気持ちを共有した思い出がある。今回「アリエッティ」を鑑賞してそんなことを思い出した。自分はもう一人前で父さんと一緒に借りだって出来るし、立派なマチ針の剣もあるから怖いものなのなんてない。そう思っていたのに借りの失敗はおろか、存在を気づかれ家族を危険にさらしてしまう。そんなときに角砂糖の下の「わすれもの」。これを見たときの翔の善意に対しての自分の無力さや小人の掟の間で揺れるアリエッティの心の機微を僕は共有していたと思う。監督は違うといえど、ジブリらしさを感じた瞬間。嬉しいものだ。ただ、尺の短さ故に薄味なのも事実。人間と小人の互いの長所と信頼で活路を見出せるし、ハルさんは「絶対捕まえてやるぅっ!」って言っている。危険な森という場も立っていることだし、もうひとつ物語にヤマを入れても良かったのではと感じる。しかし小人の生活のアイデアや、借りのユニークさに見られる美しい映像や抜かりないディテールはやっぱりジブリクオリティ。個人的には大満足。必死に生きる小人との交流で翔に芽生えた感情も良く描けている。物語に未消化の部分もあるが、ジブリらしい芯が強く美しい女性像の流れを汲むヒロインを僕は好きになった。
サムサッカー・サムさん [映画館(邦画)] 8点(2010-07-21 13:03:27)(良:1票)
サムサッカー・サム さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2023-08-04トランスフォーマー/ビースト覚醒7レビュー6.45点
2020-02-091917 命をかけた伝令8レビュー6.53点
2020-01-17ペット・セメタリー(2019)7レビュー5.50点
2019-12-19スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け9レビュー6.76点
2019-12-02ゾンビランド:ダブルタップ7レビュー6.70点
2019-11-21ドクター・スリープ8レビュー6.18点
2019-11-13エンド・オブ・ステイツ5レビュー5.84点
2019-11-09ターミネーター:ニュー・フェイト8レビュー6.01点
2019-10-23クロール -凶暴領域-6レビュー6.52点
2019-10-09IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。8レビュー6.00点
借りぐらしのアリエッティのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS