17歳のカルテ の よしのぶ さんのクチコミ・感想

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17歳のカルテ の よしのぶ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 17歳のカルテ
製作国,
上映時間127分
劇場公開日 2000-09-02
ジャンルドラマ,医学もの,青春もの,実話もの,伝記もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 自殺未遂をして精神病院に入院した少女が回復して社会復帰を果たす物語。硝子の心を持つ少女スザンナは、昔気質の両親になじめず、家に居づらい。複数の男性と体を重ねるが愛情はない。高校卒業後して無為に過ごすが、幻覚を見、時間感覚があやふやとなり、猛烈な不安に駆られて自殺を図る。精神病院に入院させられるが、自覚症状はない。監視、薬、規則で患者を管理しようとする病院に反発を覚え、医者に食ってかかり、看護婦に悪口を吐く。そんな中、他の患者達と連帯感が生まれ、友情も芽生える。特に主導者的存在のリサに惹かれていく。彼女は、本音で語り、医者を無能呼ばわりし、薬も飲まず、夜中に診察室に忍び込んで診療録を見るなど、自由奔放に振る舞っていた。ある日、リサの誘いで病院を脱出し、退院したデイジーの共同住宅に泊る。リサはデイジーが近親相姦していることを見抜き、容赦なくなじる。翌朝デイジーが自殺する。リサに疑問を持ったスザンナは病院に戻る。自分と向き合い、今まで治療努力をしてこなかったことを後悔し、前向きに取り組むようになる。リサが戻り、スザンナの日記の同僚批評を非難するが、スザンナはリサの心が空っぽであることを見抜いており、「あなたは既に死んでいる」と痛烈な言葉を浴びせる。退院する前にリサを見舞うと、リサは「私は死んでいない」と答え、二人は歩み寄る。スザンナが無気力に陥り、自立できなかったのは、自分と向き合わなかったからだ。自分の人生がうまくいかないのを、家族や友人や社会や時代の所為にして目をそむけてきた。病院で友達が出来たことで心に余裕が生まれたのが上昇の契機とある。リサを尊敬していたが、彼女の心が空虚であることを知り、彼女の行動のほとんどは虚勢であり、オズの魔法使いの正体と同じだと悟る。リサの中に自分の姿を見て、反面教師としたのだ。閉じこもっていては駄目で、世間を折り合いをつけて生きていくために、成長し、強くならねばならない。映画化が困難な精神病を題材にした点は評価できる。原作者の体験談なので真実味があるが、全ての人に当てはまるわけではない。前半、時間軸を交差させたり、リサと対決した地下の場面を冒頭部に持って来たりと、技巧を凝らしている。映画では自殺未遂は高卒後のことだが、原作では17歳。なので邦題の「17歳のカルテ」は正しい。スザンナとリサを演じる女優が十代に見えないのが難。
よしのぶさん [DVD(字幕)] 7点(2015-02-07 20:45:08)
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投稿日付邦題コメント平均点
2015-02-198レビュー6.62点
2015-02-16死霊の盆踊り3レビュー0.76点
2015-02-11ゼロ・グラビティ9レビュー7.63点
2015-02-09パシフィック・リム10レビュー6.88点
2015-02-08エベレスト 若きクライマーの挑戦<TVM>5レビュー4.80点
2015-02-0717歳のカルテ7レビュー6.99点
2015-02-07噂の女7レビュー7.30点
2015-02-06華麗なる激情7レビュー6.00点
2015-02-06影の車6レビュー7.00点
2015-02-05第9地区8レビュー7.07点
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