イルマーレ(2006) の 黒猫クック さんのクチコミ・感想

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イルマーレ(2006) の 黒猫クック さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 イルマーレ(2006)
製作国
上映時間105分
劇場公開日 2006-09-23
ジャンルドラマ,ラブストーリー,ファンタジー,リメイク,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 素敵すぎでしょ。もうね、凄いステキ。

正直、借りるきっかけは単に、ブルーレイのラブストーリーがこれくらいしかそそらなかったって言うくらいで、あんまり面白そうにも見えなかった。ポストに過去や未来からの手紙が届くって言うのも、あまりにも飛び道具過ぎて最後の30分で空中分解するんじゃないのか?とかいろいろ文句を言うの方のが楽しみだったりした。

ところが、このギミックは抑えめで至って旧時代的な控えめな恋のお話だったりするからたまらん。呼ばれもしないのに会いに行ったり、見てる人の四分の一はドン引きになる告白の仕方もせずにひたすら少しずつ近づいていく空気感が秀逸だ。

会いに行けないような距離に居た訳でもなく、事実を知らせられないSF的な仕組みが存在した訳でもない。だけど、お互いが一方的に事実を知っている時間が流れて行ってくれることを生活と両立し待ち続けた事がこのお話を凄く上質な物にしたと思う。

おかげでパーティでのキス、イルマーレにこない、冒頭の事故。この3点のミステリー的な小技が相対的な存在感を引き出した。純粋なタイムトリップ物としては甘口に過ぎる構造も、基本になる「ありそうな大人の二人のつきあい方」の装飾として上手に機能していた。

だから建て売り住宅の現場監督に収まっているアレックスが、ケイトの職業を外科医であると知ったときの距離感がほんのりと漂っていたのが良い。イルマーレに誘ったときの覚悟や、会社の成功や建築家としてのスタートをすることができた彼の最後の覚悟は、ケイトがいつどこにいるかを唯一知っている、冒頭のあの場所に彼を向かわせるけれど。そのやりきれなさのさじ加減は凄く良い。

実は冒頭、轢かれた人が来ていたジャケットを覚えてしまっていた。イルマーレに来なかったときに死んだと気づく観客の経路でラストを迎えた。だからその後の進行は胸がキュンキュン。最後手紙が届かなくてもきっと感動したと思う。もしかしたらもっと感動してしまったかも知れない。だけど、殺してしまう飛び道具よりも届けてしまう飛び道具の方が私は好きなんだ。
黒猫クックさん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2010-09-20 01:35:26)
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