映画 聲の形 の はち-ご= さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > エ行
 > 映画 聲の形
 > はち-ご=さんのレビュー
映画 聲の形 の はち-ご= さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 映画 聲の形
製作国
上映時間129分
劇場公開日 2016-09-17
ジャンルドラマ,ラブストーリー,アニメ,青春もの,学園もの,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 妻投稿■■■■■■この映画を見て思ったことは「あの植野ってアマを殴りてぇ」という事だ。勿論グーでだ。物事の騒動はほとんどこいつのせいだ。こいつは自分の願望を叶えたいばかりに他人を偽善者として見下し、自分勝手な理由で相手に罪悪感を感じさせ、被害者意識丸出して喋っているうちに熱くなって暴力を振るう。(抵抗できないという意味での)弱い人間を洗脳して支配するタイプだ。将来はあのメガネの担任みたいな奴になるんだろうな。■■■■■■■■じゃあなんで彼女は殴られないのか。リアリティーの為か? いや、この映画でのリアルは手段であって価値ではないはずだ。リアルが価値ならば成立しない場面がいくつもある。■■■■■■■■■■■■この物語は障害者の物語ではなく、「いじめをしていた」「いじめを黙認していた」「いじめから逃げた」「いじめを自己肯定している」人間の物語だ。この映画ではいじめの中心人物だったヤショウが一番まともに見える。その行動が自己救済を動機にしていたとしても(これは「いじめてたのは自分だけだ」という言い訳にも現れており、監督はあえてそれを隠していない)、そもそもいじめに死ぬほどの罪悪感があるからこそ自己救済が必要なわけであって、結果的に少しずつ被害者や家族から許されていく。対してその救済を邪魔しているのは、そもそも罪悪感も償いの意思も持たない連中だ。その連中の醜さが作中ではさりげなく、それでいて確実に表現されている。■■■■■■■■■■花火大会の最中、彼女が自殺しようとしてヤショーが落ちるシークエンス。SF作家の山本弘はブログで「強引」と言っていたが、私はあれを見てランス・フォー・トリアーを思い出した。あれは硝子の激情だったに違いない。西宮硝子が目を見開いて夜の橋へ走り出し号泣したとき、彼女は小学生の時のヤショーのような激情で彼を殺してしまった事に泣いたのだ(いとさんが死んだ時の妹のと全く同じシークエンス。あの時ヤショウは死んだのだと思う)。目の前に将が現れたのは彼女の幻想だったに違いない。そして彼が回復して学校で全てに許されるのは、彼の死後の物語に違いない(そう確信したのは、マリアの台詞と同時期にDVDで見た「心が叫びたがっているんだ」との比較)。■■■■■■■■■■■■いじめていた連中は結局最後までそれを悔やまず、自分たちは「許す立場」にあると思っている。彼らが制裁を受けたり悔やんで光落ちする描写はない。その恐ろしさこそ「いじめをしたり黙認したりした」観客へのメッセージだ。ラストはヤショーの幻想であり、いじめっ子だった観客の幻想である。
はち-ご=さん [映画館(邦画)] 9点(2016-10-22 00:53:37)(良:1票)
はち-ご= さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2018-04-26クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 拉麺大乱8レビュー7.60点
2017-08-07ひろしま(1953)10レビュー7.54点
2017-01-14この世界の片隅に(2016)10レビュー8.19点
2016-10-22映画 聲の形9レビュー6.49点
2016-10-13山嶺の女王クルマンジャン8レビュー8.00点
2016-08-28君の名は。(2016)7レビュー6.97点
2016-04-18名探偵コナン 純黒の悪夢5レビュー5.45点
2015-08-25バケモノの子9レビュー5.53点
2014-07-25コマンドー7レビュー6.68点
2014-05-04クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん10レビュー7.03点
映画 聲の形のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS